疑似著作権(擬似著作権)についての、議論、問題、判例、研究(各社AIのDeep Research調べ)
疑似著作権(擬似著作権)を巡る、議論、問題提起、判例、研究について、下記のそれぞれのAIチャットの Deep Research (Deep Search) などの機能をつかって調べた結果を共有させていただきます。
(※ここで言う疑似著作権(擬似著作権)とは、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張」のことです。)
(※疑似著作権(擬似著作権)は、別の呼び方として、「擬似知的財産権」、「エセ著作権」、「知財もどき」、「擬似権利」などと呼ばれることもあります。)
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日本における、文化財や古文書や古文献についての疑似著作権を巡る、議論や、問題提起、判例、研究について、くわしく教えてください。
※ここで言う疑似著作権とは、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張」のことです。
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はじめに
文化財や歴史資料のデジタル化が進む中で、本来は著作権の保護期間が満了しているはずの古美術作品や古文書の画像に対し、法的根拠のないまま 「疑似著作権」 的な制限が課されるケースが問題視されています (擬似著作権: ピーターラビット、お前に永遠の命をあげよう 福井健策|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts)。つまり、本来パブリックドメイン(著作権消滅)の資料にもかかわらず、所蔵者などが許諾を要求したり利用を制限したりする現象です。本稿では、日本における文化財・古文書・古文献分野での「疑似著作権」をめぐる議論や事例、判例、そして学術的な検討について、具体的事例を交えながら報告します。
疑似著作権とは何か
「疑似著作権」とは、法律上の根拠が全くないかきわめて怪しいにもかかわらず、あたかも法的権利が存在するかのように扱われている権利主張を指す概念です (擬似著作権: ピーターラビット、お前に永遠の命をあげよう 福井健策|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts)。弁護士の福井健策氏は、著作権が切れたキャラクターやペットの肖像権などに見られるこの現象を「疑似著作権」と名付けています (擬似著作権: ピーターラビット、お前に永遠の命をあげよう 福井健策|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts)。文化財や古典資料の分野でも、著作権の消滅した美術品・文書の画像について「無断転載禁止」「要許可」などと表示されることがあり、これも疑似著作権の典型例といえます。以下では、公的機関やアーカイブで実際に見られる事例を紹介し、その背景にある主張と問題点を探ります。
公的機関・アーカイブにおける事例
国や博物館による利用許諾要求
日本の文化行政機関や博物館では、所蔵文化財の写真利用に許可を求める慣行が長く存在してきました。例えば文化庁では、同庁が保有する文化財の写真原版を利用したい場合や、文化庁保管の文化財を写真・映像撮影したい場合には「文化庁長官の許可が必要」と明記されています (文化庁の保有する写真原版の使用の許可及び文化庁が保管する文化財の写真撮影等の許可について | 文化庁)。これは当該文化財自体の著作権がすでに消滅している場合であっても、所蔵機関の内部規定として許諾申請を義務付けているものです。
また、国立博物館などでも、所蔵品の画像の再利用には許諾や手数料が必要となる場合があります。東京国立博物館はウェブサイトで「当館で公開しているデジタルコンテンツのうち著作権が生じるものについては当館が著作権を保有」としつつ、著作権の存続しない作品に関しても高精細画像の貸出には利用規約を設けています(例えば営利目的での高精細画像利用にはライセンス料が必要とされています (画像の二次利用に配慮を求める美術館 美術と著作権について知っておきたいこと(3)|ちさぎ) (画像の二次利用に配慮を求める美術館 美術と著作権について知っておきたいこと(3)|ちさぎ))。つまり、実質的にはパブリックドメインである図像にも所蔵館が利用許諾を与えているのが現状です。
寺社・文書館による利用制限
文化財の所蔵者が博物館ではなく寺院や神社、あるいは公文書館である場合も、無断利用を控えるよう求められる例があります。小学館の編集者・清水芳郎氏の証言によれば、2015年刊行の『日本美術全集』(全20巻)編集時に、明治以前の美術作品で著作権保護期間が切れている国宝級の作品ですら、所蔵元(寺院や美術館)の許諾が得られないと掲載を断念せざるを得なかったケースがあったといいます (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜)。実際、国宝第1号に指定された仏像写真について、所蔵元の許可が得られず全集に収録できなかった例もあったとのことです (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜)。清水氏は「所蔵先に無断で使えば今後出入り禁止になりかねない」という事情から、たとえ作品自体の著作権が消滅していても所蔵者の意向を無視できなかったと述べています (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜)。これは物理的な所蔵権限が実質的な支配力を持ち、利用者側が自主規制している状況と言えます。
古典籍の復刻版をめぐる争い
明治・大正期の古文献(書籍)についても、著作権が消滅した後に「疑似著作権」的な主張が現れた例があります。著名なのが1979年の夏目漱石初版本復刻事件です。この事件では、リーダーズ・ダイジェスト社が漱石の初版本(著作権消滅済)の復刻セットを販売しようとしたところ、別の出版社や文学館が「原出版社の許諾なく復刻するのは慣例違反」として販売差止めを求めました (経営情報研究所編 第10号/表紙) (経営情報研究所編 第10号/表紙)。具体的には、岩波書店や春陽堂など漱石作品初版本の発行元だった出版社が「著者の著作権が切れた初版本であっても、初版出版社に承諾を得て使用料を払う慣行がある」と主張し、自らの「復刻権(初版権)」を主張したのです (経営情報研究所編 第10号/表紙)。このように、出版業界内の慣行に基づいて暗黙の権利が主張され、法的争いにまで発展したケースも存在します。
主張される「権利」とその性質
写真撮影による新たな著作権の主張
所蔵機関が利用制限の根拠として挙げるものの一つに「写真を撮影した者の著作権」があります。博物館などは「当館職員が撮影した写真には著作権があるので許諾が必要」と説明することがあります。しかし、著作権法上、既存美術品を忠実に平面的に撮影しただけの写真には創作性が認められず、新たな著作権は発生しないと解されます。実際、東京地裁平成10年11月30日判決(版画写真事件)では、浮世絵版画を真正面から忠実に撮影した写真について著作物性が否定されています ( )。専門家による解説でも、古文書を単に平面的にスキャン・撮影した場合は原則として写真自体に著作権は生じず、自由に公開可能だとされています ( )。したがって、「所蔵館が撮影したから権利がある」という主張は法的には成り立たない場合が多いわけです。
もっとも、被写体が立体物(彫刻や工芸品など)の場合は写真家の構図や照明の工夫により創作性が認められ、撮影者に著作権が発生することがあります ()。しかしそれでも、オリジナルの文化財自体の著作権とは別個の問題であり、本来パブリックドメインである作品の利用を制限する直接の根拠にはなり得ません。あくまで創作的な写真であれば写真の著作権を扱えばよい話で、写っている文化財そのものを独占できるわけではありません。
所有権・慣行に基づく許諾慣例
もう一つの主張は**「所蔵者(所有者)の許諾権限」です。法律上、物の所有権はその現物の支配に留まり、情報や画像の利用を制限する権利ではありません。しかし日本では、前述の漱石の例のように「出版元への事前了承と謝礼が業界の慣例」といった非公式ルールが根強く存在し、それがあたかも権利であるかのように振る舞うことがあります (経営情報研究所編 第10号/表紙)。漱石の事件では、出版社側が自らの慣行上の権利を「復刻権」と称しましたが、これは著作権法には規定のない権利**です。当然ながら法的強制力はありませんが、業界の同調圧力や将来の取引関係を盾に事実上効力を持ってしまうのが問題です (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜)。
また、美術館・博物館でも、所蔵品の画像提供は自館の許諾を要する業務範囲と捉えている場合があります。許諾申請や使用料の徴収は収入源や所蔵者の権威維持にも関わるため、法的根拠が薄くとも強く主張されがちです。この点について、ある研究では**「文化資源全般に対する囲い込みが日本では急速に進展しつつある」**と指摘されています ()。すなわち、**慣行や所有者意識に基づく囲い込み(エンクロージャー)**が日本のミュージアムでは少なからず見られるということです。
疑似著作権への批判と問題点
文化的資源の公共性からの批判
著作権の消滅した文化財・古典資料は本来、公共の財産として誰もが利用できるべきものです。1979年の漱石復刻版事件においてリーダーズ・ダイジェスト社は、「著作権が消滅したあとまで権利を主張するのは,国民文化遺産の公有性に反する」と強く反論しました (経営情報研究所編 第10号/表紙)。また「復刻本に創造性は認められない」とも主張し、著作権法の建前から言えば原出版元の許諾など不要であると訴えています (経営情報研究所編 第10号/表紙)。この見解は、パブリックドメインとなった文化遺産は社会全体の共有財であり、恣意的な独占は文化の伝承に反するとの立場です。
同様の批判は学術界からも上がっています。たとえば文化資源のオープンアクセス推進に関わる専門家は「パブリック・ドメインの画像なのに自由に利用できない」現状を問題視しています (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜)。許諾手続きや利用料の負担は研究・教育・創作を阻害し、結果的に日本の知の発信力を削ぐとの懸念があります。現に、欧米の主要美術館では所蔵するパブリックドメイン作品画像を積極的に無償公開し、創造的再利用を促進する動きが一般化しています。日本でも近年、こうした潮流を受けて国立国会図書館や一部自治体がパブリックドメイン資料の画像を**「申請不要で利用可」**とする方針へ転換しつつあります (二次利用がしやすいデジタルアーカイブ(国内の図書館) | リサーチ・ナビ | 国立国会図書館)。例えば富山県公文書館デジタルアーカイブでは、公開している史料画像を「オープンデータとして自由に利用いただけます」と明記しています (富山県/富山県公文書館デジタルアーカイブについて)。このような取り組みは疑似著作権への対抗策として評価できるでしょう。
著作権制度上の課題と議論
疑似著作権問題は、日本の著作権制度の空白や解釈にも関係しています。現行法では、過去の名作を校訂・復元した研究者や、それを電子化した人に対する特別な保護規定がなく、これが古典テキストの公開を阻む一因との指摘もあります (経営情報研究所編 第10号/表紙) (経営情報研究所編 第10号/表紙)。実際、国文学の分野では「校訂者の労苦にも一定の権利保護を与えるべきだ」という意見もあり、短期間の**「復刻版編集者の権利」**創設を提言する研究者もいます (経営情報研究所編 第10号/表紙)。喜多三佳氏は、電子時代に古典テキストを広く共有するために、現行法にはない新たな保護ルール(例えば復刻校訂者に対する短期の権利)を設けることを提案しています (経営情報研究所編 第10号/表紙) (経営情報研究所編 第10号/表紙)。
しかし、このような新権利創設には慎重な意見も多く、パブリックドメインの原則との調和が問題となります。短期であれ権利を認めれば、それが将来的に保護期間延長や権利の恒久化につながる懸念もあるためです。むしろ欧米にならい、創作性のない複製物には権利は及ばないことを明確化するガイドラインが重要との指摘もあります。クリエイティブ・コモンズは2019年に「Public Domain作品の複製物にCCライセンスを適用すべきでない」とする見解を示し、**「著作物がパブリックドメインである場合、その複製物に著作権ライセンスを適用しても無効である」**と明言しました (パブリックドメイン資料の複製物はパブリックドメインのままとすべきである(記事紹介) | カレントアウェアネス・ポータル)。これは裏を返せば、文化機関が独自に設定した利用規約であっても法的な効力は限定的であることを示唆しています。
法的争議と判例
平面的複製をめぐる判例
上述した**「版画写真事件」**(東京地裁平成10年11月30日判決)は、文化財画像の著作権性に関する重要な先例です。この判例では、明治時代の浮世絵版画を正面から撮影した写真について「創作的表現がないため著作物ではない」と判断されました ( )。これにより、美術館等が所蔵する絵画の精密写真には新たな権利は発生しないことが確認されたと言えます。実務的にも、美術館から提供された画像でも単なる複製に過ぎない場合には、利用者は著作権法上自由に使えるはずだという理解が広まりつつあります ( )。
漱石復刻版事件の経緯
