2020年10月3日
ショップブログ
パンク警告システムのリセット
最近の車は、タイヤのパンクを教えてくれる有り難い機能が搭載されているものがあります。
その機能が搭載されている車で、「パンクかも?」と車が判断するような事があると、警告ランプが点等したりインフォメーション画面に警告が出たりします。
ですが、これが我々タイヤ屋さんにはちょっと困った事が起きたりするんです。
それはパンク警告灯の誤動作
実際にはパンクもしてないのに警告が出てしまう場合があるんです。
このトラブルは経験上、欧州車系(特にBMW)が多い印象です。
これは、そのパンク検知の仕組みに原因があります。
世の市販者に搭載されているパンク警告システムの仕組みは、大きく分けて2通りのシステムがあります。
一つ目は直接式。もしくは空気圧センサー式
これはホイールの中に、空気圧を測定するセンサーを付けるタイプです。
4つのタイヤ全てにセンサーが装着され、測定された空気圧のデータを電波で送信します。
メリットは実際の空気圧を測定しているため、走行中のタイヤ空気圧をモニタリングできたり、パンク以外にもエアー充填が必要かどうかなどユーザーが容易に確認できることです。
デメリットはランニングコストが高価になることです。デリケートなセンサーがホイールの中にあるということは、それだけ壊れやすいということです。極端な例だと、このセンサーがついたホイールにパンク応急キットを流し込むとセンサーは壊れます。(ある高級メーカーにそんな組み合わせになる車種がありました)
他にも、アルミホイールを変える度に、センサーも付け替えるか追加購入する必要があったりします。
とにもかくにも、コストが高くなりがちなのが空気圧センサー式です。
主に日本車(トヨタ・ニッサン)やアメ車なんかで採用例が多いタイプです。
こちらのタイプは誤動作はあまり起こりません。
(タイヤ入替難度は上がってしまいますが)
(画像が空気圧センサー)
そして、二つ目が間接式。もしくはタイヤ回転数差式とでも言いましょうか。
現在の車のほぼ全てに搭載されているABSなどの各種安全装置を動かす為に、今の車は4論すべてのタイヤの回転数を常に検知しています。
間接式はこのタイヤ回転数を計算して、パンクを検知しています。
簡単にその仕組みを説明すると、空気圧が低くなったタイヤは潰れて直径が小さくなります。直径が違うタイヤが同じ速度で走れば、当然回転数に差が出ます。この差が出たときに「パンクが起きた」と判断され、警告を促すのが間接式パンク警告システムです。
このシステムのメリットとデメリットは、先ほどの直接式の真逆になります。つまりコストがかかりません。ホイールも選びたい放題ですし、応急キットを流し込んでも壊れるセンサーはタイヤの中にありません。
しかし、誤動作はよく起きます。
そもそも、直接空気を測らずに周辺情報から「予想」しているだけなので、予想が外れてしまう事があるわけですね。
もともと、タイヤの回転数が変動するのは空気圧差以外にも沢山あるので、その計算はとても複雑な事をしているのですが、そんな複雑な計算をするためには、まずコンピューターが基本となる状態を定めてあげる必要があります。
それが、タイヤ交換後のシステムリセット作業なんです。
タイヤ交換後にこれを怠ると、高確率で誤動作を起こします(経験談)
前途したパンク警告等の誤動作が欧州車に多いのは、この間接式は欧州車に多く採用されているためというのがその理由です。
でも、実は日本車でもこの間接式を採用しているメーカーがあります。
マツダです。
CX-5などは、タイヤ交換後にこのリセットを必ず行う必要があります。
マツダというメーカーは、昔から欧州で強い事で知られており、その車作りもどちらかというと欧州文化に影響されたものが多いと言われていますが、こういう所からも頷けますよね。
以上のように、昨今の車はタイヤ交換後にこのようなリセット作業を行う必要がある車が少なからず存在し、それを知らずに(または失念した)タイヤ交換を行ったお店からの帰宅途中にパンク警告というトラブルは現代のタイヤ交換トラブルのあるあるです。
ユーザー側からすれば、お店から何の説明もなく帰りに突然「パンク!」なんて警告が出たらびっくりしますよね。その後、電話をして「誤動作なので問題ない」と言われても、もしかしたら? という一抹の不安が残るのも無理ありません。
我々もなるべくそんな事が起こらないように日々勉強していますが、どの車に間接式センサーがあるのかがぱっと見てもわからない事も多いので、ちょっと珍しい車にお乗りのユーザー様は、その車に間接式パンク警告機能があるなら事前にスタッフに教えて頂けると助かります(笑)
まぁ、そういうユーザー様の場合、ご自分でリセットしてくださる事もよくありますが(笑)