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古古米を売るほどコメ不足なのに、なぜスーパーでは精米1ヶ月で商品棚から撤去し処分してしまうのだろうか #エキスパートトピ

井出留美ジャーナリスト・博士(栄養学)・office3.11代表
複数原料米(2025年3月下旬精米)写真:西村尚己/アフロ

5キロ2,000円の備蓄米があっという間に売り切れ、買えなかった人もいると報じられた。今回販売されるのは2022年産(古古米)20万トンと2021年産(古古古米)10万トン。

スーパーなどで販売するコメは、以前は「精米年月日」が表示されていたが、食品ロス削減や物流の効率化の観点から、2020年3月27日より「精米時期」表示もできるようになった。現在は「2025年5月下旬」などの旬表示がなされるものも多い。

スーパーでは精米時期から1ヶ月強経つと商品棚から撤去し処分する商慣習がある。なぜだろうか。

ココがポイント

精米の賞味期限は普通精米、無洗米ともに温度25度で2カ月、20度で3ヵ月、15度で5カ月、5度で7ヵ月が適当である。
出典:横江未央・ 川村周三、農業機械学会誌

未開封のお米をおいしく食べられる期間の目安は、精米日から1~2ヵ月程度です。
出典:ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY 2024/3/1(金)

精米後2カ月以上たった米を、特別な包装なしに値下げして販売するという選択肢があってもいいのではないか。
出典:朝日新聞 SDGs ACTION! 2024/10/4(金)

米不足問題以前からお弁当を廃棄しないように努めて(中略)価格が下がってよかったで終わらせるのではなく、根本的な改革が必要
出典:まいどなニュース 2025/5/28(水)

エキスパートの補足・見解

スーパーを取材し「精米して1ヶ月経ったコメは捨てる」と初めて聞いたときにはびっくりした。スーパー5社の回答は「廃棄する」「社販で売る」「寄付する」「コメ納入業者に返品する(外食産業にまわす)」だった。

論文によれば、精米を25度保存でおいしく食べられる期間は2ヶ月である。

玄米で保管すれば、ある程度劣化を防ぐことができる。農家や米穀専門店では玄米で保管し、必要な時に精米する。

台湾では精米を真空パックに加工し、賞味期限1年間で販売していると聞いた。日本でも真空パック加工され賞味期限6ヶ月で販売されているものもある。

消費者は、この機会に、農家や米穀専門店でコメを買う習慣をつけてはどうか。いざというとき行きつけの店があるのは心強い。

スーパーやコンビニでは利便性が重視されるので「買ってすぐ食べられる」よう精米して売らなければならないだろう。だが、それがコメの無駄を増やす。

古古米や古古古米まで売らなければならないほどコメ不足の現状で、精米後1ヶ月強で商品棚から撤去する必要があるだろうか?

コメ不足の今こそ、食品小売業は精米1ヶ月強(30〜40日)で棚から撤去する商慣習を見直すべきではないだろうか。

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ジャーナリスト・博士(栄養学)・office3.11代表

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書『私たちは何を捨てているのか』『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』『SDGs時代の食べ方』『食べものが足りない!』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞など受賞

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