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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

セルモーター交換/ヤマハ2ストビーノ

2025年06月01日 | open
 


私のヤマビさんのセルモー
 
ターをボアアップ用強力型
に交換する。

後ろと両サイド外装とシー
ト周りを外し、チャンバー
外し、リアタイヤを外し
からモーターの交換作業
にかかる。
SA10Jはリアロック機構が
あるのでリアタイヤの脱着
は簡単。押さえジグは要ら
ない。外すのは力技で、締
め込みは最後にトルクレン
チを使う。
 
全ての作業の前に腕時計を
外す。これは二輪作業の常
識で、ピットでもガレージ
でも、腕時計を着けたまま
マシンをいじると、かつて
はチーフメカや先輩にぶっ
とばされた。
日本刀も然り。
日本刀を手に取って鑑賞す
る際には絶対に腕時計は外
す。これも刀剣界の常識だ。

モーターとハーネスを新品
強化型に交換終了。
ハーネスは装着後にギボシ
周囲を絶縁させて、さらに
念の為タイラップで固定。


モーター取り付けの前に内
部ギアの摺動部へのグリ
アップも忘れずに。
今回はヤマハEではない別
なグリスを使用した。


こちら御役目ご苦労様に
ざったのパーツ。49cc
ノーマル標準の純正品。


全作業時間約50分。
外したパーツ全てを装着し
てから、エンジン始動。
セルのパワーがまるで違う。
125ccのピストンも回るの
はなかろうか。
キュル、パン!と元気よく
エンジンがかかる。
いい感じ。


♪近頃私たちは いーい感じ〜


作業している時は極限集中
しているので、作業の事以
外は考えないが、終わって
からチェアに座って車両を
眺めてショッポをくゆらせ
ていたら、いろいろと思い
出した。
そういえば、俺のレーサー
の腰上交換を品川のガレ
ジで深夜まで手伝ってく
たのは数日前に死んだあ
つだったなぁ、と。
また、あいつのバイクのフ
レーム載せ替えを手伝った
のも俺だった。トランポも
出して。
時には喧嘩もしたけど、真
に信が置ける友というのは
いいもんだ。親友とかの陳
腐な表現では言い表せない。
あいつは、最後まで仲間を
絶対に裏切らない奴だった。
「状況」に背を向けて逃げ
る事もしないし、そうした
行動や発想とは無縁の奴だ
った。
性別ではなく、「漢」ての
はあいつのような奴の事だ
ろう。
本物のいい奴だった。
俺が富士で飛んだ時、最終
コーナー手前で抱きついた
のでピ
ットレーンに入るサ
インをケニー
みたいに大き
く右足真横に
出して後ろ見
てインベタを通ってい

ら、
そこを無理矢理ピ
トアプローチラインを割
って
インから抜こうとし
たド素
人がいた。ボロボ
ロのカワサキの
F3仕様で
ズタボロの車だった。
それに接触してコースのア
ウト側に弾き飛ばされた。
起ち上って振り向くと両
側の真横を弾丸のように
別なマシンがピューン、
ピューンと通り過ぎて行
った。
あ、死ぬな、と思ったが、
走り去ってから這うよう
にコースガードレール外
に出てスポーツ走行時間
終了まで待機した。
その突っ込んで来た追突車
はかろうじて転倒せ
ずに去
っていた。
レッカーでピット戻ると、
ピットでメカニックやっ
くれていたあいつが事
情を
聴いて、そのチーム
に猛烈
議のカチコミを
かけ
ようとたので、と
めた。オフィ
ャルはち
ゃんと見てるから。
そんな奴だった。
遠い先祖は加賀藩士。
普段は一心太助か勝海舟の
ような江戸前の話し方だ
が、本物の漢だった。
一時期、一緒にバンド活動
もやっていた。おれギター、
やつベース。毎週夜、東高
円寺
スタジオに集まっ
てギグ
ってた。
俺の公道用の青黒の革ツナ
ギと高井のブ
ーツをあいつ
はお
古ながらもらって
んで、新型のロードスポ

ツに乗り始めた。「今ま

のアメリカンだと厳しい

ど、これなら今度一緒に

行けるぜ」なんて言って
た。
その
バイクは人気車種で、
すぐに
盗まれてしまった。
かなり落胆していた。
俺も含めて、当時はバイク
本体やパーツが仲間内でも
ほんとによく盗まれた。
停めて買い物から戻るとバ
イク無いよ、てな事もあっ
たりした。
就職後、しばらくして一時
期、
通勤バイクでスズキ
の2スト
スクーターをあ
いつからの
申し出で貸し
てもらってい
た。
「都内最速!」と言ってい
たが、本当に通勤快速で良
いスクーターだった。
かみさんのベスパ100を借
りるの
で返す時「もういい
の?
いつでもいつまででも
貸す
から、そん時には言っ
てよ」
と言ってた。
学生時代「うちの持ちビル
のペントハウス住まない?」
と言ってくれた事があった。
六本木のど真ん中のビルの
屋上の洒落たペントハウス。
家賃を問うと格安、激安だ。
ただ、街中過ぎてバイクの
保管場所が無いので、やむ
なく諦めた。
あいつとの思い出話は尽き
い。



 
 
 

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