第90話 白雲の 立田の山の 八重桜

文字数 490文字

八重桜を折りて人の遣はして侍りければ
                                 道命法師

白雲の 立田の山の 八重桜 いづれを花と 分きて折りけん
                              (巻第一春八十)

美しく白雲が立つ、立田山の八重桜です。
ざて、どれを花と区別して、折ったのでしょうか。

※道命法師 天延二~寛仁四(974-1020) 通称:道命阿闍梨(あじゃり)
 慈恵(良源)を師とし、法華経を受持した。読経で名高く、また和泉式部との交渉をはじめ色好みの逸話が多く伝わる。
(『栄花物語』巻十三・十四、『古事談』三、『宇治拾遺』一、『古今著聞集』三・六等)。
幼少より花山院と親しく、家集によれば院主催の歌合に出詠している。後拾遺集初出。勅撰入集五十七首。家集『道命阿闍梨集』がある。『枕草子』『赤染衛門集』などにも歌が見える。中古三十六歌仙。

※いづれを花と
 遠目で見て、白雲と花の見分けが紛らわしいため。
※本歌
 雪降れば 木ごとに花ぞ 咲きにける いづれを梅と 分きて折らまし
                 紀友則 (古今和歌集三百三十七)
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