「妻による夫叩き」を数字で見る
1. 常態化するモラハラ
現代日本において、女性による「夫叩き」および「男叩き」は、冗談抜きで大規模エンターテイメントとして消費されています。
例えば、こちらのポスト。
2025年5月20日9時の時点で12万いいねを超えていました。
この方は専業主婦らしく、このポストの画像は「夜勤明けの夫に対して専業主婦の妻が早く帰れと連絡しているLINEトーク画面」となります。
妻側の「なんじにかえるの」という言葉は「何時に職場を出るか」「何時に自宅に着くか」の2通りの解釈があり、それに対して夫側は「今帰り」と返しています。妻側がひらがなだけで質問している辺りから微かなメンヘラ臭が漂っていますが、ここまではよくあるすれ違い。
そこから、妻側は「何時に帰るのって聞いて」「そんな答えされても」「何時かわからないまま」と同時刻に返信しています。この辺りから妻側にメンヘラ臭がモラハラ臭に変わってきます。
夫側は「今帰り」の後に続けて、何か書いていた可能性もあります。そもそも、前述した通り「なんじにかえるの」という言葉には2通りの解釈があり、当然ながら妻であれば夫の職場がどこか分かっているはずなので「今帰り」と聞いて計算すれば自宅に着く時刻が分かるはずです。
これに対して「20分くらい」「かかる」と夫側は返信しています。
夫側の返信に対して妻側は「了解」と返信し、一件落着……とはならず、まさかの「出来ないのは算数?国語?」という、誰がどう見ても明らかに暴言を吐いています。モラハラ確定です。
この発言に対して「お前や!」と思わず言ってしまった人も多いのではないでしょうか。これほど見事なブーメランもなかなかお目にかかかれません。
いや、もしかしたら本当に「夫は今職場を出て自宅まで20分くらいかかる」という言葉を見ても時間の計算ができなかったのかもしれませんが、それはともかく。
なんと……この女性、働いていない専業主婦でもあるにも関わらず、夜勤明けの夫にご飯の用意を押しつけているようなのです。
もはや、言葉もありません。夫は妻のパパじゃねぇんだよ。
男女逆転させたら、大炎上どころの騒ぎではないでしょう。
もしかしたら、最初のポストを見た方の中には「夜に仕事が終わっても何も連絡せずに朝帰りした夫に妻が怒っているのかな」とか「妻がご飯の用意をするために時間を聞いているのかな」のように勘違いしていた方も多いのではないでしょうか。その思い込みはアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)と呼ばれるものです。
「男女で言い争いがあったら、きっと女性の方が正しく、男性の方に非があるのだろう」という無自覚のジェンダー・バイアスを通して、何の根拠もなく勝手に背景を想像して「きっと妻側がこれほどまでに怒る事情があったんだろうな」と考えてしまいがち。
その偏見はなかなか拭い去れず、どれほど妻側に非があろうとも認められずに「夫も妻もどっちもどっち」と思ってしまいがちです。
くれぐれも気をつけましょう。
どうやらこの女性は日常的に、SNSにおける「夫叩き」への共感を利用して、夫の行動をコントロールしようとしているようなのです。
そして、今回のモラハラ行動もその一貫でした。
【𝕏】なちゃママ🦕 @naarinobaby|午前8:35 · 2025年5月19日(アーカイブはこちら)
【𝕏】まったり @ma_ta_ri_|午前8:44 · 2025年5月19日(アーカイブはこちら)
さらに夫は金銭搾取もされており、行動も支配されている。
【𝕏】なちゃママ🦕 @naarinobaby|午後9:41 · 2025年3月5日(アーカイブはこちら)
醜悪という一言に尽きます。
しかし、問題の本質は「このモラハラ妻がヤバい」ということではありません。その場合は単なるSNS中毒者という話で済みます。きちんと病院に通い、依存症の治療を受ければ良い。そうであるならば、あくまで一個人の問題に過ぎませんが……。
本当の問題は「どう見ても明らかにヤバいモラハラ妻の投稿がSNSで頻繁にバズってしまうこと」です。
この女性だけの話ではありません。女性による「男叩き」は連日連夜のようにSNSで共感を集めており、その中でも「夫叩き」は大人気コンテンツと言っても過言ではないほど、異常なまでの熱気に満ちています。
