12月入社の新卒。やっと見つけた自分の領域・仕事の仲間 読み込まれました

12月入社の新卒。やっと見つけた自分の領域・仕事の仲間

2025/1/6

ストーリー

開発部 PdM

齋藤 国興

Kunioki Saito

大学在学中にポートランド州立大学へ留学。2021年4月よりインターンとしてシンプルフォームに参加し、幅広くデータ収集を行う。2021年12月より新卒で当社入社。

2021年4月より学生インターンとしてシンプルフォームに参画し、データ収集業務を行う。2021年12月、新卒入社。以来、一貫してデータ収集・調査分析を担う。

今回は、学生インターン時代から、入社4年目の現在までの振り返りを綴ってもらった。

やっと見つけた自分が没頭できる環境

シンプルフォームにインターンとして参加してから今日まで、シンプルフォームで働く人のために何か貢献したいという気持ちで頑張ってきたと思います。

就職活動の第一志望は、テレビ局などのエンタメ系。しかし面接に全敗してしまい、就活自体をやめてしまいました。自分が何をしたいかもあまりわからないまま、気づいたら大学6年生になっていました。

就活もせずフラフラしていた自分はとにかく暇を持て余していたので、大学の後輩である宮本さん(※1)の紹介でシンプルフォームに出会ってからは、かなりの量のデータ収集業務をこなしていました。その動きを認めてもらい、田代さん、小間さん(※1)にランチに連れて行ってもらえることになりました。当時数十人はいるインターン生の中で目をかけてもらえたことが嬉しかったです。

ランチの場で「卒業後の進路はどうするんですか?」と二人に聞かれ、「公務員を目指している」と嘘の回答を返してしまいました。もちろん公務員試験の対策など一切していなかったのですが、田代さん、小間さんという自分にとって”凄い人”を前に、少しでもしっかりしている自分に見られたいという思いからついた咄嗟の嘘でした。

学生インターンの数も増え、組織化のために複数リーダーを立てることになり、自分もありがたくリーダーを拝命しました。データ収集業務だけでなく、業務改善を担う企画立案も任されるようになりましたが、とにかく様々な法人データに触れるのが楽しく、夢中になって取り組んでいました。こうした中で、徐々に収集データの利活用のイメージが湧くようになり、これまでやってきた点と点が、つながる感覚がありました。自身の気づきを発信することで、周囲からコメントをいただく機会もあり、自分のやったことで社員の皆さんに喜んでもらえることが嬉しかったです。こうしたことが、少しずつ自信になっていきました。

※1:
宮本:大学4年時に初の従業員としてシンプルフォームにジョインする。2021年10月、新卒入社。

※2:
田代:代表取締役CEO。2020年10月にシンプルフォームを創業。
小間:取締役CTO。2020年12月より現職。

「誰よりも自分が法人に詳しい」その自信を得るために必死に食らいついた日々

こうしてシンプルフォームでの業務に没頭していた日々ですが、いっこうに大学卒業後の進路は決まっていませんでした。仕事も人も好きで、シンプルフォームに入社したいという気持ちは日に日に強くなっていきました。しかし、「自分なんかは受け入れてもらえない」「すごい人ばかりだし」と引け目を感じ、自分から「シンプルフォームで働きたい」とはなかなか言い出せませんでした。

宮本さんがシンプルフォームに新卒入社することを決めた、と報告をもらったのはその頃です。彼は内定している大企業に進むと思っていましたし、そもそもシンプルフォームに新卒入社という選択肢があったことにも驚きました。

当時、シンプルフォームではMVVの策定に向け、全社員が参加しての会議が行われていたのですが、インターンである自分は意思決定の場に参加できず、社員である宮本さんが参加できることを、率直に寂しいと感じました。社員と同じ目線で挑戦したいと思い、面談で「新卒として入社をしたい」と伝えました。『SimpleCheck』の本番提供が開始したお祝いの席で入社を発表し、皆さんに喜んでいただけたことは大切な思い出です。

入社発表後は社員として、毎週全社員が参加して情報共有を行っていた全社会にも参加できるようになりましたが、当初は端の位置に座り、なかなか発言もできませんでした。その姿勢に対して、田代さんから「自分の意見言えないよね」と厳しい指摘をいただきました。そう指摘を受けた瞬間は、「自分の意見はあるけれど、言ってないだけだ」と思いました。自分よりキャリアを積んでいる周囲のメンバーにとって、自分の発言は果たして価値があるものなのか分からず、自信が持てなかったことに気づきました。誰よりも生のデータを触っており、誰よりも法人に詳しい自負はありました。自分の発言力のなさから、周囲はそう認識していないことがとにかく悔しかったです。

『SimpleCheck』の本番提供が開始してしばらく経った後、データの正確性の検証のため、優先順位の高いレポート全てにダブルチェックを入れるという業務が発生しました。これにより、どんな法人が調べられているのかといった傾向を最も把握しているという専門の領域ができました。この時の経験が、後々エンジニアさんと取り組むプロダクトの機能改善にも役立ち、周囲から評価を得るきっかけとなりました。これまでコツコツ積み上げてきたものは無駄ではなかったと感じられ、大きな自信にもつながりました。

