米軍横田基地(東京都福生市など)内のショッピングモールで2023年1月、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水が漏出した事故を巡り、米国防総省が、事故概要や管理の問題点を指摘した報告書を同省公式ウェブサイトで公表した。事故について日米当局は、米側の意向で非公表とする方針だったが、一転して米側が認める形となった。ただ、今も地元自治体などへの説明はなく、批判が出ている。(松島京太)
◆4月に公表された国防総省の監察官による調査報告書
報告書は、米国防総省の監察官が2023年4月、横田基地を含む複数の在日米軍施設を訪問して有害廃棄物の管理や処分の状況を調査した結果をまとめたもの。今年4月30日に公表した。
横田基地の事故は2023年1月25、26日にショッピングモールの物販搬入口で発生。高濃度のPFASが含まれた約950リットルの汚染水が消火設備から漏出した。
米側は公表しなかったが同年11月、沖縄タイムス(沖縄)の報道で発覚した。東京新聞なども相次いで報じ、東京都などは防衛省に対し、事実関係を明らかにするよう求めた。だが政府関係者によると、米側は事故が報道によって明るみに出た経緯を問題視し、「不正入手された情報に、公式に情報を出すのは間違っている」と主張。関係省庁担当者や在日米軍幹部らでつくる日米合同委員会の下部会合が2024年6月に開かれ、非公表のままとすることで合意した。この合意は同年7月、東京新聞の取材で判明した。
◆東京都が防衛省と横田基地に情報提供要請
今回の報告書は定期的な監査やリポートのような性質ではないとみられ、作成経緯や公表の理由は不明。日本側関係者には「近年、日本の報道でPFAS問題が大きく注目されていたことが影響したのではないか」との見方もある。東京新聞は国防総省に調査経緯や理由をメールで質問したが、1日までに回答はなかった。防衛省の担当者は「事実関係について米側に確認している」としている。
一方、東京都などは今年5月13日、防衛省と横田基地に対し、事故の情報提供などを要請し「地元自治体に何ら情報提供がなく、このような情報(報告書)が公表されたことは誠に遺憾だ」と批判した。
横田基地ではほかにもPFAS漏出が相次ぎ、昨年8月に貯水池からあふれた事故は、今年5月に日本側が限定的ながら立ち入り調査。国などは、現場で採取した水は環境影響の暫定目標値を下回ったとして、排水路に放流されることを明らかにした。
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マイケル 3 時間前
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ワヘイ 7 時間前
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