特定の人物の職業や肩書を「レイシスト」と表記していた首都圏の地方紙に異変が起きている。「レイシスト」は人種差別主義者を意味し、名指しされた相手にしてみれば相当侮辱的な表現。人権侵害といっても過言ではないが、この新聞では以前から繰り返し使用してきた。ところが4月末、「○○在住のレイシスト」という肩書表記が紙面から突然消えたのだ。
全国で1紙だけ
この新聞は、横浜市に本社がある神奈川新聞。神奈川県を主なエリアとするいわゆる「県紙」で、公式サイトによると朝刊のみで発行部数は15万部という。「社是」として「真実・公正な報道を貫き」などと掲げている。
同紙の報道ぶりで驚かされたのが、人物の職業などを示す肩書に「レイシスト」という言葉が使われていたことだ。
記事データベースサービスで「在住のレイシスト」と検索したところ、全国紙と地方紙計48紙のうちこの表現を使っていたのは神奈川新聞だけだった。