1979年の漱石初版本復刻事件では、複数の仮処分申請が提起されました。結果的に、夏目漱石の小説『道草』『明暗』初版本の装丁(カバー絵)部分については、まだ著作権保護期間中だった津田青楓の作品であるため使用差し止めの仮処分決定が出ています (経営情報研究所編 第10号/表紙) (経営情報研究所編 第10号/表紙)。一方、それ以外のテキスト部分については、原出版社側が主張した「復刻権」は法律上認められた権利ではなく、裁判所も直接的には認容しませんでした(最終的には関係者間で和解が図られたとされ、「漱石商標事件」として知られます (経営情報研究所編 第10号/表紙))。この事件は結果として、著作権消滅後の作品を巡って発生する疑似著作権トラブルの象徴的事例となりました。以後、同様の主張が公に裁判で争われたケースは多くありませんが、現場レベルでは細々と続いていたと考えられます。
その他の関連論点
文化財分野では他にも、肖像権・プライバシー権や公益上の配慮から利用が制限される場合があります。しかしこれらは厳密には著作権とは別の法的根拠に基づく問題です。たとえば明治以降の歴史写真に人物が写っている場合、その子孫のプライバシーに配慮して公開を控える、といった判断もありますが、これは人格権や個人情報保護の観点であり、疑似著作権とは切り分ける必要があります。
学術研究・提言の動向
疑似著作権の問題は学術界でも議論されており、いくつかの研究がこの状況の改善策を提言しています。前述の西川開氏の研究 ()では、日本の国立博物館4館のデジタルアーカイブ運用を調査し、パブリックドメイン作品の公開に関する実態と囲い込みの要因を分析しています。その中で、日本のミュージアムが欧州のように所蔵作品画像を開放できていない現状を指摘し、今後の統合型デジタルアーカイブの整備に伴いオープン化を進める意義と効果を論じています ()。西川氏は、海外事例にならった政策環境の変化が日本でも必要であり、ミュージアム側も意識転換していくべきだと示唆しています ()。
他方で、前述の**喜多三佳氏の論考 (経営情報研究所編 第10号/表紙)**のように、古典資料の校訂者・デジタル化実践者に報いるため新たな権利保護を導入すべきだという提案もあります。この提案は一見すると疑似著作権の合法化にも映りますが、趣旨としては「誰もが使えるよう公開したいが、現行制度では公開者に何の見返りもないため普及が進まない」という問題意識に基づくものです (経営情報研究所編 第10号/表紙)。つまり、オープンアクセス推進のインセンティブを高めるための限定的権利という位置づけです。しかしながら、権利が新設されればその濫用や延命の恐れもあり、公開促進策は他の手段(例えば助成や制度的支援)で講じるべきとの反論もありえます。このように、疑似著作権問題の解決策については見解が分かれるところでもあります。
おわりに
日本における文化財・古文書等の「疑似著作権」問題は、著作権法の理念と文化資産の公共性、そして所蔵者の利益や慣行とのせめぎ合いの中にあります。法的には根拠のない制限であっても、現実には利用者側が委縮したり手続きを強いられたりする状況が少なからず存在しました。しかし近年、国や自治体レベルでオープンデータ化やCC0の活用が進みつつあり、徐々に改善の兆しも見えます。国立公文書館や国会図書館は収蔵資料画像の自由利用を認め始め (画像等データの二次利用 | 国立公文書館 デジタルアーカイブ)、地方でも富山県など先進的な取り組みが出てきました (富山県/富山県公文書館デジタルアーカイブについて)。今後は、こうした動きをさらに推進し、パブリックドメインに真にふさわしい開かれた利用環境を整備することが重要です。
文化財のデジタル公開にあたっては、著作権だけでなく倫理的・社会的配慮も必要ですが、著作権が消滅した資料までを過度に囲い込むことは文化の発展に逆行します。幸い、日本でも専門家や研究者、図書館界から問題提起がなされ続けており (経営情報研究所編 第10号/表紙)、政策提言にも反映され始めています。「国民の共有財産」である文化遺産を活用しつつ保護していくために、何が正当な権利主張で何が行き過ぎた疑似著作権なのかを見極め、利用者と所蔵者双方が納得できるルール作りを模索していくことが求められています。その過程で、判例や先行研究の知見を踏まえた議論を深めることが重要でしょう。疑似著作権の克服は、文化資源のオープンアクセスと継承を実現するための大きな一歩となるはずです。
参考文献・情報源: 本稿では各種判例の判決文や文化庁・国立公文書館等の公式資料、デジタルアーカイブ学会のQ&A記事 ( )、専門家のコラム (擬似著作権: ピーターラビット、お前に永遠の命をあげよう 福井健策|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts)、ならびに関連する報道・論考 (疑似著作権、所有権、肖像権…… デジタルアーカイブには著作権以外にも課題が山積 - 鷹野凌のデジタル出版最前線 - 窓の杜) (経営情報研究所編 第10号/表紙)を参照しました。各出典は本文中に【】で示しています。
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日本においては、本来であれば著作権保護の対象にならないはずの文化財や古文書・古文献などについて、所蔵者や管理者が「著作権らしき権利」を主張して複製や公開を制限する事例がしばしば指摘されます。このような「一見すると著作権によって保護されているように扱われているものの、実際には法的根拠がない権利主張」を、ここでは便宜的に「疑似著作権」と呼びます。以下では、日本における疑似著作権にまつわる議論や問題点、関連する判例・研究について、主な論点を整理して解説します。
1. 「疑似著作権」が問題になる典型的な状況
1-1. 歴史資料・古文書・古美術品の写真・デジタル画像
文化財や古文書などは、本来であれば作者の死後50年(現行法では70年)を超えているなどの理由で、すでにパブリックドメイン(著作権保護期間が終了)になっている場合が多くあります。しかし、それらの現物を所蔵する博物館・美術館・図書館・公文書館などの管理団体が「館が撮影した写真の利用には許諾が必要」「館がデジタル化した画像には権利がある」と主張し、利用者が自由に活用できないようにしているケースがみられます。美術館や博物館で展示されている文化財の撮影禁止
文化財保護などの理由で撮影自体を禁止するケースもありますが、一方で「撮影禁止の根拠として著作権を持ち出す」こともあり、これが疑似著作権問題と結び付けられることがあります。
図書館・公文書館・大学所蔵文献の画像複製に対する独自の利用許諾・使用料要求
古文献・古文書のデジタル画像を公開する際に、「館が撮影した画像には著作権がある」として使用を制限したり、二次利用には高額な使用料を求めたりする事例があります。しかし、単なる「原資料の忠実な複製写真」や「スキャン画像」については、新たな創作性(著作物性)は原則認められないと解釈されるのが一般的です。この部分をめぐって「疑似著作権」ではないかとの議論が生じます。
1-2. 翻刻・現代語訳・注釈などの扱い
古文献などを翻刻・校訂して出版する場合、翻刻そのものに独自の創作性(レイアウトや解釈)があれば著作権は発生し得ます。一方で、「単なる文字の置き換えや単純な読み下しのみで創作性が認められない」ケースでも、著作権的保護を主張する例があります。たとえば、写真同様「変換作業が機械的であり創作性がない場合」は、本来は著作物には該当しないはずですが、出版社や編者が利用制限をかけるケースです。
2. なぜ「疑似著作権」が生じるのか
2-1. 管理者による収益確保・保護意識
文化施設等では、収蔵品の撮影・画像利用を独占することで収益を得ている場合があります。施設の運営上、複製や画像利用を自由化することが「利益の減少につながる」と懸念されることも、疑似著作権的な主張が生まれる一因となっています。
また、貴重な文化財や古文書を安易に複製・頒布されることへの懸念、あるいは「保存・管理しているのは我々なのだから、利用についても一任してほしい」という意識が強いことも背景にあるとされています。
2-2. 法制度・運用におけるグレーゾーン
日本の著作権法においては、忠実な複製(いわゆる二次的な創作性を有さない写真やスキャン画像)は原則として著作物ではないとされます。しかし、現場レベルでは、著作物性の有無について十分に理解されていない、あるいは「権利侵害のリスクをとにかく回避したい」という意識から厳しめの主張が行われることが少なくありません。
さらに、文化財保護法や博物館法など、文化財や資料を取り扱う際の別の法制度との関係が分かりにくく、「著作権とは別に撮影や利用を制限できるのではないか?」と期待が生まれたり、逆に誤解から「著作権があるはずだ」という論に結びついたりする場合もあります。
3. 主な議論・問題提起
3-1. 「コピーライト・ノーティス」や利用条件の掲示の是非
博物館や図書館が自施設のウェブサイトに「当サイトに掲載されている画像の無断使用を禁じます」という趣旨の文言を掲載しているケースは多く見られます。
しかし、その画像が「パブリックドメインの資料をただ忠実に撮影しただけ」であれば著作権は成立しません。にもかかわらず、そのような記述があること自体が利用者に誤解を生み、「疑似著作権」を助長していると批判されることがあります。
このような状況を**「Copyfraud(コピー詐称・著作権詐称)」**と呼ぶこともあり、欧米でも同様の批判が存在します。
3-2. 公共施設が所蔵する文化財の公共性とオープンアクセス化
文化財のデジタルアーカイブを推進する潮流が世界的に高まるなか、日本でも国立公文書館や国会図書館などがデジタル資料を積極的に公開しています。一方で、それらが真にオープンアクセスかといえば、ダウンロードや再利用に制限がかかっているケースが依然少なくありません。
学術研究や教育利用を促進するためには、公的機関が所蔵するパブリックドメイン資料については自由に使える状態にしておくべきだ、という意見も強く、そこに対して利用制限を設けることの是非が議論されています。
3-3. 作家・研究者・利用者からの批判
歴史学・文学研究などでは古文書・古文献の複製・翻刻が欠かせません。しかし、利用条件が厳しすぎると研究や出版に支障が出るため、学会や大学図書館協議会などからたびたび疑似著作権問題が指摘されています。
また、美術史研究や展覧会の企画を行う上でも、資料写真の入手に高額な使用料や細かい制約があるため、研究や普及活動を阻害しているとする批判があります。
4. 関連する判例・法的見解
4-1. 忠実な複製物に著作権は成立しないという一般的解釈
日本の裁判例では、既存の二次元作品を忠実に撮影しただけの写真については創作性が認められず、著作物には当たらない という解釈が一般的とされています。有名なものとしては、以下のような趣旨の下級審判決が散見されます(ただし文化財ではなく、美術品や商業デザインに関する事案が多い)。写真の創作性: 構図・ライティング・演出などに著作者自身の個性が表れている場合は著作物になるが、ただ平面上のものを照明条件も含め機械的にスキャン・複写しただけでは創作性が認められない。
実際に博物館や図書館が撮影した文化財の写真について、直接「権利侵害」をめぐる大きな裁判例(最高裁判所レベル)は公表されていませんが、仮に争いになった場合、前述の一般的解釈が適用される可能性は高い と考えられています。
4-2. 文化財保護法による撮影制限との関係
文化財保護法には文化財の保存や公開方法を定めた規定があり、指定文化財の場合は保存上の配慮として撮影禁止等の措置が定められることがあります。しかし、これは著作権とは別の次元での制限であり、「法的に許可なく複製することが違法」というわけでは必ずしもありません。
とはいえ、文化財保護のために管理者が撮影を一切禁止することは理論上は可能であり、結果的に利用者としては「撮影したくてもできない」状況になるため、著作権と似たような制限効果が発生することがあります。このとき誤解から「著作権があるから禁止」と表現されるケースがありますが、法的には別物です。
4-3. 著作権者不明・不在の文化財を所蔵する団体の対応
著作権の存続期間内であっても、作者や著作権継承者が不明の場合は「孤児著作物」扱いになり、利用許諾を得ることが困難なケースがあります。しかし、古文書や古絵画など、すでに公知の歴史的資料で著作権が消滅している公算が高いにもかかわらず、「よくわからないので一律で全て禁止・制限」とされる状況もあります。
このように、「現実にはパブリックドメインに近い状態なのに、手続きがあいまいであったり、所蔵機関が慎重になりすぎたりするために、利用制限が設けられる」というのも一種の「疑似著作権」と言えます。
5. 研究・ガイドライン・今後の方向性
5-1. 研究者や弁護士による「Copyfraud」批判
法学研究の分野では、アメリカなどで提起された「Copyfraud(著作権詐称)」の概念を日本でも積極的に取り上げる動きがあります。日本の事例としては博物館や図書館のWebサイトにおける「無断使用禁止」表示などが紹介され、「公共財たる文化遺産の資料が、本来の公有(パブリックドメイン)の性質を損なわれている」 という批判がなされています。
5-2. 文化庁や大学図書館協議会などのガイドライン文化庁
文化庁著作権課はこれまで幾度か「写真の著作物性」に関するQ&Aや見解を公表しており、忠実な複製に創作性は認められない旨を明らかにしています。しかし、個々の施設の運用レベルを直接指導できるわけではなく、実情としては施設ごとの差が大きいのが現状です。
大学図書館協議会・学会