数々の失敗から学んだ他者と働くということ

自信が得られた一方で、課題が見えてくる時期でもありました。

これまでは自身の所属する調査チーム内での活動が主でしたが、あるPJで初めてBizチームのメンバーと関わる機会がありました。当時、何となく会話がかみ合わない感覚はあったのですが、振り返ると前提を共有せぬまま物事を進めていたり、調査チーム内の共通言語で話してしまっていたりと、相手の立場を鑑み、相手の言葉で話すということができていませんでした。

別の機会にも同様の指摘を受けることがあり、自分が何となく使った言葉で、相手の誤解を招くということがありました。特にバックグラウンドが異なる人と会話をする際や、リアルな場においてすぐに機微をフォローできないテキストコミュニケ―ションの際には注意が必要だと感じました。当時、率直にアドバイスをいただいた方には感謝しています。

また、長期学生インターンから新卒入社してくれるメンバーが続いていないことも課題でした。調査業務が好きで熱中しているインターン生であれば、きっとシンプルフォームに入社してくれるだろうと思っていました。さらにアトラクトせずとも入社を決めてくれる人のほうが、後々も活躍してくれるだろうとまで思っていましたが、今振り返ると傲慢でした。新卒でスタートアップを選ぶことは、比較的大きな決断を要することです。当時のインターン生の方々は、既に他社から内定を得ていたので、なおさら積極的に働きかけるべきでした。あの時、シンプルフォームにいる意義をもっと示せていたらと後悔をしています。

さらに、日頃の行いが、周囲の信頼をつくるということを痛感した出来事もありました。あるお客さまへ出向するメンバーを、新卒メンバーから1名選出することになり、出向権をめぐって吉原さんと自分が、ディベート対決を行うことになりました。対決で指摘されたことは「Mac PCを使っている」「朝が弱い」ということでした。

大量のデータに触れて理解している自分が出向すれば、きっとお客様にも社内にも多くの学びを還元できると思っていたので、こうした指摘は本質的ではないと思っていました。しかし、結果は吉原さんの勝ち。Windows PCに切り替えるのは簡単だし、確かに朝は弱いけど大事な局面では寝坊していないし……。そう思っているのは自分だけで、日頃の行いでしか周囲は評価することができないのだと思いました。

これまで自分はデータの領域で、少しずつ成果を出してきました。「データと言えば齋藤」というポジションもできました。ただ、「働く」ということは他者が必ず存在するものであり、自分目線だけで完結する世界ではないのだと、そんな当たり前のことに、やっと気づくことができました。

他者と働くことは難しい、ただ他者と働くからできることもある

入社して2年が経ち、PdM(プロダクトマネージャー)という役割を任せてもらえるようになりました。不安はゼロではありませんでしたが、調査で培った経験をもとにエンジニアさんと機能開発に取り組むこともあったので、楽しそうだと感じました。

当初、PdMは必ず正解を持ち、プロダクトの羅針盤のような存在として、周囲に正解を提示する役割だと思っていました。そのため、「これってどうする?」と聞かれた際に明確な答えを持っていない時はとにかく焦りました。これまでは量で何とかする、パワーで頑張ればなんとか乗り越えられる経験ばかりでしたが、この時ばかりは脳の限界を迎えました。

こうした中、PdMについて学びを深めていくうちに、「ユーザーインタビュー」という手法を知りました。ユーザーインタビューとは、プロダクトの利用者にインタビューをし、その場で得た意見や気付きを自社の開発に役立てるというものです。早速お客様のご協力を得て場をセッティングし、エンジニアさんにも同席いただき開催しました。こうして得られたインサイトをもとに、プロダクト開発の議論を行った結果、非常に活発な解像度高い意見が飛び交い、チーム全体のモチベーションが向上しました。ユーザーの声という一次情報を、チーム全員で把握することの重要性を感じました。

自分でも大二病だと思いますが、これまでは他人に左右されない自分がかっこいいと思っていました。しかし、皆さんのおかげでやっと相手の目線を意識して、自分の行動を変えることの大切さに気付きました。そして徐々に誰かが成果を出すことに喜びを感じられるようになりましたし、誰かの成長に興味を持てるようになりました。これはチームで何かを行う成功体験を周りの人に積ませてもらったからだと思います。

PdMはプロダクトの羅針盤であるという当初の考え方は変わっていませんが、PdMだけが常に明確な答えを持っていなくてもよい、と思えるようになりました。開発はチームで行うものであり、正解はチームでたどり着けばいいので。大切なのは、自分の意見を押し通すことではなく、合理的にチームのためにそうすべきだよね、と心の底から納得できるまで議論をすることだと思いました。

シンプルフォームに参画し3年以上が経ちました。これまで自分の力は、自分の成果を出すためにあると考えて発揮してきましたが、今後は周囲の成果に貢献できるような、安心感をもたらせる人になっていきたいと思います。

開発部 PdM

齋藤 国興

Kunioki Saito

大学在学中にポートランド州立大学へ留学。2021年4月よりインターンとしてシンプルフォームに参加し、幅広くデータ収集を行う。2021年12月より新卒で当社入社。