台湾出身の芥川賞作家、李琴峰(り・ことみ)さんが5日、SNS(交流サイト)上でトランスジェンダーであることを暴露されたとして、甲府市の女性市議を相手取り、投稿の削除と550万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
李さんは令和3年、「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞した。李さん側によると、李さんは平成25年の来日前に性別を女性に変更。日本では性別変更を隠して生活していたという。
昨年5月下旬、市議のフェイスブックに、李さんについて「身体が男性で手術もしていない」とする投稿があるのを発見。この投稿は削除されたが、市議は再び、李さんの性別変更前の写真などを投稿したという。
提訴後に記者会見した李さんは「市議とは全く面識がなく、一方的に機微な個人情報をさらされた」と述べた。
市議は「適切に対応した」とし、「訴状が届いてから、弁護士と相談したい」としている。