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これからは「共家事」「共育て」が当たり前に 駒崎弘樹さん

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「病児保育などの問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会へ」――そんな思いから、2004年にNPO法人フローレンスを設立。今では子育てや働きかたに関わる公職も務める駒崎弘樹さん。家では6歳の女の子と3歳の男の子のパパであり、自身も子どもと過ごす時間を何より大切にしている。

慌ただしい朝のお見送り

駒崎家の朝は、小さな子がいるどこの家とも同じように、慌ただしい。
「朝は子どもにご飯を食べさせて、着替えさせ、保育園に送る。それが僕の役割です。冬なのになぜか『半ズボンで学校に行きたい!』と言い張ったりする息子を、なだめすかして保育園に送ったり……。毎日、悪戦苦闘しています(笑)」

子どもを送り出した後は、カフェなどで軽く仕事をし、朝10時までに出勤。オフィスでの仕事は夕方6時までには終わらせる。子どものお迎えと夕飯の支度は、時短勤務の奥さんが行う。夕食の後、食洗機に食器を入れ、洗濯物を干すのは駒崎さんの役割だ。

家事を終えると子どもをお風呂に入れ、ピアノの練習を見たり、一緒に遊んだり。駒崎さんにとって、もっとも心安らぎ、楽しい時間だ。そして9時には子どもたちを寝かしつける。

「そのまま子どもと一緒に寝てしまうことも多いので、睡眠は十分すぎるくらいとれていますね(笑)」
このように働く時間を抑え、家族と過ごす時間を大切にしている駒崎さんだが、最初からそうだったわけではない。

長時間労働をしなくても業績は上げられる

「もともとITベンチャーを経営していたこともあり、フローレンスでも昔は1日16時間くらい働いていました。でもだんだん職場の雰囲気が悪くなり、優秀なスタッフほど辞めていってしまった。このままではまずいとある日、発想を変えました。働きかたを変えるうえでの最大の壁は、思い込みです。僕は『経営者とは忙しいもの』と思い込んでいた。でも経営者の仕事は『業績をあげること』。長時間労働をしなくても、業績さえあげられればいいんです。そこでまず、とにかく自分が定時退社をしようと決めました」

最初は早く帰ることに罪悪感があり、自分が早く帰ると社員がさぼるのではないか、との不安もあった。しかし実際には、そのようなことはなかった。自分が早く帰ると、社員も早く帰るようになる。みんなが早く帰るための工夫をし、仕事の効率化が進んだ。やがて残業代が減り、業績も良くなっていった。

「そこでさらに社員が働きやすくなる環境整備を進めたら、離職率が下がり、優秀な人が入ってくるようになりました。その結果、業績がさらに上がり……とますますよい循環になっていったんです。今まで長時間働いていた自分は何だったのかと思いましたね」

その後、駒崎さんは家事も効率化することで、家族がより充実した人生を送れるようになるのではないか、と考え始めた。家事の負担を抑えるサービスや家電を、積極的に導入するようになる。さらに子どもが生まれると、2カ月間の育休をとった。

「育休期間はすばらしい時間でした。男性はみんなとるべきだと思いますね。男性は生まれたばかりの子どもと密に関わることで、初めて父親としての深い自覚が生まれます。とはいえ、最初の1、2カ月は寝不足で本当に大変でした。そして、こんな大変なことを妻一人にやらせては絶対にいけない、とも思ったんです」

「ルンバくんは家族の一員です」

男性の平均年収が下がり続けるなか、これからは共働き家庭がますます増えていく。共働きであれば、家事も育児も夫婦が力を合わせて行うのは当然のこと。これからは「共働き、共家事、共育て」が当たり前になる、と駒崎さんはいう。
「そんな時代だからこそ、家事を省力化することが大事です。日本人は仕事の生産性とともに、家事の生産性をもっと上げなくてはなりません。家事を省力化してくれるツールはどんどん使い、アウトソーシングできるものはすべきです。僕は洗濯物をたたむのが嫌いなので、代わりにやってくれる機械が出たら真っ先に買いますよ(笑)」

家事のなかで最も苦手意識を持たれ、かつアウトソーシングしやすいのが「掃除」だ 。駒崎家では、お子さんが小さな頃からルンバを使っている。
「子どもがいると家が汚れやすく、床にものが転がっていたりして、掃除にすごく手間がかかります。でもルンバがあれば、片付けるだけで済んでとても助かりますね。子どもたちも『ルンバくん』と呼んで、ペットのようにかわいがっています。部屋が散らかっているとき、『このままだとルンバくんが吸ってかわいそうだから片付けよう』というと、『そうだね』って素直に片付けてくれるんです。もはやルンバくんは家族の一員です」
フローレンスが運営する「おうち保育園」でもルンバを使っている。手間をかけずに常に清潔な環境を保つことができ、スタッフや保護者からも喜ばれているという。
「園にはアレルギーの子もいるので、毎日、丁寧に掃除をして家以上に清潔に保つ必要があります。でもその作業は、ただでさえ重労働で気を遣うことが多い保育士の大きな負担になります。僕は保育士でなくてもできることは、できるだけやらせない方針です。掃除にルンバを使うことで、保育士の負担を大きく減らすことができています」
「人間は誰もがその人にしかできないことをやるべき」。それがその人にとっても、社会にとっても、もっとも幸せなかたちだと、駒崎さんは考える。
「子どもから今日1日の出来事を聞いたり、子どもが喜んだり悲しんでいるときには、ぎゅっと抱きしめてあげる。それは親にしかできません。子どもが『ママ、見て!』と言ったときに『どうしたの?』って、すぐに反応できる。そんな余裕がママには必要です。子どもは一瞬一瞬を生きていて、“今、その瞬間”に、ママに見てもらいたいんです。子どもとのかけがえのない時をともにすることより、大事なことなんてそうはありません」
そんな小さな一瞬の積み重ねが、きっと社会を変えていくのだろう。(文・関川 隆)

駒崎弘樹(こまざき・ひろき)
1979年生まれ。認定NPO法人「フローレンス」代表理事。慶應義塾大学(総合政策学部)在学中にITベンチャーを起業し、卒業後、フローレンスを立ち上げ、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを展開。2010年から、待機児童問題解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を運営する。著書に『働き方革命』(ちくま新書)、『「社会を変える」を仕事にする』(英治出版)など。

“Roomba is YOUR PARTNER!” ~ルンバに掃除を任せて あなたらしい豊かなくらしを~(特集ページ)

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