感動か、共産党を代弁か…ハーバード大の卒業スピーチ 中国人女性「人類共通」が呼ぶ波紋
トランプ米政権との対立が続く名門・ハーバード大で5月29日に卒業式があり、卒業生代表の一人として登壇した中国人女性は、分断する米国や世界の情勢を踏まえ「人類の共通する未来」を強調したスピーチを行った。トランプ氏を批判する文脈で多くのメディアが取り上げ感動を呼ぶ一方、言葉遣いが習近平国家主席と似通っているとして中国共産党とのつながりを疑い反発する声も出ている。 【ひと目でわかる】日本人の留学生数、最も多い国は? スピーチをした中国人女性は、英国の高校や米国の大学を経てハーバード大で国際開発学の修士号を得たジャン・ユロン氏。英BBC放送によると、「ルアンナ」という英語名を持ち、中国人女性として初の学生演説者に選ばれたという。 ジャン氏は、モンゴルでインターンシップをしていた時期に多国籍の同窓生とやりとりした過去を振り返って、ハーバード大が国際的であることの意義を強調。「敵と呼ぶ存在も人間であることを忘れてはいけない。私たちは共通の人間性によって結びついている」と訴えた。 多様性と寛容さの重要性を示すと取れるスピーチで、BBCは「彼女が中国の学生の心を代弁してくれた」と共感するSNS上の中国人の声を紹介した。 一方でBBCは、「検証していない」との前置きをしたうえで、SNSで拡散されているジャン氏と中国共産党のつながりに言及。ジャン氏が、父親とともに中国共産党の資金援助と監視を受けているNGO「中国生物多様性保護・グリーン発展基金(CBCGDF)」の幹部を務め、卒業式でのスピーチで「習近平国家主席の『人類運命共同体』というレトリックを繰り返した」とするトランプ氏の熱烈な支持者の主張を紹介した。 BBCによると、ハーバード大の留学生は約6800人で3分の1が中国出身。米国務省は国家安全保障上の脅威となる可能性があるとして、中国共産党とつながりがある人物を含む中国人の留学ビザを積極的に取り消すとしている。