高校数学における「0で割る」
ここまで、「0で割ることはできない」という前提をもとに話していきました。確かに、「0で割るのはダメ!」と小学生のときには教わりますが、実は高校になると少しだけ話が変わってくるのです。
高校数学では、先ほども述べた「極限(きょくげん)」という考え方が登場します。これはシンプルに言えば、「限りなくある数に近づくと、どうなるか?」を考える方法です。
極限を表す式として、たとえばこのようなものが挙げられます。
3/x
これは、「xが0に近づくとき、3÷xの値はどうなるか?」という式です。
あまりイメージが湧かないと思うので、実際にいろんな数字を入れて試してみましょう。
このように、xを限りなく0に近づけていくと、「3÷x」の値はどんどん大きくなります。「じゃあ、xが0になったら答えは無限大になるのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、ここで忘れてはいけないのは、「xがマイナスの場合」を考慮できていないということです。
「xを0に近づけていく」といっても、プラスから近づけるのか、マイナスから近づけるのかがまだ定義されていない状態になっています。数直線で言えば、右から0に近づくか、左から0に近づくか、ということですね。
つまり「3÷0」や「0÷0」は直接計算できなくても、「そのまわりの数字で考える」ことができるわけです。「ある数字に近づけていく」という概念をご理解いただけたら嬉しいです。