私が生まれて初めて自分の
力でモーターサイクルを運
転したのは12才の時だった。
スーパーカブの70だった。
その後、その年から友人の
兄に手ほどきを受けながら、
ヤマハのミニトレ80を専用
コースで相当乗った。
16才で初めて自動二輪免許
を取得して公道を走り出し
た時の車は、イトコから貰
ったカワサキのMS90だった。
それ以降、二輪車はたとえ
高校生だろうと自分の金で
購入した。そもそも最初の
運転免許も自分で準備した
資金で取得した。
ミドル~ハイティーンの高
校時代には二輪の複数所有
と乗り換えを続けたが(16
才の時から常に複数台と共
にいる)、初めてバイクに乗
って53年以上が過ぎるこん
にち、一つの「二輪の定理」
が見えている。
それは、小型車両で充分に
二輪の原理とカラクリ、走
行時の挙動等をその原因も
含めて考察する事が非常に
大切だ、という事。
そして、排気量と車格が小
さな二輪車からどんどん排
気量と車格とパワーも大き
な二輪にシフトしていった
ほうが確実かつ着実に運転
技術は向上する、という二
輪の定理。
結果的に、それはいきなり
自由自在に扱えない大型車
両に乗るよりも運転技術の
向上には近道となる。
これはライディングスクール
を開催していた国際A級ロ
ードレーシングライダーの
故井形マリさんも同様の事
を主張して教えていた。「定
理」を知るからだろう。
そうした「事実」が二輪の
世界には厳然と存在してい
るのである。
小排気量、小型車格で充分
に挙動と原理と実際を把握
理解する。しかる後にそれ
よりも大きな二輪に移行す
るのだ。
これが本当に最終的には近
道。
ただし、小排気量から大き
な排気量に運転車両を移行
させる事を「ステップアッ
プ」とは言わない。厳密な
二輪定理に依拠した概念に
おいては。
そうした大排気量が上級ク
ラスであるかと勘違いする
と、「二輪の定理」、「二輪の
原則」、「二輪の根源的特性」
を確実に見失う。
これまた確かな事であるの
だが、世の中、目が曇り切
っている人の数のほうが正
鵠を射る適正判断を持つ人
たちよりも数が多いという
残念な現実がある。
ただし、二輪の道程、技量
向上の近道を正しく知悉す
る事が二輪の事始め、イロ
ハである事は不動だ。
我が世誰ぞ常ならむ。