モラハラ妻たちは承認欲求を満たすために「夫叩き」をSNSに晒すわけですが、あろうことかその試みは簡単に達成できてしまう。女性たちは歪んだ成功体験を積んでしまうわけです。そして、自身の凶暴な加害性に無自覚な集団となっていく。こうなると、もはや一個人の問題では済みません。
「被害者仕草をしながら夫を加害する妻」は、𝕏だけで済むよう狭い範囲の話ではなく、実際の社会でも問題になっています。特に子どもがいる場合、DV被害に遭った男性はそう簡単に逃げることができない。
妻と社会そのものに、男性は子どもを人質に取られています。
「婚姻生活を続けながら奴隷を続けるか、実子には2度と会えずに金だけ払い続ける代わりにDV妻から逃れるか」という2択しか残っていません。
妻による「夫叩き」は社会問題と呼んでも差し支えないでしょう。
2. 大人気コンテンツ「夫叩き」
冒頭のポストは12万いいねという途方もない数値を叩き出していました。
この数字がどういう意味を持つのか、いまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
「バズる」という言葉が一般的に浸透してきたとはいえ、マーケティングに携わった経験が無い方や、数字を意識してSNSに取り組んだ経験が無い方には、数字の感覚はなかなかイメージがしづらいだろうと思います。
一般的なイメージとしては、ざっくりと「数百単位のいいねで軽いバズ」「数千単位のいいねでバズっている」「1万を超えたら相当バズっている」くらいのものでしょう。それ以上の規模はあまり気にしたことがない方が大多数なのではないでしょうか。
1万いいねと10万いいねは、一体どのくらい違うのか。
具体的な例を挙げると、1万いいねと10万いいねは『ちょっと話題になっている素人のSNS漫画』と『鬼滅の刃』くらいの違いがあります。
『鬼滅の刃』は、言わずと知れた日本の大人気コンテンツです。週刊少年ジャンプで連載された漫画を原作として、地上波アニメと劇場版アニメが展開されています。
当然ながら、そんな大人気コンテンツならば、SNS広報もプロのマーケターが手掛けているでしょう。大人気コンテンツで、一流のマーケターがプロモーションを手掛けて、ようやく達成できる数字が「10万いいね」という壁なのです。
プロのマーケターが本気を出して広報に取り組んだ大人気コンテンツのポストが12万いいね。ただの夫叩きポストも同じく12万いいね。これがどれほど異常なことか分かりますか。
言うまでもありませんが、これは「𝕏」という同じSNSで比較しています。そのため、残念ながら「𝕏をやっている奴がまともなわけないだろ」という反論は成り立ちません。
なお、『鬼滅の刃』のファンは約1,000万人近くいると言われています。劇場版アニメの来場者数は約2,800万人でした。女性による「夫叩き」の支持者も同程度の人数が潜在的にいる可能性があります。
このような「夫叩き」がバズったのは一度や二度の話ではありません。それはもう頻繁に、連日連夜のように拡散されています。投稿者の女性たちはどれだけ承認欲求シャワーを浴びていることでしょう。
下記ポストに至っては30万いいねを超えています。
もし、夫側が「男の人は仕事するけど女の人は何するの?」という趣旨のポストを子どもを交えて投稿したら、良くて誰にも見向きもされず、悪ければボコボコに叩かれて大炎上を避けられないでしょう。
このエピソードが真っ赤な嘘(いわゆる嘘松)であるならば論外ですし、本当だとしても「いつもヒステリーを起こす母親の顔色を伺って母親に都合の良いことばかり言う子供」という『ヤングケアラー問題』となります。
立派な児童虐待案件です。
「こんな夫叩きポストが大人気コンテンツと同程度にバズってしまう」「一過性ではなく恒常的に拡散されてしまう」という社会構造こそが問題であり、個人の問題やケースバイケースで済むような話ではありません。
ちなみに、30万いいねという数字は、劇場版アニメ『鬼滅の刃』無限列車編の吾峠呼世晴先生による観覧コメントと描き下ろしイラストでようやく達成された数字です。
「どの集団にもヤバい奴はいる」「ごく一部の女性が頭おかしいだけ」という意見をよく見かけますが、この規模になるとそうとも言えません。
10万いいねを超える大規模で「夫叩き」が拡散がされているということは、それよりも小規模な1万いいねを超える範囲で拡散されることはそれ以上の頻度で起こっているということです。
過去にもnoteでまとめてきましたが、夫叩きを含む「男叩き」は揃いも揃って1万いいねを超えるほど拡散されています。
