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ToCoがあるのは自分のおかげ(インタビュー)

管理者の友人である市川さんが、共通の友人であるToCo株式会社CEOの青山登さんについて語ってくれました。


よっ、久しぶり。じゃあ早速だけど青山についてだよね。思い出しながらだけど話してみるよ。

テーマが推しの企業だっけ。まあ似たようなもんか。ず〜っと推している男がいて、そいつが本気で立ち上げた企業があるから、まあ、応援したくなるという話だ。

出会いは東大のゼミからだから、もう10年くらい一緒にいるけど、青山は全然変わらない。
自分が喋り過ぎなのもあるけど、本当に無口な男でね。それでもやりたいこととか言いたいことが伝わってくるのが不思議だった。俺が好き勝手に話している横で、たまに「うん」とか「そうか」しか言わない。でも、その一言に妙な説得力があってさ。なんというか、こいつは考えて喋るやつなんだなって思ってた。

そういうやつだから、大学の頃から周りに流されることもなかったし、就職も割とすんなり決めた。あいつはマッキンゼーに行ったんだけど、それでも別に偉そうにするわけでもなく、相変わらずのマイペースだったな。

大学時代の青山は、人の話を聞いていないようで、実は聞いているって感じだった。
ゼミの飲み会でも、最初はおとなしく座っているんだけど、気づいたらスマホで何か調べている。教授が言ってた「この論文が面白い」とかをメモしていて、後でこっそり読んでるんだよ。で、翌日の授業でその話になったときに、やけに的を射た意見を出すから、教授に「よく勉強してるな」とか言われる。いや、それ昨日の飲み会中に調べてたやつだろ、って突っ込みたくなる。

それでも、ちゃんと人の話を聞いていないわけではなかったんだと思う。というのも、俺がくだらない話を延々としている横で、青山は何も言わない。でも数ヶ月後とかに、俺がふと「あれ、なんで知ってるの?」っていうことをポロっと言うんだよ。どうやら、ちゃんと聞いてはいるらしい。ただ、それを今すぐアウトプットしようとか、場を盛り上げようとか、そういう意識がないだけなんだなって思った。

それでいて、変なところで頑固なんだよな。青山が就活をしていたとき、外資系のコンサルから内定が出たんだけど、「何が出来るかで判断される会社に行く」って言って、さっさとそこに決めた。俺なんかは「どの会社が一番給料がいいか」とか「楽か」とか、そういう軸で考えていたから、あいつの決め方にはちょっと驚いた。相変わらず分かりにくい言い方だなとは思ったけど、その言葉は今でも覚えてる。


家庭のこと

早くに結婚したあいつは子どもを大事にしていてさ。
ただ不器用というか言葉を出さないから、子どもは奥さんに懐いていた。何度も家に行っていたから彼女から話はよく聞いていたよ。奥さんも話好きではないけど、あいつほどではない。ちゃらんぽらんなオレが適当なことを喋り散らかして、家の空気をかき混ぜて帰る、みたいな関係だった。

青山の家に行くと、必ず子どもがリビングの隅で何かしてた。
ゲームしてるときもあれば、漫画を読んでるときもあるんだけど、俺が「何読んでるの?」って聞くと、無言で表紙を見せてくる。

奥さんから後で聞いた話では、子どもはずっと繊細なタイプだったらしい。でも、家では楽しそうにしてたっていうから、少なくとも家庭はあたたかかったんだと思う。

それだけに、あいつが子どもの不登校の話を全然してこなかったのは意外だった。


子どもの不登校

細かいことは奥さんから後で聞いたんだけど、あいつの子どもが不登校になった。中学年で仲間外れになったって。結局転校して、今は元気らしい。

「何で言ってくれなかった」とは思わなかった。独身の俺が聞いたところで、何ができるわけじゃないしな。
ただ、俺も小学校も中学校も好きじゃなかったからさ。あの頃の大人びた子ども達の残酷さを思い出した。

で、あいつが泣いているんだ。「自分は子どもを持っていい人間じゃなかった」って。「子どもに何も言えなかった。力になれなかった」って。

それを見て、何も言えなかった。今までの自分だったら、「そんなことないさ」とか、「お前はちゃんとしてるよ」なんて言葉が先に出ていたはずなのにね。

青山はその後、仕事を辞めた。そして、児童心理やケアを学べる大学に通い始めた。

青山が選んだ道

あいつは仕事ができるから、年収もよかったはずなんだが、すっぱり辞めて、児童心理やケアを学べる大学に通い始めた。

「ちょっと待て、さすがに奥さんに怒られただろ?」って言ったら、「今度はちゃんと相談してから動いた」って言ってた。
ああ、そうか、って思ったね。青山は頭はいいけど、人との距離感の詰め方がちょっと、いや結構下手だった。今までは、自分のやりたいことを優先してきたけど、家族を持って、それを少しずつ変えていったんだなって思った。