大学図書館や学会の一部は、デジタル化された古文書や古典籍をオープンアクセスで公開する動きを進めています。その際、機関リポジトリ上で明示的に「これはパブリックドメインです。自由にご利用ください」と示す好事例が増えつつあります。一方で、まだまだ制限をかける施設も多いのが実情です。
5-3. 今後の方向性オープンデータ/オープンアクセス推進
公共機関が所蔵するパブリックドメイン資料については、文化庁や総務省が掲げる「オープンデータ推進」の方針もあり、より自由な利用を認める方向にシフトしていくことが期待されています。
利用者の権利意識の高まり
研究者や一般市民の間でも、「法的に問題ない範囲ならば自由に利用してよい」という意識が高まっており、疑似著作権的な制限への異議申し立てが増加傾向にあります。裁判まで発展するケースは限定的ではあるものの、今後、より明確な司法判断が出れば運用実態の改善につながる可能性があります。
利活用と文化財保護のバランス
文化財そのものを保護するための撮影制限と、著作権やその他の権利主張による利用制限が混同されやすい状況を整理し、文化財の保護と利活用との適切なバランスを模索する動きが続いています。
6. まとめ
日本における古文書・古文献・文化財の「疑似著作権」問題とは、本来はパブリックドメインにあるはずの資料や、著作物性が認められない複製画像に対して、所蔵・管理主体が「著作権らしき権利」を主張して利用を制限することで生じています。これは施設の収益確保や文化財保護の誤解、法制度への理解不足など、複合的な要因が背景にあります。
しかし、学術研究や教育利用、文化振興の観点からは、自由にアクセス・再利用できることが望ましいという声が強く、近年は「Copyfraud」の概念を用いた批判や、オープンアクセスを進める大学・研究機関の取り組みが広がっています。現時点で、最高裁レベルを含め「疑似著作権」自体を直接争点とした大きな判例は知られていませんが、忠実な複製や古典籍翻刻に関して「著作物性が否定されるのが原則」である点は、多くの法学者や文化庁の見解でも一致しているところです。
今後は、文化財保護と利活用の両立を図る形で、公共機関を中心にパブリックドメイン資料の積極的な開放や運用ガイドラインの明確化が進むことが期待されます。一方で、依然として各施設の運用方針には温度差があり、利用者からの声や実務上の改善努力が求められているのが現状です。
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日本における文化財や古文書・古文献に関する「疑似著作権」問題は、法的根拠が不明確なまま著作権的な制限が課されるケースを指し、学術研究やデジタルアーカイブの分野で注目されています。以下に、主要な論点や判例、研究動向を詳述します。
疑似著作権の定義と背景
「疑似著作権」とは、著作権が既に消滅している、またはそもそも著作権の対象とならない文化財や古文書に対して、所有者や管理者が実質的な利用制限を課す行為を指します。例えば、博物館や図書館が所蔵する資料の複製や公開に対して、法的根拠が不明確なまま許可を求めるケースが該当します。
主な判例:顔真卿自書建中告身帖事件
この問題に関連する代表的な判例として、「顔真卿自書建中告身帖事件」があります。この事件では、唐代の書家・顔真卿による書作品の原本を所蔵する博物館が、出版社による複製出版に対して所有権侵害を主張しました。しかし、最高裁判所は、美術作品の原作本体は有形物であり、その所有権は有形物に限定されると判断しました。つまり、所有権は物理的な原本に対するものであり、著作権が消滅した無形の内容に対する排他的支配権は認められないとされました。
学術的議論と研究動向
奈良文化財研究所などの機関では、文化財のデジタル化と利活用に関する研究が進められています。これらの研究では、著作権が消滅した文化財のデジタル化において、所有者が実質的な利用制限を課すことが、学術研究や文化資源の共有に対する障壁となる可能性が指摘されています。また、熊本大学文学部・文学研究科では、文化資源の科学的研究とその利活用に関する共同研究が行われており、文化財のデジタル化と著作権の関係についても検討されています。
今後の課題と展望
文化財や古文書のデジタル化と公開において、法的根拠のない利用制限が学術研究や文化資源の共有を妨げる可能性があります。今後は、著作権法の明確な適用範囲の定義や、文化財の所有者と利用者との間での合意形成が重要となります。また、文化庁や関連機関によるガイドラインの整備や、判例の蓄積を通じて、疑似著作権問題への対応が進められることが期待されます。
ご興味のある特定の事例や、デジタルアーカイブの実践例についても、さらに詳しくご紹介できますので、お気軽にお知らせください。
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日本における文化財や古文書・古文献に関する「疑似著作権」の問題は、法的な著作権保護が既に消滅しているにもかかわらず、所有者や管理者が実質的な利用制限を課す状況を指します。これは、デジタル化や公開に関する議論、判例、学術研究の中で重要な論点となっています。
疑似著作権の概念と背景
「疑似著作権」とは、著作権が法的に消滅しているにもかかわらず、所有者や管理者が利用制限を課すことで、実質的に著作権のような制約を設ける状況を指します。特に、文化財や古文書のデジタル化が進む中で、これらの資料の利用に関する制限が問題視されています。
主な判例:顔真卿自書建中告身帖事件
この事件では、唐代の書家・顔真卿の書作品「自書建中告身帖」を所蔵する博物館が、出版社による複製出版に対して所有権侵害を主張しました。しかし、最高裁判所は、著作権が消滅した作品に対して所有権を根拠に複製を制限することはできないと判断し、博物館の訴えを退けました。この判決は、所有権による利用制限の限界を示す重要な事例とされています。
学術的な議論と研究動向
奈良文化財研究所などの機関では、文化財のデジタル化とその利活用に関する研究が進められています。これらの研究では、著作権が消滅した文化財のデジタルデータの利用に関して、法的な制約がないにもかかわらず、実務上の制限が存在することが指摘されています。また、熊本大学文学部・文学研究科では、文化資源の科学的な研究とその公開に関する取り組みが行われており、疑似著作権の問題も含めた議論が展開されています。
現状と課題
現在、多くの文化財や古文書がデジタル化され、オンラインで公開されていますが、利用者が自由にアクセスできるとは限りません。所有者や管理者が利用条件を設けることで、実質的な制限が存在しています。これにより、教育や研究、創作活動における利用が妨げられる可能性があります。
今後の展望
疑似著作権の問題を解決するためには、法的な明確化とともに、文化財の所有者や管理者が利用者との間で適切なバランスを取ることが求められます。また、公共の利益を考慮した利用促進のためのガイドラインや政策の整備も重要です。学術界や文化機関、政策立案者が連携して、文化財の利活用を促進する取り組みが期待されています。
このように、日本における文化財や古文書・古文献に関する疑似著作権の問題は、法的、実務的、倫理的な観点から多面的に議論されています。今後も、文化財の適切な保護と利用のバランスを図るための取り組みが求められます。
Gemini
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日本における文化財等をめぐる疑似著作権問題に関する調査報告書
I. 序論
1. 本報告書の目的
本報告書は、日本における文化財、古文書、古文献(以下、「文化財等」と総称する)に関して主張される「疑似著作権(ぎじちょさくけん)」の問題について、包括的な分析を提供することを目的とする。ここで言う疑似著作権とは、利用者からの照会に基づき、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張」と定義される。具体的には、著作権法上の保護期間が満了しパブリックドメイン(PD)に属する文化財等や、そもそも著作物性が認められない可能性のある資料に対し、所蔵機関や所有者が複製・利用の制限や対価の要求を行う現象を指す。
近年、デジタルアーカイブ技術の進展に伴い、文化財等へのアクセスとその利活用の重要性が増している 1。研究、教育、新たな文化創造、あるいは商業利用といった多様な目的で、これらの人類共通の知的資産を活用しようとする動きが活発化している。しかし、その一方で、疑似著作権的な権利主張が、こうした文化資源の円滑な利用を妨げる障壁となっている事例が指摘されている 3。この問題は、文化財等の適切な保存・管理と、その公開・活用という、しばしば緊張関係にある二つの要請の狭間で顕在化する 6。
本報告書では、この疑似著作権の概念を定義し、その具体的な現れ方、関与する主体、主張の内容と問題点を明らかにする。さらに、日本の著作権法や関連判例における文化財等の扱いや法的解釈を分析し、主要な所蔵機関の利用ガイドラインを検討する。加えて、学術的な研究動向や、疑似著作権的主張が行われる背景とそれに対する反論を整理し、最終的に日本における文化財等をめぐる疑似著作権問題の現状、論点、法的課題、そして今後の展望について総合的に考察する。
2. 本報告書の構成
本報告書は、以下の構成に従って論を進める。
II. 日本における「疑似著作権」の概念: 疑似著作権の定義、著作権・所有権等の正当な権利との区別、その発生要因について考察する。
III. 疑似著作権の実践:事例と論争: 具体的な事例を挙げ、関与する主体、主張の種類、問題点を分析する。
IV. 法的状況:著作権法と文化財: 日本の著作権法が文化財等及びその複製物をどのように扱っているか、法的解釈を詳述する。
V. 司法判断:関連判例の分析: 疑似著作権問題に関連する日本の裁判例・判例を取り上げ、その判断内容と法的根拠を分析する。
VI. 機関の枠組み:方針とガイドライン: 文化庁、国立文化財機構、国立国会図書館、その他の主要機関が公開している資料利用に関するガイドライン等を調査し、疑似著作権的な扱いとの関連性を分析する。
VII. 学術的視点:研究と分析: 疑似著作権問題に関する学術研究や専門家の分析・提言をまとめる。
VIII. 根拠と反論:疑似著作権的主張の背景: 疑似著作権的な主張が行われる背景(資料保存、管理コスト、不適切な利用の防止等)と、それに対する反論(パブリックドメイン、研究・教育の阻害、法的根拠の欠如等)を整理する。
IX. 結論と今後の展望: 調査結果を統合し、問題の現状、法的課題、今後の展望について総括する。
II. 日本における「疑似著作権」の概念
1. 疑似著作権の定義
本報告書における「疑似著作権」とは、利用者からの照会に基づき定義された通り、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張」を指す。これは日本の法律における正式な法律用語ではなく、主に学術的な議論や批判的な文脈で用いられる言葉である 5。具体的には、著作権保護期間が満了したパブリックドメイン(PD)の資料や、そもそも著作物性が認められない可能性のある資料(例えば、単なる事実データや、創作性のない複製物など)に対して、所蔵機関や所有者が、あたかも著作権が存在するかのように、複製や利用(特に公開や商業利用)に許諾を求めたり、利用料を課したり、利用方法に制限を加えたりする行為や主張の総体を指す。
この概念が問題視されるのは、その「法的根拠の希薄さ」と「保護期間の不明確さ」にある 8。著作権法に基づく権利であれば、その発生要件、内容、保護期間、権利制限などが法律で明確に定められている。しかし、疑似著作権にはそのような明確な法的根拠がなく、しばしば所有権、施設管理権、契約、あるいは独自の解釈(例:後述する「宗教的人格権」)などを根拠として主張されるため、その正当性や範囲が曖昧となり、利用者の混乱を招き、文化資源へのアクセスを不当に妨げる可能性がある。
2. 正当な権利との区別
疑似著作権問題を理解するためには、それと混同されがちな、法的に認められた他の権利との明確な区別が必要である。
著作権(Copyright): 著作権は、思想又は感情を創作的に表現した「著作物」(文学、学術、美術、音楽等)を保護する権利であり、著作者に複製権、公衆送信権、譲渡権、翻案権などの支分権を与える。保護期間は原則として著作者の死後70年(無名・変名・団体名義著作物などは別途規定)であり、期間満了後は原則としてパブリックドメイン(PD)となり、誰でも自由に利用できる 9。重要な点は、著作権は表現(無体物)を保護するものであり、その表現が記録された媒体(書籍、絵画、写真プリントなどの有体物)の所有権とは全く別の権利であることである 18。
所有権(Ownership): 所有権は、物(有体物)を全面的に支配する権利であり、文化財等の物理的な現物(土器、古文書、絵画、写真のネガフィルムやプリントなど)に対して成立する 15。所有者は、その物の物理的な利用(展示、保管、修復、貸与など)をコントロールでき、物理的なアクセスに対して条件(入館料の徴収、館内での撮影規則の設定など)を設けることができる。しかし、所有権はあくまで有体物に対する権利であり、その物に含まれる情報や表現(著作物)がPDである場合、その情報・表現の複製や公開といった利用行為自体を、所有権のみを根拠として法的に禁止したり、許諾料を求めたりすることは原則としてできない 29。この点は、後述する顔真卿自書建中告身帖事件(以下、「顔真卿事件」)最高裁判決で明確に示されている 18。
