【詳しく】「言い逃れや自己正当化を続ける」国の特別史跡「大野城跡」無断で造成してキャンプ場 中国籍の夫婦に懲役2年・執行猶予5年の判決

2025年6月5日 10:45
【詳しく】「言い逃れや自己正当化を続ける」国の特別史跡「大野城跡」無断で造成してキャンプ場 中国籍の夫婦に懲役2年・執行猶予5年の判決

福岡県太宰府市にある国の特別史跡の区域内で、私有地や共有地を無断で造成し、キャンプ場を開設した罪に問われている中国籍の夫婦の裁判です。5日、2人に懲役2年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。

共有地や私有地を無断で造成

判決を受けたのは、福岡県宇美町の会社役員で中国籍の劉暁慶被告(41)と、夫で会社員の李勇被告(42)です。

起訴状などによりますと、2人は2023年5月ごろから10月ごろまでの間に、福岡県太宰府市にある国の特別史跡「大野城跡」の区域内で、21人が共同で所有する土地や15人が所有する土地で樹木を伐採し整地するなどして無断で造成し、トレーラーとプレハブ小屋を設置してキャンプ場を開設し、他人の不動産を侵奪した罪に問われていました。

5日午前10時半から開かれた判決公判で、福岡地裁の田野井蔵人裁判官は、2人に懲役2年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

検察は懲役2年を求刑していました。

「動機は利欲的で自己中心的」

判決では、侵奪した土地は2000平方メートルと広大で、期間も起訴されただけでおよそ半年に及んでいて、樹木を伐採、整地、小屋を建てるなど大きな改変を加えるものだと指摘しました。

その上で、実際にキャンプ場を営業し相応の利益を得ていて、動機は利欲的で自己中心的で酌むべき点はないとしました。

さらに、2023年1月以降、県や市の職員から、他人の土地を勝手に使ってはいけないと繰り返し指導を受けてきたにもかかわらず、虚偽の説明や口先だけの約束をしながら造成を続けたとしました。

「言い逃れや自己正当化を続ける」

2023年10月にキャンプ場を開業したあとも、被害者の1人から原状回復や返還を求められても、境界が分からない、売買額が折り合わないなどとして営業を続け、結局、違法性が明るみになり、予約サイトから契約を打ち切られたという理由から営業をあきらめるに至ったとしました。

このことから、2人は我が国の法令を遵守しようとする意識に欠け、言い逃れや自己正当化を続けて相手を疲弊させ、なし崩し的に犯行を強行した点も強い非難に値するとしました。

「おおむね原状回復がなされる」

一方で、おおむね原状回復がなされ、被害者のうち2人とは示談が成立し、事実を認めて反省の言葉を述べているなどとして、執行猶予付きの判決が相当としました。

最終更新日:2025年6月5日 13:56
【ライブ配信】福岡空港
日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
logo

【ライブ配信】福岡空港

FBS福岡放送ニュースYouTube

FBS福岡放送ニュースYouTube

福岡・佐賀を中心としたエリアのニュースをいち早く伝えます。