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未知の素粒子結論出ず、米国研が実験最終報告 日本のKEKが検証へ

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米フェルミ国立加速器研究所は3日、物質やエネルギーの最小単位である素粒子の一種「ミューオン」に関する実験の最終成果をまとめた。ミューオンの性質に関して正確な数値を求めて、物理学の標準理論の研究に大きく貢献する成果だ。ただ、未知の素粒子の存在や標準理論見直しの必要性については引き続き検証する必要があるという。

1970年代半ばに完成した標準理論は、現代物理学の金字塔と言われてきた。標準理論によれば、素粒子は17種類ある。それらを使えば自然界で起こる現象や宇宙の成り立ちなどを説明できるとしてきた。

素粒子を使った実験によって、標準理論からはずれた結果が得られれば、その理由を説明するために様々な未知の粒子の存在が予測され、新粒子の発見につながる可能性がある。

フェルミ研は素粒子の1つであるミューオンの性質を調べる「ミューオンg-2実験」の成果を報告した。ミューオンは電子の約200倍重い粒子で、電子と似た性質を持っている。フェルミ研では2018年からミューオンの磁気の大きさを調べている。直径約14メートルのリング型の装置でミューオンを光の速度近くまで加速し、測定する。

今回の最終報告では18年から23年までの測定結果を解析した。実験に参加した研究者は「ミューオンの磁場の強さに関してかなり正確な数値が決定したことで、今後の様々な理論計算のベンチマークとして使われるだろう」としている。

一方で、今回の数値自体が標準理論から外れた結果とは必ずしも言えない。当初実験データと比較する対象とした数値は、20年に標準理論をもとに計算されたもので、明らかに実験数値とずれがあった。ただその後のスーパーコンピューターなどを活用した計算を考慮していくと、今回の実験データに近い数値が出ている。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)の三部勉教授は「真の理論値を探る研究は今も続いている。今回の実験だけでは未知の素粒子があるかという結論を出せない」と話す。

KEKでは28年から、別の方法でミューオンの磁気の大きさを測定する実験を始める。ミューオンの塊を作ると光速に近い速度で飛んでいるが、この塊を一旦冷ましてから再度加速することで、より収束した塊にできる。フェルミ研の実験よりも高い精度で測定できる。

三部教授は「複数の方法で同じ成果が得られれば、より確かなものとして認められる」と話す。数十年にわたって物理学の根幹を支えてきた理論を大きく変える可能性のある成果だけに、慎重な検討が必要になる。

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