撮影/川島悠輝

どんな人でも生きやすい場所に

そしてもう一つわかっていただきたいのは、ゲイだからといって、これまでの自分が変わってしまうわけではありません。僕は今の自分のままで十分幸せです。これからも変わらず、與真司郎として生きていきます。

そして、最近僕はアーティスト活動を再開することについて考えるようになりました。AAAが活動休止になって、自分がソロアーティストとして活動を続けていく意味はあるのかと悩んだ時期もありました。自分はアーティストとして、どんなメッセージを発信していけばいいのかが、わからなくなってしまったからです。

でも、LGBTQ+の方に限らず、悩んでいる人を一人でも多く救いたいという気持ちがありました。そして、ありのままの自分を打ち明けようと決意したことによって、発信したいメッセージが明確になりました。本来の自分を表現しながら、聴いてくれる人を幸せにするということが、僕のアーティストとしての一番の目標です。

そこで一つ、発表があります。アーティスト活動を続けていこうと決意したことによって、今回、新曲をレコーディングしました。タイトルは「Into The Light」です。日本語では「新たな光の指す方へ」という意味です。世界中にこの曲が届いたらいいなという思いを込めて、歌詞はすべて英語になっていますが、日本語訳も考えました。後ほど、ここに来てくれた皆さんにいち早く聴いていただきたいと思っています。

そして、この曲の売り上げの一部を、日本のLGBTQ+の支援団体に寄付します。「Into The Light」を通して、僕の経験だけではなく、僕と同じ境遇に置かれている方についても理解を深めるきっかけになってくれればうれしいです。

Photo :Yuki Kawashima
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そしてLGBTQ+の方々に限らず、皆さん一人ひとりの経験と重ね合わせて聴いていただきたいと思っています。音楽は世界共通です。つらいトラウマを乗り越えた経験や、今実際、人生で葛藤している方々もたくさんいると思いますが、僕がメンタルヘルスについて発信することで、世界のどこかで勇気づけられる人がいてくれたらいいなと、心の底から思っています。

人生いい時もあれば、うまくいかない時もあります。それでも諦めずに進み続ければ、〝新たな光の指す方へ〟と導かれていくと思います。僕も正直、この先どうなるのか自分でもわかりません。でも、一度きりの人生、後悔したくないんです。世界がもっと明るくなり、どんな人でも生きやすい場所になってくれることを願っています。

そして、最後にもう一つ大きな発表があります。実は今、ハリウッドで僕の人生についてのドキュメンタリーが制作されているところです。プロデューサーは『グリーンブック』や『メリーに首ったけ』で知られるピーター・ファレリーと、『タイガーキング』で知られるフィッシャー・スティーヴンスです。2人ともアカデミー賞などを受賞している偉大な方々です。彼らをはじめとした、ハリウッドで活躍している方たちが、僕の人生経験やこれからやりたいと思っていることに共感してくれました。この機会に感謝するとともに、自分ができることを精いっぱい取り組みたいと思います。 本日は、本当にありがとうございました。

撮影/川島悠輝 スタイリスト/SUGI (FINEST) ヘアメイク/佐藤真希

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