開発部 DataOps
佐野 丈瑠
Takeru Sano
2022年にインターンとしてシンプルフォームへ参画し、様々なデータ収集業務を担当。2023年4月より新卒4人目の正社員として当社入社。
シンプルフォームでは毎週月曜に、経営メンバーや全社員が参加する全社会議(通称:全社会)を開催しています。全社会は創業2期目の途中からスタートしました。会の目的や、取り扱う内容は会社の変遷と共に少しずつ変わりながらも、全員が集い時間を共有する場という機能は変わらず、創業5期目の現在も毎週行われています。
これまでは主に経営メンバーやマネージャーが輪番制で司会を担当していましたが、2024年5月からは希望する人は誰でも司会ができる立候補制となりました。
社内ミーティングとはいえ、50人以上のメンバーの前で会を切り盛りする司会は緊張を伴うものです。そうした中、トップバッターとして司会に立候補をしたのは、当時入社1年目の新卒メンバーである佐野丈瑠さんでした。
シンプルフォームで、データ収集チームのオペレーションの企画・改善や、オペレーションスタッフのマネジメントを担う佐野さん。そんな佐野さんが、当時の全社会で全メンバーの前で発表したメッセージは、社内で反響を呼びました。一体どんなメッセージだったのか、一部をご紹介します。
「嫌な自分に向き合うことの難しさと大切さ」
-立候補の背景-
この度、全社会の司会に立候補いたしました。
私ごとで大変恐縮ですが、その背景には、「自分の主体性を強めたい」という思いがあります。
兼ねてより自覚があり、さらには上長からも耳が痛いほどご指摘いただいたことでもありますが、私の入社してからの課題として、「主体性」というものがあります。
私が考える「主体性」とは、「自らの責任範囲を自らの手で広げていくこと」です。しかし、これまで自分が担当する業務の外にも積極的に関わろうとする姿勢は、あまり発揮できなかったという自覚があります。
そこで、主体性を広げるための一歩として、全社会の司会に立候補しました。
-成長の意味-
私の成長は、私だけに意味のあることではありません。
私がどこまで成長できるかということは、この会社の成長に直結します。それは、私という存在が、これから入社してくる新卒メンバーの上限になり得るからです。
新卒で会社に入社した際、まずは年齢の近い、身近な先輩が第一の目標になるのではないでしょうか。そう考えると、これから入社いただく新卒メンバーにとって私は、一つの参照点となります。私の成長、行動や考え方を模範としてくれる可能性がある反面、私が停滞してしまえば、私の背中を追ってくれるメンバーもきっと、速度を落としてしまうのでしょう。そんな風にはなりたくない。むしろ、新卒メンバーの限界を引き上げる身として、価値を発揮していきたいのです。
もっとも、個人の成長が会社の成長につながるということ自体は、決して私に限った話ではありません。この会社のメンバーの一人ひとりが、誰かにとっての「目指すべき人」になっていくのでしょうし、反面、上限にもなり得ます。個人の成長が他の誰かの成長につながり、結果として、会社全体の成長につながっています。
-嫌な自分に向き合うということ-
このメッセージの中で、私は主体性という自分の弱みをさらけ出しました。正直とても恥ずかしいし、書いていてつらいこともありました。しかし、言語化しないということは、逃げ続けているも同然だと考え、この全社会という場を借りて自分の弱みを文字に起こし、自分自身と向き合っています。弱みを言語化し、自分そして皆様にも知ってもらうことで、なんとか克服するきっかけを作りにきました。嫌な自分に向き合うということはとてもとても辛いことではありますが、それを乗り越え、言語化し、一つずつ改善していくことしか、成長への道はないのだとも思います。
名実ともに自分を誇れるように、主体的に、この会社の成長に貢献していきたいです。
改めて、社員全員で成長し続け、この会社を成長させ続けていきましょう!
ご一読、ありがとうございました。
なぜこのメッセージを伝えようと思ったのか、全社会という場で社員全員に発表したのか。改めて当時の心境について、佐野さんに振り返っていただきました。
「一皮むけたい」と思ったからです。全社会の司会が、全社員を対象とした立候補制に変わった際に、先輩の宮本さんから「やってみたら」と声をかけてもらいました。これまで司会は主に経営メンバーが輪番制で行っていましたし、何十人もの方を前にして場を進行するので、社内のミーティングとはいえ一メンバーの自分が発表を行うなんて考えられませんでした。しかし、「立候補してみたら何か変わるかもしれない」という淡い期待もあり、チャレンジすることに決めました。
当時は、入社してちょうど1年ぐらいが経ったタイミングでした。仕事にも慣れはじめ、自身の担当するデータ収集のオペレーションという領域においては、手応えを感じてきていました。
しかし、評価面談の際に上司の東さんから「今後は『やり切る力』をより発揮してくれることを期待しています」というフィードバックをいただきました。当時は、率先して何かに取り組む姿勢があれば、自分のキャパシティーを超えてやり切れなくてもいいだろう、と思っていたのが本音で、東さんからのフィードバックは図星でした。主体性というのは、ただ手を挙げるということではなく、自ら手を挙げてやり切るところまでを含むのだなと思いました、
自分はこれまで「やり切る力」を発揮できていなかった自覚はあった一方で、そうは言っても、さまざまなことに積極的、能動的に手を挙げるという主体性の前提となる行動はできているつもりでした。しかし、実はそれすら満足ではありませんでした。過去に自分が「これって他のチームの責任範囲ですよね」といった積極性に欠ける発言を行っていた点について宮本さんから指摘をいただき、周囲の認識とのギャップも感じ、自分を見つける機会となりました。
全社会の司会に立候補したのは、こうした理由からです。これまでの自分であれば、絶対にやらなかったことに挑戦してみようと思いました。
