日本郵便トラック2500台、許可取り消しへ 点呼不備巡り国交省
全国の郵便局で配達員への法定の点呼が適切に行われていなかった問題で、国土交通省は月内にも日本郵便に対し、自動車貨物運送の事業許可を取り消す方針を固めた。トラックやワンボックス車など約2500台による運送事業が対象。取り消し後5年間は許可の再取得ができなくなる。
事業許可取り消しは貨物自動車運送事業法に基づく最も重い行政処分で、大手事業者の取り消しは極めて異例。国交省は5日、日本郵便に対し処分案を通知した。同社から意見や反論を聞く「聴聞」を18日に実施したうえで、正式に処分を決める。
対象となる約2500台は日本郵便が保有する一般貨物車両の全てで、拠点間の輸送や一部の大規模な集荷などに使われている。許可が取り消されれば同業他社や子会社に業務を委託する必要に迫られる。
同社はこのほか、軽バンなど約3万2千台を届け出制で使用しており、国交省は処分の可否を検討する。主に郵便配達で使われる原付きバイク約8万3千台は貨物自動車運送事業法の対象外。
点呼業務は車やトラックの運転手の健康状態や飲酒の有無などを確認する。事業者などは実施を義務付けられている。
日本郵便を巡っては、今年1月に兵庫県内の郵便局で、法定の点呼を数年にわたり怠っていたことが判明。その後の社内調査で、全国3188局の75%にあたる2391局で不適切な点呼があったことが確認された。のべ件数は15万件にのぼり、酒を飲んで運転した事例も複数あった。
問題を受け、国交省は4月25日以降、日本郵便への特別監査を開始。全国各地の郵便局に対し、各地方運輸局が立ち入り検査し、違反の有無を確認している。
日本郵便は5日、「郵便・物流事業という社会的インフラを担っている運送事業者として、存立にも関わる重大な事案。今後の具体的な対応について速やかに検討していく」などとコメントした。