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ToCoが不登校支援を家庭主導で行う理由

こんにちは。ToCo(トーコ)で不登校のご家庭をサポートしている、カウンセラーの竹宮です。

今日は、「ToCoが不登校支援を“家庭主導”で行う理由」について、お話ししたいと思います。


「家庭主導って、結局“親まかせ”ってこと?」という疑問

保護者の方とお話していると、「家庭主導の支援です」とお伝えしたときに、少し表情が曇ることがあります。

「それって、結局、親が全部やるってことですか?」 「家庭主導って言われても、今もう手一杯なんですけど……」

そう感じるのも無理はありません。

世の中にある多くの支援は、「専門家が主導してくれる」スタイルが一般的ですし、それを期待してご相談に来られる方も多いです。

けれど、ToCoはあえて「家庭が主導」としています。

それには、ちゃんと理由があります。


「外にいる大人がなんとかしてくれる」は、ほんとうにうまくいくのか?

よくある不登校支援では、こんな言葉がよく出てきます。

「学校に戻すことがゴール」 「専門家に任せておけば安心」 「第三者が入ったほうが冷静に対応できる」

もちろん、どれも一理ありますし、状況によっては有効です。ただ、私たちが見てきた中では、そうした“外からの支援”がうまくいくケースばかりではありませんでした。

たとえば、あるご家庭では、親御さんが自治体の支援機関に相談し、スクールカウンセラーとの面談を設定しました。けれど、お子さんは緊張して何も話せず、その後も関係が深まることはありませんでした。

「先生やカウンセラーがどうにかしてくれるはず」と願っても、当の本人が心を開けなければ、支援は機能しません。

一方で、同じ子が、家ではポツリポツリと本音を話していたそうです。夜、リビングのソファで、なんとなくテレビを見ながら。「あの先生、ちょっと怖い」「もう朝がくるのがいやだなあ」と。

このような何気ない一言こそが、支援の出発点になります。


本人の“変わりたい”は、家庭のなかから芽生える

不登校の状態にある子どもは、自分でも「どうにかしなきゃ」と感じていることが多いです。ただ、その気持ちはとても繊細で、ちょっとした言葉や空気で消えてしまいます。

だからこそ、安心できる場所——つまり家庭のなかで、その気持ちの芽を見つけて、育てていく必要があります。

「じゃあ、親が無理やり引っ張っていけばいいの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。

重要なのは、子ども自身の中にある「動いてみようかな」「話してみようかな」といった、“自発的な小さな動き”です。

家庭主導の支援とは、その小さな動きをキャッチして、後押しできる環境を整えることです。


よくあるアドバイスの“もやもや”

親御さんが一番困るのは、「動きたいのか、動きたくないのか分からない子ども」を前にして、どうすればいいか分からなくなるときです。

よく耳にするアドバイスに、こんなものがあります。

「待ってあげましょう」 「信じて見守りましょう」 「焦らず子どものペースで」

確かに正論です。理屈としては、間違っていません。

でも、正直なところ、こうした言葉に違和感を覚える親御さんも少なくありません。

「待ってるって、どのくらい?」 「いつまで信じてればいいの?」 「毎日昼夜逆転しているのに、“見守り”でいいの?」

こういった葛藤の裏には、「なにかしたいけど、どうすればいいか分からない」という親御さんの切実な思いがあります。


「家庭主導」の誤解を解いておきたい

まず一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

ToCoが言う「家庭主導」とは、「親がすべての責任を背負うこと」ではありません。もっと言えば、「親が頑張ればなんとかなる」といった、精神論でもありません。

あくまで「子どもが安心して少しずつ変わっていくための土台として、家庭が中心になると効果的ですよ」という考え方です。

ここを間違えると、親御さん自身が追い込まれてしまいます。


「専門家が主導」だと、むしろ壁になることがある

たとえば、親御さんが「自分には対応できないから、カウンセラーに任せた方がいい」と感じたとします。これは自然な考え方ですし、専門家としてお手伝いする立場の私も、頼ってもらえるのはありがたいです。

でも、そのスタートが「専門家に任せれば大丈夫」という前提になっていると、子どもとの間に“他人が介在する空気”が生まれやすくなります。

すると、子どもはこう感じてしまいます。

「親は自分のことをわかってくれない。だから他人に丸投げした」 「また“知らない大人”が登場した。めんどくさいな」 「俺は“問題児”として扱われている」

本当は、親御さんも「この子の力になりたい」と思っているのに、伝わりにくくなるんです。


家庭の中でしか起きない「小さな変化」がある

一方で、家庭の中には、専門家が入れない“特別な空気”があります。

たとえば、

  • 朝、起きてきたときの顔色

  • 食卓でのちょっとしたつぶやき

  • ゲームの画面越しのテンション

  • ペットに話しかける声のトーン

こうした微妙な変化は、家庭でしか気づけません。

そして、それらをきっかけにした言葉のかけ方、声のトーン、視線の向け方が、支援の第一歩になります。

たとえば、お子さんが「うまく寝れない」とポロッと言ったときに、「それはつらいよね、じゃあ昼寝してもいいから、朝ちょっと起きてみる?」といった提案ができたら、それはもう立派な支援です。