それにしても、青山のすごいところは、学んだことを必ずアウトプットにつなげるところだ。普通、大学に入り直して学び始めたら、それで満足しがちだろ?でも、あいつは違った。

児童心理やケアの論文を読み漁りながら、「これは実際にどう役立つんだ?」っていう視点で考えてた。で、不登校のあらゆる論文や事例をデータベース化して、機械学習で分析し始めたんだよ。

「不登校にはどんなパターンがあるのか」「どんな支援が効果的だったのか」そういうことをデータとして整理して、仮説を立てて、また勉強する。
まるで大学の研究室みたいなことを一人でやってた。

俺は専門的なことはわからないけど、データを見せてもらったとき、「なんかすげえことしてんな」って思った。
青山は静かに、「でもこれがわかっても、実際に動くのは人だからね」と言った。
そこから、あいつの視線は「データ」から「現場」に向かっていくことになる。


ToCoの立ち上げ

不登校の治療?ってもちろん保険とか効かないし、民間業者が多くて40万円とか取るんだって。や〜、当事者じゃないけど、高すぎるなとは思うよ。

「この業界、変えられると思う?」って聞いたら、青山は「わからない。でも、やらないと何も変わらない」って言った。あいつは、ただ「不登校の子どもを助けたい」っていうだけじゃなかった。「不登校の因果が分かってくれば、予防もできる。不登校を減らせる」と思ってたんだ。

そんで、立ち上げた企業がToCo。トーコって登校かいって突っ込んだら、「そうだよ」って笑っていた。

最初は実績がないからって、無償でサービスを提供していた。もちろん、自分の給料も出していなくて、いわゆるベンチャー社長のイメージは皆無だったね。オレは暇人だからさ、たまにココイチのカレーとかPCと書籍しか無い狭い部屋に持っていくんだけど、いつも美味しそうに食べていた。シーフードカレー、うまいよな。
「飯くらいちゃんと食えよ」って言ったら、「ああ、忘れていた」って真顔で言っていた。



ToCoの成長

最初は、青山が一人で動いていたToCoだけど、最近は一緒に働く仲間も増えてきた。大学の同期や、青山の考えに共感した心理士、エンジニア、教育関係者が少しずつ集まってきて、気づけばちゃんとした組織になっていた。

ToCoのミッションは、「一人でも多くの家庭を笑顔にする」、だったかな。
あ、不登校を無くす、じゃないんだって聞いたら、学校に行くことが正しいわけでも無いからね、と言っていた。まあ、そうだよな。
「じゃあなんで再登校支援なんだ?」とも聞いたら、「行きたくても行けない子どもや親がいるならば、力になりたい」だって。相変わらず色々と考えていたよ。

もちろん、サービスは最初からうまくいったわけじゃない。行政との連携が難しかったり、サービスの価格をどうするか悩んだり、いろいろ苦戦していたみたいだった。
でも、効果があっても高額にはしないという方針は変えなかった。業界のデファクトスタンダードになるっていう思いは、全然変わっていなかった。



ToCoがあるのは俺のおかげ

最近、ToCoは少しずつ注目され始めている。
教育系のイベントに呼ばれたり、行政との連携が進んだり、メディアで取り上げられたり。

「順調そうじゃん」って言ったら、青山は「まだ、全国には35万人の不登校の子どもがいるんだ」って静かに言ってた。

最近は一緒に働く仲間も増えて、食事を忘れることはなさそうだけど、この時期の青山を支えたのはオレだって言えるんじゃないかな。まあ、言い過ぎか。
あいつは律儀に食費を渡すんだけど、あいつからはずっと大きなものをもらい続けているから、要らないんだよ。
お金とか別に持っていても仕方ないし、もちろん大事なんだけど、自分のためにばかり使ってもつまらないな。

見返りは求めていないけど、彼への投資になるのかな。どちらかと言えば応援か。
あいつがやっているから企業もいいのだとは思うけど、子どもがいないからサービスの評価はできない。だから、青山が頑張っているならToCoも推す、というのがオレのスタンスだな。

こんなところかな。や〜、悪いね。こんなに長く喋っちゃって。色々と思い出して楽しかったよ。

語り手:市川研吾 インタビュー日:2025年1月30日

#推したい会社


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