「女子枠」志願倍率トップは6.5倍 国公立29大学 朝日新聞調査
女性だけの定員を決めて募集する「女子枠」を、国公立29大学が2024年度実施の入試で理工系学部に設けていた。
募集は計約580人で、延べ計1300人以上が出願したことが朝日新聞の取材で分かった。
女子枠は、科学技術系の女性人材が少ないため、産業界の意向も受け、理工系学部の入試に採り入れる大学が近年増えている。25年度実施の入試では、京都大や大阪大も始める予定だ。
国公立大学は全国で計186(募集停止中を除く)。
文部科学省のまとめを元に、朝日新聞が理工系学部で女子枠入試をした29大学に取材すると、志願倍率は6.53~0.10倍。大学間で差があった(非公表などの大学を除く)。
最高は、山陽小野田市立山口東京理科大(山口県)。他の選抜枠と併願できることや、化粧品の製造技術などを学ぶコースが人気の背景にあるという。
次いで、東京科学大(昨年10月に東京工業大と東京医科歯科大が統合)の3.84倍。六つのコースで計149人を募集し、572人が出願した。
一方、秋田、茨城など5大学は志願倍率が1倍を下回った。
「首都圏や難関大は比較的成功しているが、人口減が先行する地方では、学生募集に直結していないところもある」と大手予備校・河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員は分析する。