施設管理権(Facility Management Rights): 博物館や図書館、寺社などの施設管理者は、施設の安全や秩序を維持し、他の利用者の鑑賞や活動を妨げないようにするため、施設内での行動ルール(例えば、フラッシュ撮影の禁止、三脚の使用制限、特定の場所での撮影禁止など)を定めることができる 29。これは施設管理権に基づく正当な権限行使であるが、この権利が、適法に撮影された写真や映像の施設外での利用(出版、放送、ウェブ公開など)まで当然に制限するものではない。
肖像権(Portrait Rights): 肖像権は、自己の容貌や姿態をみだりに撮影・公表されない人格的利益を保護する権利である 3。法律に明文規定はないが、判例で確立されている。文化財等の写真や映像に人物が写り込んでいる場合、著作権とは別に肖像権の処理が必要となる。デジタルアーカイブ学会が公開判断の指針としてガイドラインを作成している 3。
著作者人格権(Moral Rights): 著作権が財産権的側面を持つのに対し、著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)は、著作者の人格的利益を保護する権利である。著作権がPDになった後も、著作者人格権(特に同一性保持権や名誉声望を害する方法での利用禁止)は、著作権法第60条及び第116条に基づき、著作者の死後も一定の範囲で保護される 8。したがって、PD著作物であっても、著作者の意に反するような改変や、名誉を傷つけるような利用は許されない。
宗教的人格権(Religious Personality Rights): 後述する秘仏写真事件判決 29で示された比較的新しい概念。特定の宗教的対象物(特に非公開の秘仏など)に関して、その宗教的尊厳や信仰のあり方を保護するため、画像の利用を制限する根拠となりうる権利として提示された。著作権や所有権とは異なる、宗教上の特別な配慮に基づく権利と考えられる。
疑似著作権は、しばしばこれらの法的に認められた権利、特に所有権と著作権との混同から生じる。顔真卿事件や錦絵写真転載事件 18 が所有権とPD著作物の利用制御権の分離を明確に示しているにもかかわらず、所蔵機関がPD資料の画像利用に対して所有権や管理者の立場を根拠に許諾や料金を求める慣行は依然として見られる 43。また、平等院事件 29 のように、入場時の契約条件(例:商業目的撮影の禁止)を、契約の相手方ではない第三者による画像利用にまで及ぼそうとする試みも、疑似著作権の一形態と言える。このように、疑似著作権は、所有権や施設管理権といった正当な権利を梃子(てこ)としながらも、法的には著作権(あるいはPDの場合はその欠如)によって規律されるべき領域にまで、そのコントロールを拡張しようとする実践として現れるのである。
さらに、疑似著作権という概念自体に明確な法的定義がないことも、この問題の持続を許す一因となっている。この現象は「法的根拠が希薄」で「保護期間も不明」と評されるように 8、著作権侵害のように特定の法律で禁止されているわけではない。主張の根拠は、制定法ではなく、機関の方針、契約、あるいは「宗教的人格権」のような新たな解釈に求められることが多い 29。このような法的枠組みの欠如は、個々の事例ごとに著作権法(PDの原則)や所有権法の一般原則に照らして争う必要を生じさせ、疑似著作権という慣行自体に対する体系的な異議申し立てや広範な判例形成を困難にしている側面がある。
III. 疑似著作権の実践:事例と論争
疑似著作権的な権利主張は、日本の様々な文化資源の利用場面で見られる。ここでは、関与する主体、主張の具体的な形態、そしてそれによって引き起こされる問題点を、事例を交えて分析する。
1. 関与する主体
疑似著作権的な主張を行う主体(権利主張者)と、その主張に直面する主体(利用者)は多岐にわたる。
権利主張者:
博物館・美術館: 国立(国立文化財機構傘下の東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館など)、公立(都道府県立、市区町村立)、私立を含む 9。
図書館: 国立国会図書館、大学図書館、公共図書館など 23。ただし、国立国会図書館はPD資料の自由利用を原則としている点で、他の機関と異なる場合がある。
文書館(アーカイブズ): 国立公文書館など 54。
寺社仏閣: 文化財を多数所蔵し、独自の利用規定を持つことが多い 29。
個人収集家・所有者: 9。
出版社: 著作権者ではないにも関わらず、出版物に含まれるPD資料の画像等について、転載等に際して許諾や料金を求める場合がある 59。
利用者:
研究者・教育関係者: 学術調査、論文執筆、教材作成などで資料利用を必要とする 19。
出版社・報道機関: 書籍、雑誌、ニュース記事、ドキュメンタリー番組などで画像や情報を利用する 9。
一般市民: 個人的な学習、趣味、情報収集などで利用する。
商業的利用者: ゲーム開発会社、玩具メーカー、広告代理店、デザイナーなど、文化財等の画像や情報を商品やサービスに利用する 29。
2. 主張の種類と制限の形態
疑似著作権的な主張は、様々な形で現れる。
PD資料画像利用に対する許諾・料金要求: 最も一般的な形態。著作権が消滅している文化財等の写真やスキャンデータについて、利用(特にウェブ掲載、出版、放送、商品化など)に際して、所蔵機関への申請、許諾、そして利用料の支払いを義務付ける 9。料金は利用目的(商業/非商業)、利用媒体、画像の解像度、使用期間などに応じて設定されることが多い。
複製物(写真・データ)の著作権主張: PDの文化財等を撮影した写真やスキャンデータそのものに著作権が発生する(場合がある)ことを根拠に、その写真・データの利用を制御しようとする 19。機関が自ら撮影・作成したデータについて、機関自身が著作権者であるとして利用条件を課す。
契約による利用制限とその拡張: 施設への入場時や資料閲覧時に、契約(利用規約、拝観規約など)によって写真撮影やその利用(特に商業利用)を禁止し、その規約を、撮影者から写真を入手した第三者にまで及ぼそうと試みる 29。
宗教的・特殊的地位に基づく権利主張: 秘仏など、一般公開されていない、あるいは特別な宗教的意味を持つ対象物について、「宗教的人格権」のような概念を用いて、画像の公開や利用を制限する 8。
既発表写真の再利用制限: 機関が過去に出版物等で利用したPD文化財等の写真を、第三者が再利用しようとする際に、改めて機関の許諾を要求する 9。
高解像度画像・特定利用方法の制限: PD資料であっても、高解像度画像の提供を拒否したり、3Dスキャンやフォトグラメトリのような特定の複製技術を用いた撮影を許可しないことがある 19。
3. 具体的な事例
研究資料からは、以下のような具体的な事例が報告されている。
夏目漱石初版本復刻問題: リーダーズ・ダイジェスト社が著作権切れ(PD)の漱石初版本を復刻しようとした際、『道草』『明暗』の装丁について、遺族(著作権者ではない)から異議が唱えられ、初版本そのままの復刻が困難になった 14。装丁デザインの著作権が問題とされた可能性があるが、PD著作物の復刻に対する疑似的な権利主張の側面も窺える。
デジタルアーカイブにおけるオーファンワークス問題: 地方公共団体や大学が古い資料をデジタルアーカイブ化する際、著作権者不明(オーファンワークス)のために公開できない事例が多い 60。これに加えて、フィルムなどの物理的所有権の問題(例:現像所に保管されたまま権利者不明となった映画フィルム)も絡み、アーカイブ化を阻む 9。
小学館『日本美術全集』事件: 小学館が美術全集を制作するにあたり、所蔵元(寺社、美術館)が保有するPDの国宝仏像等の写真の再利用許諾が得られず、全集への掲載を断念した事例がある 9。これは、法的権利の問題というより、所蔵元との将来的な関係性を考慮し、心証を害することを避けるための自主的な判断(忖度)が働いた結果とされる。
龍馬の妻「お龍」の写真切手販売中止事件: 坂本龍馬の妻・お龍(楢崎龍)のPD写真(昭和32年以前撮影)を用いた切手を販売しようとしたところ、写真の「所有者」からクレームが入り、販売中止に至った 9。法的には所有者に写真利用を差し止める権利はないが、「お役所的」な判断で中止されたとされる。
寺院本堂写真ゲーム利用事件: 外部カメラマンが拝観料を払って寺院敷地内から撮影した本堂外観写真を、ゲーム会社がスマホゲームに使用したことに対し、寺院が(おそらく拝観規約の営利目的撮影禁止等を根拠に)権利侵害を主張した可能性がある事例 29。
平等院鳳凰堂ジグソーパズル事件: 世界遺産である平等院が、鳳凰堂の写真(PD建築物)を無断で使用したジグソーパズルを販売した玩具メーカー「やのまん」に対し、販売停止等を求めて提訴。最終的に和解が成立したが、和解内容は、やのまんが在庫を廃棄(ただし廃棄費用は平等院負担)し、今後は無許諾で製造販売しない、というものであった 29。やのまん側は「裁判所が違法行為なしと認めた」と主張しており 68、平等院側の疑似著作権的主張(所有権や規約に基づく利用制限)が法的に認められなかった可能性が高いことを示唆している。
秘仏写真事件: 四国八十八箇所の寺院(原告)が、非公開の秘仏本尊を撮影した写真家(被告)に対し、撮影許可の範囲を超えた利用や無断撮影・公開は「宗教的人格権」を侵害するとして提訴。徳島地裁は原告の主張を一部認め、写真の公開差止やネガ・データ、関連商品の廃棄を命じた 8。これは、著作権や所有権とは異なる根拠で利用制限が認められた点で注目される。
4. 指摘される問題点
これらの事例や主張から、疑似著作権が引き起こす問題点として以下が挙げられる。
研究・教育・文化普及の阻害: 本来自由に利用できるはずのPD資料へのアクセスが制限され、学術研究、教育活動、新たな文化創造が妨げられる 5。
ダークアーカイブの創出: デジタル化された資料が、権利関係の不明確さや過度に厳格な利用ポリシーのために、公開されずに死蔵される「ダークアーカイブ」状態となる 9。
法的 incertidumbre と萎縮効果: 権利関係が不明確であったり、所蔵機関から予期せぬ権利主張を受けるリスクがあるため、利用者がPD資料の利用を躊躇したり、過度に慎重になったりする(萎縮効果) 9。
パブリックドメイン原則の形骸化: 著作権法の根幹であるパブリックドメインの理念が、事実上の制限によって損なわれる 19。
公共財に対する不適切な管理・収益化: 公的な資金で維持されている機関や、国民共有の財産ともいえる文化財について、所蔵機関が過度な管理権を主張したり、不適切な形で収益を得ようとしたりする可能性がある 19。
平等院事件の和解結果は、特に示唆に富む。玩具メーカーが製造を中止する一方で、平等院が在庫廃棄費用を負担するという内容は、公開されている建築物の写真利用に関して、所有権や入場規約のみを根拠とする疑似著作権的主張の法的な弱さを示唆している 29。これは、顔真卿事件判決の原則とも整合する。対照的に、秘仏写真事件判決は、非公開の宗教的対象物という特殊な文脈において、「宗教的人格権」という別の法理が利用制限を正当化しうる可能性を示した 8。この二つの事例は、対象物の公開性(public/private nature)や宗教的性格が、疑似著作権的な主張の法的評価に影響を与える可能性を示している。
また、小学館の事例やお龍の写真切手事件に見られるように、機関や利用者が、法的な正当性よりも、関係維持やリスク回避を優先して、疑似著作権的な要求に従ってしまう傾向があることも見逃せない 9。これは、疑似著作権的主張が、必ずしも強固な法的根拠に支えられているわけではなく、むしろ力関係や実務上の配慮、あるいは法的紛争を避けたいという利用者の心理によって維持されている側面があることを示唆している。PD資料に関する機関の要求に対して、その法的根拠を問い質す利用者が少ない、あるいは問い質すことが現実的に困難であるという状況が、この慣行を温存させている可能性がある。
IV. 法的状況:著作権法と文化財
日本において文化財等に関する疑似著作権問題を理解するためには、著作権法がこれらの対象物及びその複製物をどのように扱っているかを正確に把握する必要がある。
1. 文化財等の著作権保護
著作物性: 文化財等が著作権法で保護されるためには、まず「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法第2条第1項第1号)という「著作物」の定義に該当する必要がある。絵画、彫刻、書、建築物 73、古文書(文学的・学術的内容を持つ場合)などは、創作性が認められれば著作物となりうる。一方で、単なる事実、データ、アイデア自体、あるいは極めてありふれた表現や定型的な様式のみからなるものは、創作性が否定され、著作物として保護されない場合がある 31。
保護期間とパブリックドメイン(PD): 著作物性が認められる文化財等であっても、著作権による保護は永続的ではない。日本の現行著作権法では、著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年(旧法下では異なる期間が適用される場合あり)である 24。映画の著作物や無名・変名・団体名義の著作物については別途規定がある 19。写真の著作物の保護期間は、旧法の規定や改正の影響で特に複雑であり、撮影時期や公表時期によって判断が異なる 19。多くの古文書や古美術品、歴史的建造物などは、制作・著作者の死亡から長期間が経過しているため、著作権の保護期間が満了し、パブリックドメイン(PD)に属している 9。PDとなった著作物は、著作権法上は、原則として誰でも自由に複製、翻案、公衆送信、商業利用などを行うことができる。
パブリックドメインの意義: PDとは、著作権による制約が消滅し、社会の共有財産として、誰もが自由に利用できる状態にある著作物の総体を指す 15。これは、文化の発展(著作権法第1条)という法の目的に資する重要な概念であり、新たな創作活動や知識の普及、教育利用の基盤となる。疑似著作権的な主張は、このPDの原則に反する行為として問題視される。
