トランプ氏、ハーバード大新規留学生の入国を半年停止「もはや信用できない」

トランプ米政権との対立が続くハーバード大のキャンパス=4日、米東部マサチューセッツ州(本間英士撮影)
トランプ米政権との対立が続くハーバード大のキャンパス=4日、米東部マサチューセッツ州(本間英士撮影)

【ボストン=本間英士】トランプ米大統領は4日、政権との対立が続くハーバード大への新規の留学生の入国を一時停止する布告に署名した。措置は6カ月を想定しており、学生向けの「F」と「M」、交流訪問者向けの「J」ビザ(査証)が対象。在籍中の学生のビザを取り消すかどうかも検討している。

トランプ氏は理由について、政権側が求めていた留学生による「暴力的な行為」などの情報提供を大学側が拒否したためと説明。「留学生の管理において、もはや信用できない」とハーバード大を非難した。

その上で、トランプ氏は大学側が適切に情報を共有するまでは「留学生の入国を拒否することが米国の国益にかなう」と主張。一方で、「国益にかなうと判断した外国人には適応されない」との例外も設けた。

また、「学生ビザを不正利用したり、名門大学の学生を使って情報収拾したりしている」と中国を名指しで批判。ハーバード大が中国から多額の資金を受け取っている点も問題視した。

ハーバード大は4日、布告を受けて「政権による新たな違法の報復措置だ。引き続き留学生を保護していく」との声明を発表した。

トランプ政権はパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、学生によるイスラエルへの抗議デモを危険視。取り締まりを拒否したハーバード大への圧力を強めている。5月22日には留学生受け入れ資格の取り消しを大学側に通知したが、東部ボストンの連邦地裁が23日、取り消し措置を一時差し止める決定を下していた。

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