障害ではない「境界知能」とは?──“闇バイト”受刑者に迫る 後先考えず「金が一気に欲しかった」 生きづらさも『every.特集』
この施設にいる受刑者の大半が、闇バイトの“受け子”や“出し子”に加担したという。闇バイトの受け子だった受刑者Bも、後先を考えず犯罪に手を染めた。
受刑者B
「仲が良かった友人から連絡があって、『今何している?』みたいな感じで。お互い『久しぶり』となって、そこから一緒にご飯を食べに行く関係に」
友人から持ち掛けられたのは、闇バイトだった。
──誘い文句は覚えている?
受刑者B
「その子が受け子をやっていたので、それやったら、それやったらというか、自分もやってみたいなという感じ。毎日仕事するのがアホらしくて、もっと楽に稼ぎたいのと、『お金がすべて』という考え方があったので」
──そんなにお金が欲しかった?
受刑者B
「お金があったらなんでもできるし、なんでも遊び放題なので」
闇バイトは楽して稼げる─。犯罪だと認識しながらも金もうけに目がくらんだ受刑者B。
高齢者から現金200万円を受け取ったという。
──受け子をやったら逮捕されるという認識は?
受刑者B
「大丈夫だろう、捕まらないだろうという考えもありました」
その後、詐欺事件で逮捕された。古荘教授は、境界知能と犯罪は直接結びつくものではないとした上で、こう語る。
「2つとか3つのことを同時にやることが苦手。今やっていること(犯罪)を続けたらどういう結果が出てくるのか(予想することが)基本的に苦手な方が多いと思います」
「一方で、だますことが得意な人がいて、そういう人(境界知能)たちから搾取(利用)しようという考えも出てきてしまう」
犯罪に利用される危険性があると指摘する。
受刑者Aも後先を考えられず、目先の金しか考えられなかったという。闇バイトをした理由を聞いた。
受刑者A
「お金ですね。お金がすべてだという思考になっていて、やるしかないのかなと思ってやりました。やった後のことは考えてなかったですね。やっているときは、仕方がない、こっちもこっちでお金に困っているし。仕方ないなという気持ちでしたね」
──相手の気持ちを考えなかった?
受刑者A
「はい」
しかし犯行後、ようやく事の重大さに気がついたと話す。
受刑者A
「1件目は罪悪感がやばくて、自首した方がいいのではないかと迷ったんですけど、結局 (自首)しないでズルズル引きずって、どんどん(犯罪)件数を重ねるごとに、『どうでもいいべ』みたいな感じになっちゃいました」
──最初から受け子や出し子をやりたかった?
受刑者A
「いや、そういうわけじゃないですけど。何も経験を積んでいないので、そういうものなのかなと思っていました」
犯罪組織の末端として加担してしまった境界知能の受刑者たち。犯罪に関わらないためには、どのような対策が必要なのか。