2. 複製物(写真・スキャンデータ等)の著作権
文化財等がPDであっても、それを撮影した写真やスキャンデータといった「複製物」自体に、新たに著作権が発生するかどうかが問題となる。
創作性の要件: 写真の著作物が成立するためには、被写体の選定、構図・角度の決定、光量・シャッター速度の設定などに撮影者の「創作性」が認められる必要がある 15。立体的な文化財(彫刻、土器など)を撮影する場合、アングルやライティングの工夫によって創作性が認められやすく、写真に著作権が発生する傾向にある 19。
創作性が否定される場合: 一方で、平面的な著作物(絵画、文書、版画など)を、単に忠実に再現することのみを目的として、真正面から撮影・スキャンしたような場合、そこに撮影者の思想・感情の創作的な表現が介在する余地は乏しく、創作性が否定され、写真自体が著作物として保護されない可能性がある 19。関連判例として、版画を正面から撮影した写真の著作物性を否定したものがある 19。
PD資料の複製物の扱い: したがって、PDの文化財等を撮影した写真であっても、その写真自体に創作性が認められれば、写真の著作権(撮影者の権利)が発生し、その写真を利用する際には撮影者の許諾が必要となる。しかし、創作性のない単なる複製(例:ゼログラフィーコピー、フラットベッドスキャナによる単純なスキャン)であれば、複製物自体に新たな著作権は発生しない。この区別が、疑似著作権問題の複雑な側面の一つとなっている。機関が保有するPD資料の写真やデータについて、その作成方法(創作性の有無)に関わらず、一律に機関の「著作物」として扱い、利用制限を課すことは、疑似著作権的な運用となりうる。
3. 関連する著作権法の条文
文化財等の利用に関連する主な著作権法の条文は以下の通りである。
第46条(公開の美術の著作物等の利用): 屋外の場所に恒常的に設置されている美術の著作物(原作品に限る)又は建築の著作物は、原則として、いずれの方法によるかを問わず、自由に利用することができる 29。これには写真撮影やその公開も含まれる。ただし、①彫刻の増製、②建築物による建築の著作物の複製、③屋外設置目的の複製、④「専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合」は例外として権利者の許諾が必要となる。寺社仏閣や屋外彫刻などの撮影・利用に際して重要な条文である。特に④の例外規定について、「美術の著作物」に建築物が含まれるか、また「専ら…販売を目的として」の解釈(単なる絵葉書や写真集だけでなく、それらを利用した二次的商品等を含むか)については議論があり 16、この曖昧さが疑似著作権的主張の根拠とされる場合がある。
第31条(図書館等における複製等): 国立国会図書館や、政令で定める図書館・博物館・文書館等(以下、「図書館等」)は、一定の条件下で著作権者の許諾なく著作物を複製できる 24。主な条件は、①調査研究目的で利用者の求めに応じて行う一部分の複製(一人一部)、②資料保存のための複製、③絶版等の理由で入手困難な資料の複製物を他の図書館等に提供する場合、である。複製は非営利で行われなければならず、複写できる範囲は原則「一部分」(一般に半分まで)とされる 74。近年、法改正により、一定の条件下で絶版等資料のデジタルデータを送信するサービスも可能となった 76。しかし、この規定はあくまで図書館等の内部業務や限定的な利用者サービスを想定した権利制限であり、資料の自由な公開や商業利用を許容するものではない。
第60条及び第116条(著作者の死後の人格的利益の保護): 著作権が消滅した後も、著作者が生きていれば著作者人格権の侵害となるような行為(例:著作物の意に反する改変、著作者の名誉声望を害する利用)をしてはならないと定められており、遺族(一定範囲)が差止請求等を行える 8。PD著作物の利用においても、著作者の人格的利益への配慮が必要であることを示している。
第21条(複製権)及び第23条(公衆送信権等): 著作権の基本的な支分権であり、デジタル化(複製)してインターネットで公開(公衆送信)する行為は、これらの権利に抵触する 17。PD著作物については、これらの権利は消滅しているため、本来は自由に行えるはずであるが、疑似著作権はしばしばこれらの行為を制御しようとする。
文化財等の著作権状態の判断(著作物性、著作者、創作・公表時期、保護期間、PDか否か)は、特に古い資料や写真の場合、複雑で困難を伴うことがある 19。この複雑さが、権利処理のコストやリスクを増大させ、所蔵機関が予防的に厳しい利用制限を課す、すなわち疑似著作権的な運用に繋がる土壌を提供している側面がある。機関としては、万が一の著作権侵害リスクを回避するため、あるいは権利調査の手間を省くために、PDである可能性が高い資料も含めて一律に許諾や料金を要求する方が、管理上は容易であるという判断が働きやすい。しかし、これは著作権法の原則、特にPDの理念とは乖離した運用である。
また、第46条の例外規定、特に「専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として」 [16] という文言の解釈が、疑似著作権的な主張の根拠とされる可能性も指摘できる。この例外は、美術作品の複製物(絵葉書、ポスター等)の販売市場で著作者と直接競合するような利用を制限する趣旨と考えられるが、機関によっては、この例外を広く解釈し、美術作品や建築物を含む画像を商業的な出版物、ゲーム、商品等に利用する行為全般を制限しようとするかもしれない 29。しかし、その商品が単なる「複製物」ではなく、作品画像が一部の要素として利用されているに過ぎない場合や、建築物自体がこの例外の対象となるかについて法的な議論がある中で 16、このような広範な制限は、第46条の趣旨を超えた疑似著作権的なコントロールと言える可能性がある。
V. 司法判断:関連判例の分析
文化財等をめぐる疑似著作権問題に関連する日本の裁判例は、多くはないものの、所有権と著作権(及びPD)の関係や、新たな権利概念の可能性について重要な示唆を与えている。
1. 顔真卿自書建中告身帖事件(最高裁昭和59年1月20日第二小法廷判決)
事案: 唐代の書家・顔真卿の真筆(重要文化財、著作権はPD)を所蔵する書道博物館(X)が、その作品の写真(以前の所有者の許諾を得て撮影されたもの)を用いて無断で書籍を出版・販売した出版社(Y)に対し、所有権(使用収益権)侵害を理由に、書籍の販売差止と複製部分の廃棄を求めた 18。
判旨: 最高裁はXの請求を棄却。判決理由の中で、「所有権は有体物をその客体とする権利であるから、本件自書告身帖に対する所有権の内容は、有体物としての自書告身帖を排他的に支配する権能にとどまるのであつて、右の有体物を離れて、その無体物である美術の著作物自体を直接排他的に支配する権能に及ぶものではない」と判示。美術の著作物に対する排他的支配権能(複製権等)は著作権者に専属し、著作権の保護期間満了後はPDに帰するため、「原作品の所有者が、有体物としての原作品に対する所有者の排他的支配権能をおかすことなく原作品の無体物としての著作物の面を利用する行為に対し、所有権に基づきその排除を求めうるものではない」とした 18。
意義: この判決は、文化財等の「物」としての所有権と、「情報・表現」としての著作権(あるいはPDにおける自由利用)が明確に分離されるべき法的原則を確立した点で極めて重要である。PDとなった文化財等について、所有者がその所有権のみを根拠として複製や公開をコントロールすることはできない、という疑似著作権に対する最も基本的な法的反論の根拠となる判例である。
2. 錦絵写真転載事件(大阪地裁平成27年9月24日判決)
事案: 著作権保護期間が満了した錦絵(PD)を所蔵する原告が、原告の出版物に掲載された錦絵の写真を無断で複製・利用した被告に対し、所有権侵害及び商慣習・商慣習法違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償等を求めた 20。
判旨: 大阪地裁は原告の請求を棄却。所有権侵害については、顔真卿事件判決を引用し、有体物である錦絵の排他的支配権能を侵害するものではないとして否定。商慣習・商慣習法違反の主張については、錦絵写真の利用に対価を支払う慣行があったとしても、それは当事者間の合意に基づくものに過ぎず、法的拘束力のある商慣習法の存在は認められないとした。さらに、著作権法が明確に保護範囲外としているPD著作物の利用を制限するような慣習は、著作権制度の趣旨・目的に反するものであり、認めることはできないと判示した 20。
意義: 顔真卿事件判決の原則を再確認し、PD文化財等の複製利用に関して、所有権だけでなく、「商慣習」といった曖昧な根拠に基づく疑似著作権的な主張も法的に認められないことを明確にした点で重要である。
3. 秘仏写真事件(徳島地裁平成30年6月20日判決)
事案: 四国八十八箇所の霊場である寺院(Xら)が、一般には非公開とされている秘仏本尊等の写真を、撮影許可の範囲を超えて、あるいは無断で撮影し、写真展や出版物で公開・頒布した写真家(Y)に対し、契約違反、宗教的人格権侵害、不正競争防止法違反等を理由に、損害賠償、差止、ネガ・データ等の廃棄を求めた 8。
判旨: 徳島地裁は、Xらの主張の一部を認め、Yに対し、差止及びネガ・データ・関連商品等の廃棄を命じた。判決は、秘仏がXら寺院にとって極めて重要な信仰の対象であり、厳格に公開が制限されている実情を考慮し、「Xら寺院の意図に反して、Yが本件写真…を使用し、これを一般に公開したり、広く一般に流布したりすること」は、「X2及びX3の宗教上の人格権を侵害する不法行為に該当する」と判断した 8。
意義: この判決は、「宗教的人格権」という新たな法的概念を認め、特定の宗教的対象物(特に非公開で神聖視されるもの)については、著作権や所有権とは別の次元で、その尊厳や信仰を守るために画像の利用を制限できる可能性を示した点で画期的である。これは、疑似著作権問題に新たな複雑さをもたらすものであり 8、その適用範囲(どのような対象に、どの程度の制限が認められるか)や法的性質については、今後の議論や判例の蓄積が待たれる。
4. 平等院鳳凰堂ジグソーパズル事件(和解)(京都地裁令和2年10月12日)
事案: 平等院(X)が、鳳凰堂(PD建築物)の写真(撮影者が誰かは不明だが、Xの許可なく撮影されたか、あるいは許可条件に反して商業利用された可能性)を使用したジグソーパズルを製造・販売した玩具メーカー「やのまん」(Y)に対し、販売停止等を求めて提訴した 29。Xは、拝観規約等で商業目的の撮影・利用を禁止していた可能性がある。
結果: 裁判所の判断は示されず、和解により終結。和解内容は、Yが当該商品の製造を中止し在庫を廃棄するが、その廃棄費用(約17万円)はXが負担するというものであった 29。Yは、裁判所が「やのまんに違法行為がない」ことを文書で認めたため和解を受諾したと発表している 30。
意義: 和解であるため確定的な法的判断ではないものの、その内容は、公開されているPD建築物の写真の第三者による商業利用に対し、所有権や一般的な拝観規約のみを根拠とする差止請求が法的に困難であることを強く示唆している。Xが廃棄費用を負担するという異例の和解条件は、Yの行為の違法性が認められなかったことの傍証と考えられる。秘仏写真事件とは対照的に、広く一般に公開されている文化財については、「宗教的人格権」のような特別な保護は及ばず、顔真卿事件の原則が適用される可能性が高いことを示唆する。
これらの判例を総合すると、日本の司法判断は、PDとなった文化財等の利用に関して、所有権のみに基づく疑似著作権的な主張(複製・公開のコントロール)を一貫して否定している(顔真卿事件、錦絵事件)。また、公開されている文化財については、一般的な利用規約等に基づく制限も、第三者に対しては効力が及びにくい可能性が高い(平等院事件の示唆)。一方で、非公開かつ神聖性の高い特定の宗教的対象物については、「宗教的人格権」という新たな法理により、利用制限が認められる余地がある(秘仏写真事件)。この「宗教的人格権」が、今後どのような範囲で認められるかが、疑似著作権問題の新たな論点となりうる。
しかしながら、顔真卿事件がインターネット普及以前のものであること、錦絵事件や秘仏写真事件が地裁レベルの判断であること、平等院事件が和解で終結したことなどから、デジタル時代におけるPD文化財画像のオンライン利用や二次的デジタル商品への利用といった現代的な課題について、最高裁レベルでの明確な判断はまだ示されていない。この法的な空白あるいは解釈の余地が、機関による多様な(そしてしばしば疑似著作権的な)利用ポリシーが存続する背景の一つとなっていると考えられる。明確な判例がない状況では、機関側はリスク回避的に制限をかけやすく、利用者側はそれを覆すための訴訟コストを負担しにくいという構造が存在する。
VI. 機関の枠組み:方針とガイドライン
文化財等を所蔵・管理する主要な機関が定める資料利用に関する方針やガイドラインは、疑似著作権的な慣行がどのように形成され、維持されているかを理解する上で重要である。ここでは、国の機関を中心に、その内容を調査・分析する。
1. 文化庁
文化庁は、日本の文化政策を所管する行政機関として、著作権制度の運用や文化財保護に関与している。
著作権に関する情報提供: 著作権テキストの発行などを通じて、著作権制度の基本的な解説や普及啓発を行っている 82。
デジタルアーカイブへの関与: デジタルアーカイブにおける著作権問題の重要性を認識し、利活用と権利保護のバランスを図る方針を示している 82。文化遺産オンラインのようなプラットフォーム運営に関与し、当初は権利処理上問題のない情報提供を中心としつつ、権利処理指針の整備等の必要性を認識している 84。また、文化審議会等を通じて、DX時代に対応した著作権制度の見直し(簡素で一元的な権利処理方策の検討など)を進めている 85。
