クジラ処理費、大阪港湾局が「丸投げ」 業者の交渉役が証言

船に載せられ、運ばれるマッコウクジラ。この後沈められた=紀伊水道沖で2023年1月19日午後2時35分、本社ヘリから
船に載せられ、運ばれるマッコウクジラ。この後沈められた=紀伊水道沖で2023年1月19日午後2時35分、本社ヘリから

 2023年1月に大阪湾で死んだクジラの処理を巡り、大阪市が当初試算の倍以上の金額で海運業者と随意契約した問題で、この業者の元社員の男性が毎日新聞の単独取材に応じた。この元社員は処理を担当した大阪港湾局との交渉役を務めた。クジラを海に沈める作業前、港湾局から費用の見積もりを求められた一方、業務の内容や手順などを示す仕様書の提示は後回しにされたと証言した。

 「(引き受けるには)リスクがあった。仕様書もないのに、見積もりの出しようがなかった」。元社員は、港湾局から作業を「丸投げ」された上、金額の提示も後出しだったと不満をあらわにした。

 この元社員は約20年前に港湾局を退職した市OB。23年1月当時は市内の海運業者に勤務していた。

 雄のマッコウクジラは23年1月9日に見つかり、市民から「淀ちゃん」と呼ばれたが、13日に死んでいるのが確認された。死骸の処理を担った港湾局海務課は、大阪港内の業者の中から、大阪湾外まで航行できる引き船を唯一所有しているとして、この海運業者に委託することにした。

 元社員によると、1月13日午後4時半ごろ、旧知の港湾局幹部(当時)から突然電話があり、クジラの処理に関わるようになったという。15日の協議で、海務課長(同)から水産庁のマニュアルに沿って、クジラを紀伊水道沖に沈める準備を進めるよう求められた。

 しかし、作業に必要な船の…

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