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支持率上昇中の参政党、参院選で躍進の可能性は #エキスパートトピ

大濱崎卓真選挙コンサルタント・政治アナリスト
参政党フェイスブックページより引用

参政党の政党支持率が上昇中です。NHK、JNNの調査はいずれも1.5pt(前月比+0.5pt)、2.1pt(前月比+0.5pt)と、参院選を前にして支持が上昇しつつあり、世論調査会社グリーン・シップの最新調査でも明確な上昇傾向がみられます。自民党の支持率が低空飛行を続け、国民民主党の支持率も頭打ちから下落傾向にあるなか、参政党が参院選で躍進する可能性について、考えていきます。

ココがポイント

参政党は9日、東京都内で党大会を開き、神谷宗幣代表が夏の参院選で6議席の獲得を目標に掲げた。
出典:朝日新聞 2025/3/11(火)

選挙区では東京、大阪に重点を置き、比例区で500万票の獲得を目指すとした。
出典:朝日新聞 2025/3/11(火)

参政は目標とする全45選挙区で擁立作業を終えた。
出典:日本経済新聞社 2025/5/19(月)

参政党から立候補する見通しの荒木博文市議は4日、所属する自民党に離党届を提出した。異例の「乗り換え出馬」
出典:北國新聞社 2025/6/5(木)

エキスパートの補足・見解

自民党の支持率が低迷を続けるなか、保守層の中で票の流動が始まりつつあります。その受け皿として台頭しているのが参政党です。とりわけ、ネット空間に特化した情報発信力や組織動員力は、他党と一線を画す特徴といえるでしょう。国民民主党の支持が一定のピークを越え、若年層を中心とした無党派層が次なる選択肢を模索するなかで、参政党の存在感は確実に増しています。もっとも、参政党の政策には強い主張が含まれており、その一貫性は評価できるものの、万人に広く受け入れられるかどうかは今後の課題です。ただ、全国比例という戦いの場がある参議院議員選挙のもとで、全都道府県に候補者を擁立するという戦略は、他の中小政党に対して明確な優位性を持ちます。神谷宗幣代表が出馬を見送るなかで、個人依存型から組織的な保守の補完勢力へと脱皮できるかどうかが、今後の参政党の分水嶺となるでしょう。

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ありがとうございます。
選挙コンサルタント・政治アナリスト

1988年生まれ。青山学院高等部卒業、青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。不偏不党の選挙コンサルタントとして衆参国政選挙や首長・地方議会議員選挙をはじめ、日本全国の選挙に政党党派問わず関わるほか、政治活動を支援するクラウド型名簿地図アプリサービスの提供や、「選挙を科学する」をテーマとした研究・講演・寄稿等を行う。『都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ』で2020年度地理情報システム学会賞(実践部門)受賞。2025年度経営情報学会代議員。日本選挙学会会員。行政書士。

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