権利への配慮: 文化財等の利用にあたっては、著作権だけでなく、所有権や肖像権等への配慮も必要であるとの考えを示している 86。文化遺産オンラインでは、掲載されている個々の情報(文字、写真、動画等)は著作権の対象となっていると表示しつつ、国指定等文化財に関する文字情報については出典記載の上での自由利用を認める方針をとっているが、その表示が徹底されていないとの指摘もある 87。
文化財保護: 文化財修理に必要な原材料の安定供給支援など、文化財保護に関する施策も行っている 88。
文化庁の姿勢は、著作権法の遵守と文化財保護・活用の両立を目指すものだが、疑似著作権問題に対して直接的かつ明確な指針を示しているとは言い難い。むしろ、所有権等への配慮を求める姿勢が、機関による疑似著作権的主張を間接的に容認する結果につながる可能性も否定できない。
2. 国立文化財機構(NICH)
東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、東京文化財研究所などを傘下に持つ独立行政法人である。
ColBase(国立文化財機構所蔵品統合検索システム): 機構全体の所蔵品情報を統合的に検索・閲覧できるプラットフォーム。ColBase上で公開されている画像の一部については、別途の利用申請を不要とし、特定の利用規約(多くの場合、出典明記を条件とするCCライセンス類似の条件)の下で、商業利用も含めて比較的自由に利用できる場合がある 22。これは、オープンアクセスの推進に向けた取り組みとして評価できる。特に、立体物の写真など著作権が発生しうる画像についても利用可能としている点は注目される 22。ただし、利用規約では第三者の権利(近年の作品の著作権等)を侵害しないよう注意喚起している 22。
各館の画像利用ポリシー(ColBase対象外または高解像度画像等): ColBaseで対応していない画像や、より高解像度のデータを利用したい場合は、原則として各館への個別の利用申請が必要となる 43。
申請と料金: 申請書には利用目的、媒体、期間などを詳細に記載する必要がある。利用が許可される場合、多くの場合、利用料が発生する。料金は、利用目的(出版、放送、ウェブ、商品化等)、利用規模(発行部数、放送期間等)、画像サイズ(解像度)などに応じて細かく設定されている 43。学術・教育目的での利用には減免措置が設けられている場合がある 43。
PD資料の扱い: 各館の利用規約において、著作権保護期間が満了したPD資料の扱いが明確に区別されていないことが多い。つまり、PD資料の画像であっても、他の著作権保護期間中の資料と同様に、申請・許諾・料金支払いが求められる運用が一般的であるように見受けられる。これが疑似著作権的な慣行の典型例である。
寄託品等の扱い: 博物館が所有権を持たない寄託品等については、画像利用にあたり、別途、作品の所有者からの利用承諾書の提出が必須とされる 43。これは所有権を尊重する措置であるが、所有者がPD資料の利用に対して著作権法上の根拠なく制限を加えることを助長する可能性もある。
利用条件: 許可された目的外の利用、二次利用、第三者への譲渡・貸与は厳しく禁止される 43。画像の改変(トリミング、文字載せ等)も原則禁止または事前の相談・許可が必要とされることが多い 45。利用後は、提供されたデータや媒体の返却または破棄が求められ、成果物(出版物、DVD等)の提出が義務付けられる 43。
外部委託: 東京国立博物館などは、画像ライセンス業務の一部をDNPアートコミュニケーションズのような外部企業に委託している場合がある 44。この場合、利用者はDNPの利用規約・料金体系に従うことになる。
3. 国立国会図書館(NDL)
日本の納本図書館であり、膨大な資料を所蔵・デジタル化している。
デジタルコレクション: デジタル化資料をオンラインで提供。資料は公開範囲によって分類されている 23。
「インターネット公開(保護期間満了)」: 著作権保護期間が満了したPD資料。NDLへの申請は不要で、出典を明記すれば、商業利用を含め自由に利用できる 23。これは、PD原則に忠実な運用である。
その他の公開範囲: 著作権保護期間中の資料(許諾・裁定を得て公開されているもの)や、図書館送信・館内限定資料については、著作権法上の制約があり、自由な利用はできない。利用には原則として著作権者の許諾が必要であり、NDLは仲介しない 23。
複写サービス: 来館者及び遠隔利用者に対し、著作権法第31条の範囲内で複写サービスを提供している 79。複写は調査研究目的に限られ、原則として著作物の「一部分」(半分まで)のみ、一人一部に限られる 79。
デジタル化資料送信サービス: 絶版等の理由で入手困難な資料について、登録した図書館や個人利用者に対し、デジタルデータを送信するサービス。著作権者の利益を不当に害さないよう、対象資料の選定や利用方法に厳格な条件が設けられている 80。
4. 国立公文書館
国の重要な公文書を保存・公開している。
デジタルアーカイブ: 公文書の目録情報とデジタル画像を公開 55。IIIFに対応し、利用者がビューアを選択できる 100。
二次利用: デジタル画像の二次利用は可能だが、利用に関する一切の責任は利用者が負うものとし、第三者の権利(著作権等)については利用者自身で確認・処理する必要があるとしている 54。PD資料と著作権保護期間中の資料の扱いを区別する明確な記述は、提供された情報からは確認できない。
5. その他の機関(都道府県立博物館、大学図書館、寺社等)
都道府県立・市立博物館等: 国立文化財機構傘下の博物館と同様に、画像利用に申請・料金を求めることが多い [61 (江戸東京), 37 (大阪歴史), 63 (横浜歴史)]。所有者(寄託者)の承諾を要求する点も共通している 37。利用条件(目的外利用禁止、改変制限、クレジット表示義務等)も類似している 37。
大学図書館: デジタルアーカイブの公開を進めている大学も多いが、利用条件は様々である。比較的オープンなライセンス(例:出典表示のみを求める 101)を採用している場合もあれば、利用申請を求め、権利処理の仲介を行う場合もある 53。著作権法第31条に基づく限定的な複製・利用が中心となる場合もある 24。
寺社仏閣: 拝観時の写真撮影自体に厳しい制限を設けていることが多い。特に本殿周辺や特定の儀式、非公開の文化財などは撮影禁止とされることが一般的である 57。報道や商業目的での撮影・取材には事前の厳格な申請・許可が必要であり、撮影場所や方法、公開時のクレジット表記、内容(神社の尊厳を損なわない等)について詳細な条件が付される 57。画像の二次利用や改変は原則禁止されることが多い 104。これらの制限は、著作権というよりは、信仰の場の維持、宗教的尊厳の保護、施設管理権といった観点から設けられていると考えられる。
比較表:主要機関におけるPD文化財画像利用ポリシー(推定含む)
機関名
PD資料利用の明示的ポリシー
PD利用に申請必要か?
PD利用に料金必要か?
PDの商業利用可?
PDの改変可?
出典表示義務
所有者許諾要(寄託品等)?
国立文化財機構 (ColBase)
一部画像は規約下で利用可
不要 (規約範囲内)
不要 (規約範囲内)
可 (規約下)
可 (要明記)
要
(規約参照)
国立文化財機構 (各館個別)
不明確
原則 要
原則 要
要確認/許可
原則 否/要許可
要
要
東京国立博物館 (TNM)
一部Webコンテンツは非商用自由利用可 105
要 (ColBase/Web以外)
要 (ColBase/Web以外)
要確認/許可
原則 否/要許可
要
要
京都国立博物館 (Kyohaku)
不明確
要 (ColBase以外)
要 (ColBase以外)
要確認/許可
要事前通知
要
要
奈良国立博物館 (Narahaku)
不明確
要 (ColBase以外)
要 (ColBase以外)
要確認/許可
要確認/許可
要
要
九州国立博物館 (Kyuhaku)
不明確
要 (ColBase以外)
要 (ColBase以外)
要確認/許可
要確認/許可
要
要
東京文化財研究所 (Tobunken)
不明確
要 (ColBase以外)
要 (ColBase以外)
要確認/許可
要確認/許可
要
要
国立国会図書館 (NDL)
PDは自由利用可 23
不要
不要
可
可
推奨
(適用外)
国立公文書館
二次利用可、責任は利用者 54
不要 (自己責任)
不要 (自己責任)
可 (自己責任)
可 (自己責任)
推奨
(適用外)
寺社仏閣 (一般)
(著作権とは別次元の制限)
要 (非個人利用)
場合による
原則 否/要許可
原則 否
要
(適用外/施設による)
注: 上記表は提供された情報に基づく推定を含む。特にNICH各館のPD資料に対する明確なポリシー分離は見られないため、「不明確」「原則要」とした。ColBaseやNDLの方針は比較的明確。
機関ごとのポリシーには顕著な差異が見られる。特に、国立国会図書館がPD資料の自由利用を原則とする 23 のに対し、国立文化財機構傘下の多くの博物館が、ColBaseで提供される一部を除き、PD資料に対しても申請・料金・利用制限を課す運用を行っている 43 点は対照的である。この違いは、機関の設立目的(情報アクセス重視の図書館 vs. 物資料の保存・展示・研究を重視する博物館)や、運営財源、寄託者等との関係性といった要因を反映している可能性があるが、結果としてPD原則の適用に一貫性を欠く状況を生み出している。博物館におけるこのような運用は、まさに疑似著作権的な慣行が根付いていることを示している。
また、寺社仏閣における制限は、著作権や所有権といった世俗的な権利概念とは異なる、宗教的な価値観や信仰の場の維持といった独自の論理に基づいていることが多い 57。これは、秘仏写真事件で示された「宗教的人格権」の考え方とも通底するものであり、文化財等の利用を考える上で、著作権法だけでは捉えきれない要因が存在することを示唆している。
VII. 学術的視点:研究と分析
文化財等をめぐる疑似著作権問題は、法学者、研究者、実務家など、様々な立場から関心が寄せられ、研究や議論が行われている。
1. 問題の認識と批判
学術的な文献や専門家の論考においては、疑似著作権やそれに類する権利主張が、文化資源へのアクセスや利活用を妨げる問題として広く認識されている 5。特に、デジタルアーカイブの進展との関連で、この問題の重要性が強調されることが多い 1。デジタル化によって資料の複製・頒布が容易になる反面、権利処理の壁、特に疑似著作権的な主張によって、その恩恵が十分に活かされない状況が懸念されている。
所有権に基づく利用制限の主張に対しては、顔真卿事件判決 18 を根拠に、所有権と著作権(PDにおける自由利用権)は別個のものであるという法的原則が繰り返し指摘され、批判されている。
2. 「ユーザの権利」論の登場
近年、著作権者の権利保護が強化される傾向に対し、著作物を利用する側の権利や利益を積極的に擁護しようとする「ユーザの権利(User Rights)」という考え方が注目されている 70。この議論は、疑似著作権問題にも新たな視座を提供する。
理論的根拠: ユーザの権利は、単に著作権の制限規定(フェアユース、引用、私的複製など)を権利者の許諾が不要な範囲として捉えるだけでなく、より積極的に、利用者が文化資源にアクセスし、それを享受・利用する権利として構成しようとする試みである。その根拠は、憲法上の権利(知る権利、表現の自由、学問の自由、文化的な生活を営む権利など)や、著作権法の目的(文化の発展への寄与)、あるいは社会全体の利益(知識共有、イノベーション促進)に求められる 70。
疑似著作権への適用: このユーザの権利論は、疑似著作権的な主張によって不当に利用が制限されているPD資料へのアクセス権を擁護する理論的支柱となりうる。つまり、疑似著作権的主張に対して、単に「権利者の主張には法的根拠がない」と反論するだけでなく、「利用者にはPD資料を自由に利用する正当な権利・利益がある」と積極的に主張することを可能にする。特に、デジタルアーカイブのような公益性の高い活動において、文化資源へのアクセスを保障する権利(デジタルアーカイブ権)として具体化することが提案されている 70。
パブリックドメインとの関係: ユーザの権利論は、パブリックドメインの重要性と密接に関連している。PDは、ユーザが自由に利用できる文化資源の宝庫であり、ユーザの権利の具体的な対象領域となる。PDを単なる「権利の空白」ではなく、積極的に保護・維持し、利用を促進すべき共有財産(コモンズ)として捉える考え方 72 は、ユーザの権利論と軌を一にする。
3. パブリックドメインの再評価と保護
疑似著作権問題への対抗軸として、パブリックドメイン(PD)の意義を再評価し、その領域を確保・拡充しようとする議論も活発である 70。
PDの積極的意義: PDは、単に著作権保護から漏れた領域ではなく、文化の発展やイノベーションの源泉として、社会全体にとって不可欠な存在であると認識されるようになっている 72。
PDへの脅威: 著作権保護期間の延長、技術的保護手段(DRM)によるアクセス制限、あるいは商標権など他の知的財産権による事実上のPD領域の囲い込み(例:文化的に重要なシンボルの商標登録)などが、PDを侵害・縮小させる脅威として指摘されている 72。疑似著作権も、法的な根拠なくPD資料の自由利用を妨げる点で、PDへの脅威の一つと位置づけられる。
PDアプローチ: 知的財産法の解釈・運用において、PDの確保・維持という観点を重視する「PDアプローチ」が提唱されている 72。これは、権利保護と利用促進のバランスをとる上で、自由利用領域の重要性を考慮に入れるべきだという考え方である。
