世にも奇妙な物語35周年SP〜伝説の名作 一夜限りの復活編で『ロッカー』が再び放送決定!【撮影を振り返って今思うこと】
※以下ネタバレご注意ください。
掲載写真 ©フジテレビ
htプロダクションの瀧川治水です。
今年、世にも奇妙な物語が35周年を迎え、
織田裕二主演『ロッカー』が復活放送されるとても嬉しいニュースが舞い込んできました!
1990年、演出として初めて『ロッカー』撮影に携わらせてもらいました。
忘れえぬ撮影現場に居合わせた、瀧川の熱い追憶を、お許しください。
織田裕二さん主演『ロッカー』が、初回放送されたのは、世にも奇妙な物語が番組放送開始から、たしか2週目の放送回だったと記憶しております。
その頃はまだ、世にも奇妙な物語の番組カラーが固まっていなくて、毎回、制作者たちは手探りというか、創意工夫し模索しながらも、熱気のある楽しい現場だったように思います。
奇妙さと恐怖をどう描くか
そんな撮影現場で、シナリオのアイデアは斬新でとてもシンプル。
「ロッカーに閉じ込められた犯罪者の超絶的な恐怖」を描く意図で作られました。
世にも奇妙な物語は、奇妙さがテーマであり、そこをどう作るのかということも、スタッフ間では大切にしていました。
名脚本家のI.Hさんの出来上がった初稿には、確か記憶では、現実なのか夢なのかエンディングが最後までわからないまま終わるオチになっていたように思います。そこが奇妙らしさだったのかもしれません。
しかし、それを現場で 、カノックスのK.M
プロデューサー他スタッフと議論をしてラストは○○が終わるオチにしようとなりました。
これによって奇妙さ、不思議さは減ってしまったのかもしれませんが、最後までゾッとして終わる恐怖のおとしどころにはなったのかと思います。
しかし、I.Hさんの個性あるオリジナル脚本無くして成立しない短編作品となりました。この場を借りて感謝申し上げます。
撮影現場の織田裕二さん
織田裕二さんが、とても現場で楽しんで演じてくれたことを思い出しますし、出来上がりもとても喜んでくださいました。しかし、2日を徹して真夜中まで撮影が続いたので、いま思い起こせば、織田さんもスタッフも徹夜状態でかなり過酷な現場だったと振り返ります。
タモリさんと織田裕二さん“唯一の共演場面”
オープニングでタモリさんが登場し、街頭に出て終わる闇のシーン、あれは、エクソシストのポスターのオマージュです。タモリさんも気に入ってくださったと聞いています。織田さんとタモリさんの共演シーンがないのもつまらないと思って、ワンカット、特別に作って撮影しました。気づいてもらえますかね?(笑)
この作品は、織田さんをキャスティングした、当時フジテレビ編成のT.Iさんの慧眼、そして企画を支えたスタッフ・キャスト全員の熱量によって生まれました。
初めて『ロッカー』をご覧になる方も、すでに何度も観てくださる皆様も、ぜひあの当時の撮影現場の空気も味わいつつ、『ロッカー』の放送を楽しんでいただけたら嬉しいです。
5月31日(土)夜9時放送
世にも奇妙な物語 35周年スペシャル〜伝説の名作 一夜限りの復活編〜
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