ここにまとめてあるものは、それこそ「ごく一部」に過ぎず、毎日のように拡散されている「男叩き・夫叩き」の頻度と規模は計り知れません。
「どの集団にもヤバい奴はいる」というのは真実でしょう。
しかしながら、そのヤバい奴が集団のごく一部に過ぎないのか、それともヤバい奴が集団の大部分を占めているのか。
少なくとも自分は「ごく一部の女性が頭おかしいだけ」と言える客観的根拠を持っておらず、男性が「女性の大部分が頭おかしいのでは」と懸念を抱いても仕方ないのではないかと思っています。
本当に「ごく一部の女性が頭おかしいだけ」ならば、これほどの頻度と規模で「男叩き・夫叩き」がバズるはずがありませんから。
女性に自浄作用が無いとしか言いようがない。
「ごく一部の女性の頭がおかしいだけ」と信じたい気持ちは分かります。でも、それをきちんとした根拠を持って言えるでしょうか。
3. 旦那デスノートと不凍液
先日、こんなとんでもない記事を見つけました。
著者は離婚カウンセラーの岡野あつこ氏。かなりヤバい記事です。
「旦那デスノート」という会員制SNSがあります。「旦那は死ね」といった激しい言葉が投稿されているのですが、投稿者は実際には本当に殺意を抱いているわけではなく、ストレス解消の手段としてやっているわけです。あまりに過激な投稿もあるので問題視されてはいますが。
白状しますが、私の場合、元夫が大事にしていたスーツケースを踏みつけたり、わざとまずいご飯をつくったりしたことがあります。
あと、元夫に「戒名」、つまり亡くなった後の名前をつけて、仏壇の前で手を合わせたりもしました。変な話ですが、こんなことでも結構スッキリするものです。
聞いた話では、夫の歯ブラシで掃除をしたり、夫が愛人からもらったセーターに、着ているうちに破れるようにほんの少しだけ切り込みを入れた、という人もいます。
よくない振る舞いかもしれませんが、溜め込んでいる不満を爆発させて本人と大ゲンカして一気に関係が破綻するよりは、こういうちょっとした「仕返し」で気を紛らわすことも、場合によってはありかもしれません。
それらはちょっとした「仕返し」ではなく、普通にモラルハラスメントやDVに該当するのでは……と思わざるを得ません。何が「場合によってはありかもしれません」だよ。全然ありじゃねーよ。
こんなとんでもない発言、男性が言っていたら大炎上は避けられないでしょう。本当に「女性だから許されている」としか言いようがありません。
そして、旦那デスノートというのは有名な「殺人教唆サイト」です。こんなものをポジティブな文脈で紹介するなんて、はっきり言ってどうかしています。冗談で済むことではありません。あり得ない。
一応リンクを貼りますが、くれぐれも閲覧注意です。
このサイトについて岡野あつこ氏は「投稿者は実際には本当に殺意を抱いているわけではなく、ストレス解消の手段としてやっているわけです」とマイルドに紹介していますが、断じてそんなことはありません。
旦那デスノートの投稿者は本当に殺意を抱いており、実際に夫の殺害まで至っていることが伺えます。ストレス解消の手段ではなく、計画的犯行です。
あるいは、最初は「ストレス解消の手段」であったとしても、この殺人教唆サイトで数々の報告を眺めているうちに影響を受けて、自身もその気になってきてしまった女性もいるかもしれない。
旦那デスノートによく登場するものとして「不凍液」があります。有毒物質を旦那の飲食物に少しずつ混ぜることによりバレないように殺害しよう、という考えるだけでもおぞましい手口です。
先日、その不凍液による殺人未遂が実際に事件となっていました。
女性による犯罪行為には膨大な『暗数』があります。
「加害者の割合は男性の方が多い……という"嘘"」が世間にバレ始めていることはご存知でしょうか。
女性の犯罪数は統計上少ないのに、なぜか不自然に『殺人』の件数だけ跳ね上がります。女性の犯罪数が少ないのではなく、女性による加害行為は被害者が殺害されるまで「野放し」になっていると考えた方が自然です。
『女性の証言』は現代社会においてあり得ないほど優遇されており、それは女性が加害者側の立場でも被害者(を騙る)側の立場でも同じです。
まともな物的証拠があっても『女性の証言』はそれを上回り、男性の被害は握りつぶされて、冤罪による濡れ衣を着せられますが……。
「死体」という証拠だけは『女性の証言』では誤魔化せません。
女性による男性へのDV加害は、男性が死亡するまで表沙汰になりません。
