四国初の特急列車「南風」号、キハ181系で登場し現在は新鋭2700系が活躍 その車両の系譜
現在、JR四国の新鋭車両である2700系気動車により運行されている特急南風号は、1972年3月に山陽新幹線の新大阪―岡山間の開業に伴って、四国初の特急列車として誕生した列車だ。特急南風号の現在の運行区間は岡山―高知間であるが、当初の運転区間は高松―中村間で、キハ181系気動車により1往復が運行されていた。また、この時、同時に特急しおかぜ号も高松―宇和島間に設定された。このときはまだ瀬戸大橋が開通する前の時代であったことから、高松と瀬戸内海を挟んだ宇野を結ぶ宇高連絡船を経由して、寝台特急瀬戸号と宇野駅で接続するダイヤが組まれていた。
国鉄分割民営化が近づいた1986年になると11月からキハ185系気動車が導入された。その後、しばらくキハ181系とキハ185系の2形式による運行が続いた。国鉄分割民営化によりJR四国が発足した翌年の1988年4月に瀬戸大橋が開業すると、特急南風号は、岡山駅発着に改められた。このとき高松駅を発着していた列車は、特急しまんと号と改められている。水色のJR四国のコーポレートカラーをまとった車両が瀬戸大橋を渡り、本州を走行する姿が日常のものとなった。そして、1990年7月からは、JR四国初の特急型気動車となる2000系気動車が特急南風号にも導入される。その後、2021年3月まで30年以上に渡って活躍を続け、特急南風号の運行は、現在では2700系気動車に引き継がれている。
筆者は、特急南風号について、1990年代にJR四国のコーポレートカラーをまとったキハ181系の列車に阿波池田―岡山間で乗車したのを皮切りに、キハ185系、2000系、2700系とこれまで使用されたすべての形式の列車に乗車している。先日、2700系の特急南風号に高知―阿波池田間で乗車したことについては、筆者の記事(JR四国「新鋭特急」と「国鉄形特急」両方を楽しめる、高知―徳島間 トク割2枚回数券だとかなりお得!?)でも触れたとおりであるが、車内に無料Wi-Fiが完備されていたほか、各座席にはコンセントも完備されており、1時間強の移動時間を快適に過ごすことができた。そして阿波池田駅からは特急剣山号に乗り換えた。
JR四国管内で運行されるキハ185系による定期特急列車は、阿波池田―徳島間を結ぶ特急剣山号のみとなっており、特急剣山は2両編成で運行される列車も多いが、かつてはこのキハ185系が長編成を組み岡山から瀬戸大橋と四国山地を超えて高知方面を結んでいた。また、同時期に活躍していたキハ181系については、活躍末期には車体色が国鉄特急色からJR四国のコーポレートカラーである水色を主体とした塗装に変更され、車内もキハ185系に準じた回転クロスシートに交換されるなど、車内設備の改善が行われていた。キハ181系とキハ185系については、1990年代前半には特急南風号から撤退してしまい、その後は30年以上にわたって2000系が役割を担うことになる。
特急南風号に2000系が導入されたのは1990年のことだ。2000系は、日本初となる制御付き振り子式気動車として開発され、振り子の原理を応用して曲線部で車体をカーブの内側に傾斜させることで曲線区間での速度向上を図り、所要時間の短縮を実現させている。運行開始当初は、JR四国から第三セクター鉄道に移管された土佐くろしお鉄道の中村駅まで向かう列車があったほか、1997年の宿毛線の延伸で宿毛―岡山間を直通する特急南風号も誕生した。
そして、現在の車両となる2700系が導入されたのは2019年9月からであり、2021年3月ダイヤ改正で特急南風号から2000系が引退し全列車が2700系に統一された。なお、現在は、特急南風号の運行区間は高知―岡山間に統一されており、高知駅から中村方面に向かう特急列車は特急あしずり号に分離されている。
(了)