【独自】立憲民主党・篠田奈保子衆院議員に浮上した「生活保護の不正受給黙認」疑惑
「生活保護の件、了解しました」
1ヵ月あまり経った10月28日午前10時17分、Aさんから篠田氏に次のようなメールが送られている。
〈おはようございます。(中略)12月で両親の方の住宅ローンが終わるということもあり、12月いっぱいで生活保護のほうを終わりにすることになりました〉
このメールに対して、篠田氏は次のように返信している。
〈篠田です。(中略)生活保護の件,了解しました〉
メールは、Aさんから篠田氏に対して、生活保護をとりやめることを報告する内容である。しかし見方を変えれば、篠田氏は、Aさんが一定期間は生活保護を受け取ることを了解している。前出のメールの内容と合わせると、篠田氏は、少なくとも’13年9月から12月までの約4ヵ月間、Aさんによる生活保護の不正受給を黙認していた可能性がある。
これら一連のメールのやり取りに加え、Aさんによる生活保護の不正受給を裏づける別の証拠もある。彼女の実家の不動産登記簿を見ると、メールでAさんが触れていた「両親の住宅ローン」が確かにあったことがわかるのだ。
登記簿によると、Aさんの実家は’07(平成19)年1月30日付で抵当権が設定され、父親と思われる人物の名義で、金融機関から850万円を借りている。そして、その返済を終えたのが’14(平成26)年1月6日。こうした内容はAさんのメール内容とほぼ一致していることから、Aさんが不正に受け取った生活保護費が、実家のローン返済に充てられていた可能性もまた高いといえるのだ。
そして、篠田氏は、このことも知っていておかしくはない。
10年以上前のことではあるが、篠田氏が、依頼人によるこうした不法行為を把握していたとすれば、弁護士としてはもちろん、国会議員としても職務を続けることはふさわしくないのではないか。
篠田事務所に見解を求めると、次のように回答した。
〈弁護士の守秘義務がありますので、特定の事案に対して回答は一切いたしません〉
弁護士の職業規範に従うとともに、篠田氏には、国会議員としての説明責任も求められているのだが、その点に関する言及はなかった。
宮下直之(ノンフィクションライター)
naoyukimiyashita@pm.me


- 取材・文:宮下直之(ノンフィクションライター)
ノンフィクションライター
1979年、静岡県生まれ。ローカル紙や複数の週刊誌で記者を務める。政治、経済事件など幅広い分野の記事を執筆。情報提供は naoyukimiyashita@pm.me まで
