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生徒減少で公立高校運動部員減少

 出場が男女とも2校だけとだった支部総体バスケットボール
 出場が男女とも2校だけとだった支部総体バスケットボール

生徒減少で公立高校運動部員減少

 気仙沼・本吉地方の公立高校で、運動部の部員数減少が進んでいる。少子化によって、特に団体競技は他校と合同チームを組まなければ大会に出場できない部活が増えており、全国大会出場など実績のある部が休部になるなどもしている。生徒数の少ない本吉響や南三陸では掛け持ちのほか、廃部や創部の条件を緩和して好きなスポーツに取り組めるようにしているが、多くは満足に活動できていないのが現状だ。
 今年の県高体連本吉支部総体のバスケットボールは男女とも、気仙沼と気仙沼向洋の2校のみの出場だった。昨年は南三陸と本吉響が合同チームを組んで男女ともに出場していたが、今年は両校合わせても人数が足りず出場を見送った。
 今年の本吉響のバスケ部員は男女ともゼロ。南三陸は男子が11人、女子は本年度から部がなくなった。東日本大震災前は男女ともに5チームが出場していたが、気仙沼女子や気仙沼西の閉校もあって半分以下に減った。
 南三陸、本吉響両校は他校と組まなければ、地区総体や県総体に臨むことができない部活動が多い。
 南三陸では一昨年度から、生徒が部活動を二つ以上掛け持ちできるようにし、大会出場に配慮しているものの、サッカーや女子バレーは人数が集まらず単独でチームが組めない。男子バレー、女子バスケは休部になっている。
 本吉響は全校生徒の部活動入部を掲げているものの、男女バスケ以外に野球やサッカー、男子バレーの部員数が1桁。2年連続で部員数がゼロだった場合に廃部となる条件を緩和してなるべく部を残すようにし、立ち上げたい部については、生徒総会の承認で部として認めることにしている。
 最も生徒数の多い気仙沼では、本年度から軟式野球部が部員不足で活動を休止した。全国大会8強や国民体育大会(現・国民スポーツ大会)の実績もあったが、2年連続で入部がなく、昨年度に休部したソフトボール、空手に続いての休部となった。
 気仙沼向洋ではラグビー部が毎年、石巻地区や登米地区などの他校との合同でチームを組む。
 管内のある高校教諭は「高校でも生徒数の減少で部活動がままならなくなってきている。今後、さらに状態は深刻化することが予想され、在り方については議論の対象と考える。中学校と同様、部活の地域移行についても考えるべきタイミングかもしれない」と話している。