この傾向はDV被害に遭った男性だけでなく、児童虐待に遭った子どもについても同様です。女性が加害者である場合、男性と子どもは泣き寝入りせざるを得ないのが現代社会です。命を落とすまで。
統計として含まれる範囲においても……。
女性の加害者は、逮捕されづらく、起訴されづらく、起訴されたとしても求刑は軽く、有罪になりづらく、有罪になったとしても執行猶予で済むことが多く、執行猶予ではなく実刑になったとしても刑罰が軽くて済むことが多く、社会の同情も集めやすい。
例えば、実刑が言い渡されたケースにおいても、裁判長が「子育て頑張る気持ちは疑ってない 更生の道を」と労う言葉をかけています。殺人犯である母親に。まだ贖罪が始まってもいないのに。
さらに恐ろしいことに、殺人でさえも女性は誤魔化すことができるようになってきている。こんなことが現実でまかり通っています。
まだ終わりません。
実刑が下されて、刑務所に入ってからも女性は甘やかされています。どれだけ下駄を履かされたら気が済むんだというレベルです。
女子刑務所と男子刑務所の部屋と日常生活
女子刑務所と男子刑務所では、部屋の作りや日常生活の進行にも違いがあります。
特に、女子刑務所では、心理的サポートや女性特有の生活ニーズに合わせた環境が整えられています。
男子刑務所は、部屋は狭く、2〜4人の相部屋が多いです。
規則的な点呼や日課が厳しく設定されています。
男性受刑者は体力的に厳しい作業が多く、生活は管理的な色合いが強いです。
一方、女子刑務所は1〜2人の個室または小規模の共同部屋が多いです。
女性特有の生活ニーズを考慮し、トイレやシャワーの設備が清潔に保たれています。
また、生活空間の装飾や明るい環境作りにも配慮されています。
……これ、刑務所ですよ。被害者が心を癒やす施設じゃないんですよ。加害者が罪を償う施設ですよ。なんだよこれ。
こんなこと、加害者が男性である場合はあり得ないことです。
警察・検察・司法から、女性は徹底的に甘やかされて、下駄を履かせられています。だから、これほどまでに女性の加害行為には「暗数」が発生しているわけです。
どれだけ男性が周りに相談しても、どれだけ子どもが助かろうと必死にあがいても、文字通り死ぬまでどうにもならない。絶望しかありません。
このような背景があり「女性による男性へのDV被害」は長年見過ごされてきましたが、近年になりようやく少しずつ顕在化し始めました。
厚生労働省による年齢階級別、原因・動機別自殺者数の統計を見ると、「夫婦関係の不和」における自殺者数が「DV」「不倫・浮気」「その他の原因」のいずれにおいても、男性の方が女性より2〜3倍は自殺者数が多いことが分かります。なお、この「その他の原因」には前述したような「顕在化しないDV被害」が多数含まれることが推察されます。
また、こんな研究もあります。
家庭内暴力を受けた男性が警察に助けを求めた場合、男性を殴る女性よりも殴られた男性が逮捕される可能性の方が高くなる、というものです。
書き間違いではありません。
男性を殴った女性ではなく、女性に殴られた男性が逮捕されるという、にわかには信じがたい事態です。
しかし、これは冒頭のポストをご覧になり、ここまで記事を読み進めたあなたならば、実感を伴って納得できるかもしれません。
先ほどまで、頭のどこかで「女性側が怒っているのはきっと男性側が何かやらかしたに違いない」「妻も夫もどっちもどっち」と思い込んでいた、アンコンシャス・バイアスあるいはジェンダー・バイアスを体験したはずです。
毎日のように「男叩き・夫叩き」がSNSで流れてくることが当たり前の環境で、男女平等な視点を保つ方が難しいでしょう。あまりにも、女性が男性にモラハラDVをすることが当たり前になりすぎている。立場を男女逆転してみたら明らかにおかしいのに、気づけなくなってしまっている。
みんな、感覚が麻痺してしまっている。
だから、女性が加害者、男性が被害者でも、世間から「女性がそこまでせざるを得ないほど追い詰めた男性が悪い」と泣き寝入りさせられてしまう。
そして、これは決して「𝕏で一部の奴らが騒いでいるだけ」「インターネットの偏った男女論」ではありません。
事件もニュースも統計も、陰謀論でも何でもない。
まぎれもない現実の話です。
4. 「産後の恨みは一生」は本当か
結論から言えば、嘘です。しかし、
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