相模原 知的障害者施設 19人殺害事件から26日で8年

相模原市の知的障害者施設で19人が殺害された事件から、26日で8年です。
施設では追悼式が開かれ、一般の献花も受け付けます。

2016年7月26日、相模原市にある県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害された事件から、26日で8年になります。
事件のあと取り壊され、3年前に再建された施設の体育館では、午前中に追悼式が開かれ、遺族や入所者のほか県や施設の関係者などが出席し、犠牲者に黙とうを捧げます。
施設の正面に設置された「鎮魂のモニュメント」の前の献花台には、19人のうち10人の名前が刻まれています。
一般からの献花は、午前9時から午後5時まで、受け付けます。
この事件で死刑判決が確定した元職員の植松聖死刑囚(34)は、おととし、再審=裁判のやり直しを申請していましたが、横浜地方裁判所は、去年4月にこれを退ける決定を出しています。
死刑囚はこれを不服として、裁判所に即時抗告しました。

事件は8年前の7月26日の未明に起きました。
相模原市にある神奈川県の知的障害者施設、「津久井やまゆり園」で入所していた人たちが次々と刃物で刺されて19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負いました。
事件の直後、施設の元職員の植松聖死刑囚(34)が近くの警察署に出頭して逮捕され、その後、起訴されました。
植松死刑囚は逮捕直後から、「障害者は不幸しか作らない」とか「意思疎通できない障害者は殺そうと思った」などと差別的な主張を繰り返しました。
4年前の判決で横浜地方裁判所は「施設での勤務経験から重度障害者は不幸であり、その家族や周囲も不幸にする不要な存在であると考えるようになった」と指摘しました。
そのうえで、「19人もの命を奪った結果は、ほかの事例と比較できないほどはなはだしく重大だ」として死刑を言い渡しました。
弁護士が控訴しましたが本人が取り下げ、死刑が確定しましたが、おととし4月に、本人が横浜地方裁判所に再審=裁判のやり直しを請求しました。
横浜地方裁判所は、去年4月にこれを退ける決定を出しましたが、弁護士によりますと、死刑囚はこれを不服として即時抗告しました。

現場となった津久井やまゆり園では事件当時、重度の知的障害がある人たちおよそ150人が暮らしていました。
事件のあとほとんどの建物は解体され、県は当初同じ規模の施設に建て替える方針でした。
この方針を受けて障害者団体などからは「地域に根ざした小規模な施設にすべきだ」といった反対意見が寄せられた一方、利用者の家族からは「地域で受け入れられないので、施設にお願いしている」とか、「同じ規模で再建してほしい」といった声が上がりました。
再検討の結果、現地と横浜市内の2か所に以前の半分以下の定員およそ60人の施設が再建されました。
施設の再建に際しては、やまゆり園を運営している社会福祉法人、「かながわ共同会」の入所者支援のあり方についても議論になりました。
県が行った有識者による検証で、一部の利用者について「見守りが困難」という理由で、外から施錠した個室に長時間拘束していたことなどが明らかになり、虐待の疑いが極めて強いと指摘されました。
これをふまえ津久井やまゆり園では、入所者の希望をよりくみ取った支援を行うよう努めるとともに、本人や家族の意向を尊重しながら、地域で生活するグループホームなどへの移行を進めていくとしていて、昨年度から5年間、毎年12人ずつとする目標を掲げています。
しかし、グループホームに移行した人は先月末までの1年余りで3人にとどまっていて、今後地域の暮らしの場をいかに確保していくかが課題となっています。

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