4. 実務的課題への対応
学術的な議論と並行して、実務的な課題への対応策も検討されている。
オーファンワークス(孤児著作物)対策: 権利者不明のために利用できない著作物(オーファンワークス)の問題は、デジタルアーカイブ推進の大きな障害であり、疑似著作権問題とも関連して議論される 5。文化庁の裁定制度の運用改善や、新たな権利処理スキーム(拡大集中許諾制度など)の導入が検討されている 9。
ガイドライン策定: 肖像権のように法的に曖昧な権利や、疑似著作権のように慣行が先行している問題に対して、関係者が参照できるガイドラインを作成し、判断基準の明確化と萎縮効果の軽減を図る試みが行われている。デジタルアーカイブ学会による肖像権ガイドラインはその一例である 3。文化遺産オンラインにおける権利処理指針の整備も課題とされている 84。
5. 研究情報の探索
これらの研究や議論に関する情報を得るためには、CiNii Articles, J-STAGEといった学術論文データベースが有用であるが、データベースへのアクセス権や、論文PDFの公開状況によっては利用に制約がある場合もある 108。
学術的な視点、特に「ユーザの権利」論の展開は、疑似著作権問題に対する考え方を深める上で重要である。従来、この問題は主に「権利者の主張の法的根拠の欠如」という観点から論じられてきた。しかし、ユーザの権利論は、文化資源へのアクセスと利用を、単なる権利者の裁量に委ねられるものではなく、利用者側の正当な権利または利益として捉え直す。これにより、PD原則の擁護や疑似著作権的主張への対抗において、より積極的かつ根源的な論拠を提供しうる。著作権法が文化の発展を目的とすることを踏まえれば、PD資源の活用を保障することは、法の趣旨にも合致すると考えられる。
一方で、学術研究や専門家の間で共有されている批判的な視点(PD原則の重視、所有権と著作権の分離)と、多くの文化機関(特に博物館)の実務的な運用(PD資料への利用料や制限)との間には、依然としてギャップが存在するように見受けられる 5。この乖離は、機関側の予算確保の必要性、リスク回避志向、管理の便宜性、あるいは単なる過去からの慣行の踏襲といった、必ずしも法的正当性に基づかない要因によって、疑似著作権的なポリシーが維持されている可能性を示唆している。学術的な知見が、実際の機関運営やポリシー策定に十分に反映されていない現状が窺える。
VIII. 根拠と反論:疑似著作権的主張の背景
疑似著作権的な主張や、それに類する文化財等の利用制限が行われる背景には、所蔵機関側の様々な事情や懸念が存在する。それらの主張の根拠とされる点と、それに対する法的な観点や利用者側からの反論を整理する。
1. 疑似著作権的主張の背景・根拠(とされるもの)
資料の保存・管理コストの回収: 文化財等の現物を適切に保存・管理し、さらにデジタル化して公開するには多大な費用(人件費、設備費、維持費等)がかかる。利用料の徴収は、これらのコストを回収し、持続的な活動を維持するために必要であるという主張 19。
資料の物理的保護・保全: 無制限な複製や利用(特に高解像度データの提供や3Dスキャンなど)は、原本の劣化や損傷のリスクを高めたり、不適切な複製物の流布を招いたりする可能性があるため、利用を管理・制限する必要があるという懸念 19。
利用の質の担保・文脈の維持: 文化財等が不正確な情報と共に利用されたり、本来の文脈から切り離されて矮小化されたり、あるいは敬意を欠くような形で利用されたりすることを防ぎたいという意図 104。機関として、資料の適切な理解と尊重を確保したいという考え。
寄贈者・寄託者等との関係維持: 資料の寄贈者や寄託者(所有者)が、利用に関して特定の意向(例:商業利用の制限)を持っている場合、法的な拘束力がないとしても、その意向を尊重し、良好な関係を維持するために、利用に制限を設けることがある 9。
不適切な商業利用の防止: 歴史的・文化的に重要な遺産が、敬意を欠いた方法で、あるいはもっぱら営利目的で安易に利用されることへの抵抗感 29。特に、所有者自身が関連商品を展開している場合などは、競合を防ぎたいという意図も働きうる。
管理責任・ゲートキーピング: 機関としての管理責任の範囲内で利用をコントロールしたい、あるいは学術的な利用などに限定したいという、ある種のゲートキーピング意識。
宗教的感受性・尊厳の保護: 寺社仏閣などの宗教機関においては、信仰の対象である文化財等の神聖さや尊厳を守り、信者の感情を害さないように、写真撮影や画像の利用を厳格に管理する必要があるという主張 8。
2. 疑似著作権的主張に対する反論
これらの主張に対しては、法的な観点や公共性の観点から、以下のような反論がなされる。
法的根拠の欠如: 最大の反論。著作権法は、PD著作物の自由利用を原則としており、所有権や施設管理権は、その原則を覆して複製・公開等の利用をコントロールする権限を与えるものではない 29。顔真卿事件、錦絵事件判決がこの点を明確に示している。
パブリックドメイン原則の尊重: PDは、文化の発展と知識の共有のために社会全体で活用されるべき共有財産である。これにアクセス制限や利用料を課すことは、PDの理念を根本から損なう 18。
研究・教育・創造活動の阻害: 利用制限は、学術研究、教育、ジャーナリズム、新たな文化創造といった正当な活動を不当に妨げ、社会全体の利益を損なう 5。
文化の死蔵・損失: 過度な制限は、貴重な文化資源が十分に活用されず、忘れ去られてしまう「ダークアーカイブ」化を招き、長期的に見て文化的な損失につながる 5。
公的資金と公共性: 多くの文化機関は公的資金によって運営されており、その所蔵品(特にPD資料)は国民共有の財産としての性格を持つ。したがって、可能な限り広く公開し、利用を促進する責務があるのではないかという議論 19。コスト回収を利用制限の主たる理由とすることは、公共機関としての役割と矛盾する可能性がある。
ポリシーの不統一と利用者の混乱: 機関ごとに異なる、しばしば不明確な利用ポリシーは、利用者に混乱と過度の負担を強いる [VI節の分析から暗示]。統一的で分かりやすいルールが求められる。
代替的な資金調達手段: 保存・管理コストは、利用料(特にPD資料へのアクセス料)ではなく、公的助成、寄付、クラウドファンディング、あるいは付加価値の高いサービス(高解像度スキャン提供サービス、専門的なレファレンス等)の対価など、他の手段で賄うべきであるという考え方。
疑似著作権的な主張の根拠として挙げられる「コスト回収」や「資料保全」といった理由は、機関運営上の現実的な課題であることは否定できない。しかし、これらの課題への対応策として、PD資料の「内容」そのものに対する著作権的なコントロール(利用許諾やライセンス料)を主張することは、法的に見て飛躍がある。顔真卿事件判決が示したように、物理的な「物」の管理・保存(これにはコストがかかる)と、無体物である「情報・表現」(PDであれば自由利用が原則)の利用制御は、法的に区別されるべきである 18。したがって、機関が負担するコストを理由にPDコンテンツの利用自体を制限したり、ライセンス料を課したりすることは、所有権や管理権限を著作権の領域に不当に拡張する試みであり、疑似著作権の中核的な問題点と言える。正当化される可能性があるのは、物理的なアクセス(入館料)や、特定のサービス提供(高解像度スキャンデータの作成・提供作業に対する実費相当の手数料など)に対する対価であろう。
また、「利用の質の担保・文脈の維持」という主張も、一定の理解はできるものの、注意が必要である。著作者人格権(同一性保持権、名誉声望保持)は、PD著作物に対しても一定の保護を与えるが 8、これは著しく元の著作物を歪曲したり、著作者の名誉を毀損したりするような利用を禁じるものであり、機関が主観的に「不適切」と判断する利用すべてを禁止する権限を与えるものではない。PD原則は、基本的に多様な解釈や再利用を許容するものである。機関が、自らの解釈や価値観に基づいてPD資料の利用方法を過度にコントロールしようとすることは、一種の検閲やパターナリズムに陥る危険性があり、これもまた疑似著作権的な振る舞いと評価されうる。利用の質や文脈に関する懸念は、利用制限ではなく、むしろ積極的な情報提供や教育、あるいはオープンな議論を通じて対応すべき課題であろう。
IX. 結論と今後の展望
1. 調査結果の総括
本報告書で検討した結果、日本における文化財等をめぐる疑似著作権問題は、単なる法解釈の誤りにとどまらず、制度的、慣行的、経済的要因が複雑に絡み合った根深い課題であることが明らかになった。
疑似著作権の現状: 疑似著作権、すなわち法的根拠の薄い著作権類似の権利主張は、特に博物館や寺社などの文化財所蔵機関において広く見られる慣行である。これは、著作権保護期間が満了したPD資料や、そもそも著作物性が疑わしい資料の複製・利用(特にデジタル環境での公開や商業利用)に対して、許諾や料金、利用制限を課す形で現れる。
発生要因: この問題は、①所有権と著作権(特にPDにおける自由利用権)の混同、②施設管理権や契約条件の拡大解釈、③資料の保存・管理コスト回収の必要性、④不適切な利用への懸念、⑤寄贈者等への配慮、⑥権利関係の複雑さ・不明確さに対するリスク回避、⑦宗教的感受性への配慮、⑧そして利用者側の法的知識の不足や関係維持への配慮(忖度)といった、多様な要因が複合的に作用して発生・維持されている。
法的評価: 日本の判例(特に顔真卿事件、錦絵事件)は、所有権に基づくPD資料の利用コントロールを明確に否定しており、疑似著作権の主張の多くは法的な正当性を欠く。しかし、秘仏写真事件判決は、非公開の宗教的対象物に限っては「宗教的人格権」という新たな利用制限の根拠を認める可能性を示唆し、問題をより複雑にしている。平等院事件の和解は、公開文化財に対する疑似著作権的主張の限界を示唆する。
機関による対応の差異: 国立国会図書館がPD資料の自由利用を原則とする一方、国立文化財機構傘下の博物館をはじめとする多くの機関では、PD資料に対しても申請・料金・利用制限を課す運用が一般的であり、機関による対応には大きな隔たりがある。これは、機関の目的や運営状況の違いを反映している可能性があるが、PD原則の一貫した適用を妨げている。
学術的批判と対抗理論: 学術界や法曹界からは、疑似著作権に対する批判や、PD原則の重要性を訴える声が上がっている。近年では、利用者のアクセス権を積極的に主張する「ユーザの権利」論も展開されており、疑似著作権問題への新たな対抗軸となりうる。
影響: 疑似著作権は、研究・教育・文化創造活動を阻害し、デジタルアーカイブの潜在能力を十分に発揮させず、文化の死蔵を招くなど、社会全体にとって無視できない負の影響を及ぼしている。
2. 現状の課題
現状の主な課題は以下の通りである。
法的曖昧さと執行の欠如: 疑似著作権自体を直接規制する法律がなく、判例も限定的であるため、機関による自主的なルール設定に委ねられている部分が大きい。違法な権利主張に対する明確なペナルティがないことも、問題の是正を困難にしている。
権利処理の複雑さとコスト: 文化財等の著作権状態(PDか否か、写真自体の著作権の有無、肖像権等)を正確に判断するには専門知識と調査が必要であり、特に大規模なデジタルアーカイブ化においては、権利処理が大きな負担となる。これが、機関が予防的に制限をかける一因となっている。
機関側の意識と利用者の認識: 機関側には、コスト回収や管理責任を優先するあまり、PD原則への理解や配慮が不足している場合がある。一方、利用者側も、法的権利を十分に認識せず、機関の要求に安易に従ってしまう傾向がある。
オープンアクセスと持続可能性のジレンマ: 文化資源へのオープンアクセスを推進する必要性と、機関が活動を継続するための財政的基盤を確保する必要性との間で、適切なバランスを見出すことが難しい。
3. 今後の展望と提言
疑似著作権問題を克服し、文化財等の適切な保存と活用の両立を図るためには、関係者による多角的な取り組みが必要である。
機関への提言:
ポリシーの見直しと透明化: 各機関は、自らの資料利用ポリシーを、著作権法(特にPD原則)及び関連判例に照らして見直し、PD資料については原則として自由な利用を認める方向で改定すべきである。利用条件や料金体系を明確化し、ウェブサイト等で分かりやすく公開することが求められる。
料金体系の合理化: PD資料の利用に対して「ライセンス料」を課すのではなく、必要な場合は、特定のサービス提供(高解像度データ作成・提供等)に対する実費相当の手数料に限定するなど、料金設定の根拠を明確にし、合理化を図るべきである。
オープンライセンスの活用: PD資料や機関が権利を持つ資料について、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)のような標準化されたオープンライセンスを積極的に導入し、利用条件を明示することで、利用者の利便性を高めるべきである。ColBaseでの取り組みはその好例である。
連携とベストプラクティスの共有: 機関間で連携し、PD資料の扱いに関するベストプラクティスを共有・確立することが望ましい。
政策担当者・政府への提言:
明確なガイドラインの策定: 文化庁等は、文化財等のデジタルアーカイブ化と利用に関して、PD資料の扱いを含む権利処理に関する明確なガイドラインを作成・普及させるべきである。特に、所有権と著作権の区別、写真の著作物性判断基準、第46条の解釈などについて、具体的な指針を示すことが期待される。
法的リテラシーの向上支援: 所蔵機関の職員や利用者に対する著作権・関連法規に関する研修機会を提供し、法的リテラシーの向上を図るべきである。
