何度も同じ数を掛ける計算を「累乗」といいます。
便利な表現である一方、累乗の計算には注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
今回は、累乗に関する問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(−3)^3+(−5)^2
計算はどの順番ですれば良いのでしょうか。
まずは正しい答えが出せるかどうか、自分自身で計算してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「−2」です。
また、途中の計算は次のようになります。
(−3)^3+(−5)^2
=(−27)+(+25)
=−2
累乗の計算を含む場合は、次の順で計算をします。
(1)累乗の計算
(2)掛け算・割り算の計算
(3)足し算・引き算の計算
つまり、今回の問題では「(−3)^3」と「(−5)^2」の累乗の部分から計算をしないといけないということになります。
(−3)^3は、「(−3)を三回掛け算する」という意味です。
(−3)^3
=(−3)×(−3)×(−3)
=−27
(−5)^2は、「(−5)を二回掛け算する」という意味です。
(−5)^2
=(−5)×(−5)
=+25
以上より、累乗の計算ができたので、元の式は「(−27)+(+25)」となります。
(−27)+(+25)
=−2
以上より、今回の問題の答えは「−2」となります。
よくある誤答
よくある間違いは、「(−5)^2」を次のように計算してしまうことです。
(誤答例)
(−5)^2
=−5×5
=−25
今回の問題では、「(−5)^2」とカッコがついているので、「(−5)を二回掛け算」しなければいけません。
上記の例では問題が「−5^2」となっていれば、正しい計算となります。
「(−5)^2」と「−5^2」は、カッコがついているかどうかの違いですが、計算結果の符号に違いがでてきます。
些細な違いのようですが、まったく意味が異なるので注意しましょう。
まとめ
累乗の計算は簡単なように見えて、答えの符号のミスをしてしまいやすくなります。
カッコの有無で計算結果が変わるので、計算する際はカッコの有無に注意が必要です。
今回紹介した問題は、中学一年生で学習するものなので、間違えてしまった方は復習をすると良いでしょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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