これまでの自分であれば、司会に立候補した時点で満足していたと思うのですが、「やり切る」ということを意識し、改めて全社会の目的から考え直しました。これまでの全社会は情報共有の場という位置づけでしたが、新たに「一人ひとりがこの会社の一員である、という一体感を醸成すること」「メンバーの頑張りを共有し、バリューを浸透させること」という目的を追加し、その目的実現のために何が必要かを考えました。
全社会には社員全員分の1時間を費やしているので、その時間分の価値があるものにしたかったのです。そうした貴重な機会に自分の言葉を伝えられるのであれば、自分の弱みを言語化しさらけ出し、変わるとコミットメントするメッセージが適切だと思いました。自分自身の覚悟を表したいという思いもありましたし、弱い自分をさらけ出すことで誰かが共感し、何かを変えるための勇気につながればという思いもありました。
全社会が終わった後、色んな人から「感動したよ」と声をかけてもらい、カルチャーの推進という意味で初めての成功体験を積めました。また、全社会でただ宣言して終わりというものではなく、ここから体現しなければならないという覚悟も決まりました。
Yesマンではなくなったと思います。組織目標を実現するために必要なことは、忖度することなく発言できるようになりました。これまでの自分であれば上司からの指示や依頼にはすぐに応えていましたが、依頼や指示の際に疑問を感じることがあれば、意見や質問をしたり、自分で判断を行ってから回答するようになりました。先日あるデータの収集を再開して欲しいといわれたのですが、目的などがあまりつかめなかったので、「目的を整理してから再開するか判断してもいいですか」とこれまでの自分だったら言えないことを言えるようになりました。かわいくない新卒になったと自分で思います。
目的意識が高まったことで、周囲への接し方も変わりました。どういった目的を達成するために依頼する仕事なのか、相手のモチベーションはどうやったら上がるのか、そういったことに意識が及ぶようになりました。
入社して1年半が経過しますが、「仕事は面白い」と心から思えています。目的を持ち、自分で考えながら仕事に取り組めているからだと思います。周囲から「自分の意見を持つようになったね」と言っていただくことが増え、これまでは心の中だけで留めていた言葉を発することができるようになりました。会社にとって必要な発言であれば、相手も真剣に受け止めてくれ、言った分だけ変えることができると大きな安心と自信が得られました。
私たちのお客様には、金融機関の「二線」と呼ばれる方々が多くいらっしゃいます(※)。この言葉になぞらえると、シンプルフォームのデータ収集を担う自分は、シンプルフォームの二線のような存在だと思っています。
データ収集を担うチームは、2つに大別されます。1つは、法人のリスクや実体性を評価する上でより適切なデータは何か、これらに資する新たなデータが世の中に存在していないか、といった観点でデータの発見・収集を行うチームです。もしかしたら自分が新たに発見したデータが、法人の評価軸に大きな意味をもたらすかもしれないと考えると、その新規性に惹かれる方は多いのではないでしょうか。
もう1つは、現在のデータベースにおいて必要とされるデータを、安定的かつ確実に収集するチームです。私はこの領域に面白さを感じています。実は、決められたことを手順通りにただ回せばいいというものではなく、効率的なデータ収集を実現するためにはオペレーションを改善し続けることや、新たなルールを定めることが必要です。こうした改善によって、業務にあたるメンバー全員が快適になることに大きなやりがいを感じます。シンプルフォームの新卒メンバーの中では、この領域は自分にしかできないと自負しています。
データ収集を担うチームメンバーの多くは、約50名のパートタイマーの方々です。一人ひとりキャラクターも、仕事に求めることも、バックグラウンドや年齢も異なります。こうした多様なメンバーと協調し仕事を進めるにあたって、適切なコミュニケーションは比較的向いていると感じます。
※金融機関や上場企業等を中心に採用されている、組織の部門を❶現業部門❷管理部門❸内部監査部門の3つの役割に分類してリスク管理を担わせる考え方。うち二線は❷にあたり、コンプライアンス部門やリスク管理部門などの管理部門を指す
そもそも、新卒でスタートアップを選ぶぐらいなので、負けず嫌いなメンバーが多いと感じています。事業においても、いわゆる攻めの領域を担うメンバーが多く、皆さんが野心的・挑戦的で、天性の主体性を持ち合わせている気もします。
しかし、今後私たちが出会っていく新卒メンバーには、自分のように、いわば主体性を後天的に身につけるタイプも増えてくると思っています。私だからこそ、将来の新卒メンバーの身近な模範となり、成長に寄り添えることもきっとあると思います。少し自意識過剰な気もしますが。
後天的に主体性を身に付けたところに自負があるからこそ、自分にしかできない二線という領域で挑戦を続けられている裏側を知りました。周囲からのフィードバックを素直に受け止め、すぐに行動を変えられる、全社員が参加する場で、弱みをさらけ出し、自分を変える覚悟を示すことができる、そんな佐野さんだったから、多くの人の胸を打つメッセージを伝えられたのだと思います。
「自分だからこそ伝えられることがある」と新たな新卒メンバーとの出会いを楽しみにされていますが、新卒に限らず中途メンバーにも大きな影響を与えられると思います。佐野さんの社内での活躍を拝見し、「自分はスタートアップには向いていない」と思う方にこそ、出会っていきたいと思いました。
開発部 DataOps
佐野 丈瑠
Takeru Sano
2022年にインターンとしてシンプルフォームへ参画し、様々なデータ収集業務を担当。2023年4月より新卒4人目の正社員として当社入社。
募集職種
開発部
該当するポジションがない方はまずはカジュアル面談にお申し込みください。