ToCoが「家庭主導」を支えるためにやっていること

もちろん、「じゃあ、親が全部判断して対応していくのか」というと、そんなふうにはさせません。

ToCoは、家庭が無理なく主導できるよう、以下の3つを軸にサポートしています。

① 状況の整理

親御さんが「何が起きていて、どこが問題で、どこがうまくいっているのか」を把握できるよう、一緒に状況を整理します。

実際、親御さんは感情と事実がごちゃまぜになっていて、「何をどうすればいいか分からない」という状態になりがちです。

そこで、私たちはこんな問いかけを使います。

「最近、お子さんが笑ったのはどんなときでしたか?」 「朝のルーティン、今はどうなっていますか?」 「以前はできていたけど、今できていないことは何ですか?」

こうしたやりとりを通じて、客観的に状況を見直していくと、「意外とできていることもある」と気づく親御さんも多いです。


② 行動のきっかけを設計する

ToCoでは、お子さんの状態に合わせて「日常生活の中で起こしやすい小さなアクション」を一緒に考えていきます。

たとえば、以下のようなことです。

  • 朝の会話を“1分だけ”する

  • お風呂の後に、10分だけ一緒にYouTubeを見る

  • 週に1回、子どもの好きなコンビニに一緒に行く

こういうちょっとした行動が、関係性をつなぐ「糸」になります。家庭主導とは、こうした“糸を切らずに持ち続けること”とも言えます。


③ 継続的な振り返りと微調整

一度決めた行動プランも、状況に応じて柔軟に見直します。

「この1週間、朝の会話はどうでしたか?」 「最近、イライラした出来事はありましたか?」

そんなふうに聞きながら、支援のテンポを調整します。

親御さんの多くが、「変化が遅いことに焦りを感じる」とおっしゃいます。でも、焦る気持ちそのものも含めて、私たちが一緒に整理します。


「家庭主導」でも、孤独にさせない

ToCoの支援は、「家庭主導」だからといって、親御さんに丸投げするものではありません。

  • 状況を一緒に整理する

  • 行動のきっかけを一緒に考える

  • 継続的に振り返る

この3つを軸に、親御さんの隣をずっと歩き続けます。

小さな“変化”は、静かに、でも確実に始まる

家庭主導の支援では、「一気に学校へ戻る」「突然元気になる」といった急激な変化はあまりありません。

それよりも、もっと静かで、ささやかな変化がゆっくり起こってきます。

たとえば、こんなエピソードがあります。


あるお子さんの場合:「顔を合わせたくない」から「お母さんのごはんは食べたい」へ

不登校になって半年ほど経った中学1年生の男の子。昼夜逆転し、家族との接触もほとんどなくなっていました。部屋から出てくるのは深夜、リビングには誰もいない時間を選んでいました。

お母さんは「私はもう、何をすればいいのか分からない」と疲れ切っていました。

ToCoでお話をする中で、まずお願いしたのは、「声をかけることをやめないこと」でした。

無理に話しかけるのではなく、「今日はカレーにしたよ。〇〇が好きだったよね」と、日々の生活を知らせるような伝え方に変えてもらいました。

2週間ほど経った頃、お母さんが「今日は、リビングに食べ終わったお皿が置いてありました」と連絡をくださいました。

「もしかして食べてくれたのかも」と。

この“もしかして”は、小さなことかもしれません。でも、ここから少しずつ関わりが増えていきました。最終的には、「一緒には食べないけど、またお母さんの料理が食べたい」と本人が言葉にするようになりました。


目立たないけど、確かに“動き出している”

こうした変化は、外から見ると「何も変わっていないように見える」こともあります。でも、家庭の中で毎日向き合っている親御さんには、ちゃんと分かるんです。

・急にイライラしなくなった
・返事の語尾がちょっと柔らかくなった
・夜中にテレビの音量が前より控えめになった

これらはすべて、子どもの中で「自分を取り戻してきているサイン」です。


親御さんの変化もまた、大切な支援の成果

家庭主導の支援では、子どもだけでなく、親御さんの気持ちの変化も非常に重要です。

あるお母さんは、以前は「この子の人生が止まってしまう気がする」と話していました。でも数ヶ月の支援を経て、こう言ってくださいました。

「今は、“この子のペース”って、ほんとうにあるんだなって思えるようになりました」

子どもの調子が上向いていくには、まず、親の気持ちが“少し軽くなること”が大前提です。

ToCoでは、この部分をとても大事にしています。


「一歩」が早いか遅いかより、「どこを向いているか」

不登校支援の現場では、よく「再登校がいつか」「学校に戻れそうか」といった“時期”の話になります。

もちろん、それも大切です。でも私たちは、それ以上に、

  • 子どもが“どこを向いているか”

  • 親子の関係が“どうあるか”

という点を重視しています。

たとえ学校に戻らなくても、親子の関係が安定していれば、フリースクールや別室登校、通信制の選択肢など、子どもに合った形で進んでいけます。

つまり、「家庭主導の支援」とは、進む“ルート”よりも、“コンパスの方向”を整える支援だとも言えるのです。


まとめ:家庭だからこそ、できることがある

家庭は、子どもにとって最後の“安心基地”です。

そこにプレッシャーや不安が持ち込まれてしまうと、子どもはどこにも逃げ場がなくなってしまいます。

でも逆に、家庭が安全で、温かくて、「大丈夫だよ」と言える場所になっていれば、子どもは少しずつ、外の世界へ踏み出していけます。

そのためには、家庭が“主導権”を握る必要があるのです。

主導と言っても、「全部やる」ということではありません。

  • 状況に気づくこと

  • 小さな変化を見逃さないこと

  • 無理のない行動を一緒に考えること

この3つを、私たちToCoが専門的にサポートしながら進めていきます。


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