小学5年の女児が自殺未遂 第三者委員会“いじめ”認定 父親の訴えは 《新潟市》
新潟市内の小学校に通っていた当時5年生の女子児童が自殺を図り、一時、重体となった問題で第三者委員会は「いじめがあった」と認定しました。児童の父親が取材に応じ、胸の内を語りました。
父親が見せてくれたのは、病院で目を覚ました娘が描いたという1枚の絵でした。
涙を流す女の子。「きっといじめられる」。こう書かれていました。
〈児童の父親〉
「こうやって「きっといじめられる」ってこれを見るたびに…もう、切なかったですね。本当申し訳ないという気持ちでなんで、もっと早くなんとかしてやれなかったんだろうなっていう」
おととし4月。新潟市内の小学校に通っていた当時5年生の女子児童が自殺未遂を図り、一時、意識不明の重体となりました。
市は第三者委員会を立ち上げ、約2年にわたり原因などを調査。5月、調査報告書を公表し「いじめの重大事態」と認定しました。
調査報告書によると、2022年の夏休み明けから翌年3月までの間に複数の児童が女子児童に対し陰口を言ったり、避けたりするような「いじめ」にあたる言動をとっていたといいます。また、担任からも「クラス内で女子児童への揶揄を助長しかねない発言」があったということです。
〈児童の父親〉
「当時いた先生たちの認識が重大事件に至るまでとは思っていなかった」
さらに、第三者委員会が指摘したのは「いじめに対応する学校の体制が整備されていなかった」ことでした。
「いじめ認知時の対応方法が教職員に徹底されていない」
「対応が法や基本法方針に則らない場当たり的なもの」
学校では一部の教員が女子児童の訴えを受け「いじめと認知していた」にも関わらず管理職に報告せず、組織として対応されていませんでした。
また、市が年3回行うと定めているいじめ調査のためのアンケートを2回しか行っておらず、自殺を図る直前の期間では「アンケートによっていじめを認知することができない状況にあった」ということです。
届かなかった女子児童の訴え…
父親は本人から聞き取ったいじめの内容や教員の発言の一部に事実として認定されていない点もあり、市に再調査を求めています。
〈児童の父親〉
「“絵に描いた餅”でしかなかった。新潟市のいじめ基本方針。まず(基本方針を)浸透させるのも大事だと思うし、自分のことだと認識して自分が取り組まなければどうしようもないんだなと、教員一人ひとりが自覚しなきゃならない」
新潟市教育委員会は「調査報告書に掲載されている再発防止策を確実に進める」としています。