権利処理の円滑化: オーファンワークス対策としての裁定制度の改善や、拡大集中許諾制度の導入検討など、権利処理を簡素化・円滑化するための法制度整備を引き続き進める必要がある 85。
オープンアクセス推進への支援: 公的資金によるデジタルアーカイブ事業においては、オープンアクセスを原則とするよう促し、そのための財政的支援や技術的支援を行うべきである。ジャパンサーチ 9 のような分野横断ポータルの機能強化も重要である。
法解釈の明確化: 必要であれば、著作権法第46条の適用範囲など、解釈に争いのある点について、立法的な明確化を検討することも考えられる。
利用者への提言:
権利意識の向上: 著作権法におけるPDの原則や、所有権と著作権の違いについて理解を深めることが重要である。
オープンな資源の活用: NDLデジタルコレクションのPD資料や、ColBaseのオープンライセンス画像など、利用条件が明確で自由度の高いリソースを積極的に活用すべきである。
正当な権利の主張: 疑似著作権的な不当な要求に直面した場合、安易に従うのではなく、法的根拠(顔真卿事件判決など)を示して、PD資料の自由利用権を主張することも必要である。ただし、著作者人格権や肖像権、宗教的感受性への配慮は怠ってはならない。
法曹界・学術界への提言:
研究の深化と発信: 疑似著作権の実態調査、判例分析、ユーザの権利論などの研究を継続し、その成果を機関や社会に分かりやすく発信していく必要がある。
法解釈・立法の提言: 法的曖昧さを解消するための具体的な法解釈や立法論を積極的に提言していくべきである。
紛争解決支援: 疑似著作権に関する紛争が生じた場合に、専門家として適切な助言や支援を提供できる体制を整えることも重要である。
4. 結語
文化財等は、過去から受け継がれ、未来へと継承されるべき人類共通の貴重な財産である。その価値を最大限に引き出すためには、適切な保存とともに、現代社会における多様な利活用を促進することが不可欠である。疑似著作権問題は、この利活用を妨げる大きな障壁の一つであり、その解決は急務である。法的原則の再確認、機関の意識改革、利用者の権利意識向上、そして政策的な後押しを通じて、文化資源へのアクセスがより開かれ、日本の豊かな文化遺産が社会全体で共有され、未来の創造へと繋がっていくことを期待したい。
引用文献
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お問い合わせ‧取材撮影申込|プレスの方へ - 伊勢神宮, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.isejingu.or.jp/press/inquiry/
よくある質問 | 出雲記念館(神奈川), 4月 14, 2025にアクセス、 https://izumo-kinenkan.com/toiawase/qa/
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画像のご利用 - 江戸東京博物館, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/purpose/image/
貸出利用規約・料金規定|イメージライセンス事業 - 公益財団法人東京都歴史文化財団, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.rekibun.or.jp/about/project/licence/terms/
画像利用規約 - 横浜市歴史博物館, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/use/photo/gazou_kiyaku/
マスコミの皆さまのお問い合わせ - 出雲大社, 4月 14, 2025にアクセス、 https://izumooyashiro.or.jp/inquiry/contactpress
結婚式における写真・動画撮影についてのお願い - 出雲教, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.izumokyou.or.jp/2024/10/318/
これってOK!? コンテンツにおける建築物の画像利用 岡本健太郎|コラム | 骨董通り法律事務所 For the Arts, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.kottolaw.com/column/201127.html
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プレスの方へ - 伊勢神宮, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.isejingu.or.jp/press/
デジタルコンテンツの利用について - 東京国立博物館, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1841
我が国が 指すデジタルアーカイブ社会の 実現に向けて, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/pdf/r0208_3kanen_houkoku_honbun.pdf
「デジタルアーカイブ憲章をみんなで創る円卓会議」 | デジタルアーカイブ学会, 4月 14, 2025にアクセス、 https://digitalarchivejapan.org/advocacy/charter/kenshoentaku/
「CiNiiから論文が消えた」 研究者に困惑広がる - ITmedia NEWS, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/05/news086.html
CiNii全般 - 著作権とリンク | 学術コンテンツサービス サポート, 4月 14, 2025にアクセス、 https://support.nii.ac.jp/ja/cinii/copyright
データベース - 愛知学院大学歯学・薬学図書館情報センター, 4月 14, 2025にアクセス、 https://www.slib.agu.ac.jp/ej/db.html
筑波大学大学院 - つくばリポジトリ, 4月 14, 2025にアクセス、 https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/45765/files/H21.pdf
電子書籍の事業モデルに関する研究 Research on the model of the electronic book business, 4月 14, 2025にアクセス、 https://iwate-pu.repo.nii.ac.jp/record/3019/files/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E7%A7%80%E9%A1%95%EF%BC%88%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%A7%91%E3%83%BB%E8%AB%96%E6%96%87%E5%8D%9A%E5%A3%AB%EF%BC%89_03%E5%85%A8%E6%96%87.pdf
論文・業績 - ZONO on the Web: 中園長新, 4月 14, 2025にアクセス、 https://zono.e4serv.net/activity.html
デジタル技術による 文化財情報の記録と利活用 2, 4月 14, 2025にアクセス、 https://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/35/35324/69974_1_%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%96%87%E5%8C%96%E8%B2%A1%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2%E3%81%A8%E5%88%A9%E6%B4%BB%E7%94%A8.pdf
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文化財や古文書・古文献に関する「疑似著作権」問題について
日本において、著作権の保護期間が満了しパブリックドメイン(PD)となった文化財、古文書、古文献などに関して、法的な根拠がないにもかかわらず、あたかも著作権が存在するかのように扱われ、利用が制限される「疑似著作権」の問題が指摘されています。これは、本来自由に利用できるはずの文化的資源へのアクセスを妨げ、学術研究や教育、新たな創作活動などを阻害する要因となっています。
疑似著作権が発生する背景と問題点[1][2][3]所有権と著作権の混同:
文化財や古文書の所有者(博物館、美術館、図書館、寺社、個人など)が、その資料の「所有権」に基づいて、写真撮影やデジタルデータの利用に対して許諾や料金支払いを求めるケースがあります。しかし、所有権はあくまで「物」に対する権利であり、著作物(情報)の利用を制限する著作権とは別のものです。最高裁判例(顔真卿自書建中告身帖事件)でも、有体物である作品の所有権と、無体物である著作物自体を排他的に支配する権能(著作権)は別物であると明確に示されています。
特に、著作権保護期間が満了したPD資料については、所有者であっても著作権法上の利用制限は課せられません。しかし、現場ではこの区別が曖昧なまま、利用許諾申請や料金徴収が行われることが少なくありません。
複製物の著作権:
PDとなった文化財や古文書を撮影した写真や作成された3Dデータなど、その「複製物」に新たな著作権が発生するかどうかが問題となります。
現在の日本の著作権法や判例では、平面的な著作物(絵画、書など)を忠実に複製した写真には、原則として新たな創作性が認められず、著作権は発生しないと考えられています。
立体的な著作物(彫刻、工芸品など)の撮影や3Dデータ作成の場合でも、単なる記録目的の複製(例:三面図的な撮影)であれば、創作性は認められにくい傾向にあります。しかし、撮影者の工夫(アングル、ライティングなど)によって芸術的表現として創作性が認められれば、その複製物に撮影者の著作権が発生する可能性はあります。
この判断は微妙であり、現場ではPD資料の複製物であっても、所蔵機関や撮影者が著作権を主張し、利用を制限するケースが見られます。クリエイティブ・コモンズ(CC)などは、PD作品の忠実なデジタル複製物はPDとして扱うべきであり、新たな著作権を生じさせるべきではないと主張しています。
慣習や自主規制:
法的な根拠がなくても、美術館や博物館などが「慣習」として、所蔵資料の画像の利用に許諾や料金を求めている場合があります。利用者は、トラブルを避けるために、本来不要な許諾申請を行ってしまうことがあります。[4]
福井健策弁護士などは、このような状況を「疑似著作権」と呼び、法的根拠のない権利主張がまかり通っている現状に警鐘を鳴らしています。また、Mazzone氏はこのような行為を「著作権詐称(copyfraud)」と呼び、文化の再生産や自由な言論を阻害すると批判しています。[4]
デジタルアーカイブにおける課題:
文化財や古文書のデジタルアーカイブ化が進む中で、権利処理の問題はさらに複雑化しています。
著作権だけでなく、肖像権(写真に写っている人物)、プライバシー権(個人情報)、パブリシティ権(著名人)なども考慮する必要があります。[3]
特に災害アーカイブなどでは、被災者の肖像権やプライバシーへの配慮が大きな課題となっています。デジタルアーカイブ学会は「肖像権ガイドライン」を公表し、自主的なルール作りを進めています。
権利者が不明な「オーファンワークス(孤児著作物)」の扱いも大きな問題です。権利者の許諾が得られないために、貴重な資料がデジタル化・公開できずに死蔵されてしまうケースがあります。文化庁の裁定制度がありますが、手続きの煩雑さなどから十分に活用されていないとの指摘もあります。
議論と研究[5][6]疑似著作権・著作権詐称: 福井健策弁護士や研究者らが、法的根拠のない権利主張の問題点を指摘し、「疑似著作権」や「著作権詐称(copyfraud)」といった概念を用いて議論しています。これらの行為がパブリックドメインを侵害し、文化の自由な利用と発展を妨げていると批判しています。
デジタルアーカイブと権利処理: デジタルアーカイブ学会や研究者、実務家(博物館、図書館、公文書館職員など)の間で、デジタルアーカイブにおける著作権、肖像権、プライバシー権などの権利処理に関する議論や研究が進められています。ガイドラインの策定や判例研究、権利表記の標準化などが検討されています。
パブリックドメインの活用: クリエイティブ・コモンズなどの団体は、PD資料の自由な利用を推進しており、PD資料のデジタル複製物に新たな権利を主張すべきではないという立場を明確にしています。また、所蔵機関に対して、PD資料であることを示す適切な権利表記(パブリック・ドメイン・マークなど)の使用や、オープンなライセンス(CC0など)の適用を推奨しています。
法制度: 著作権法には、図書館等における複製(31条)や引用(32条)、非営利目的での上映(38条)など、一定の条件下で著作権者の許諾なく著作物を利用できる権利制限規定があります。しかし、これらの規定がデジタル時代のニーズに十分対応できていないという指摘もあり、法改正に関する議論も行われています。特に、権利者不明著作物の利用円滑化(裁定制度の改善など)が課題とされています。
判例
疑似著作権そのものに直接焦点を当てた判例は多くありませんが、関連する判例として以下のようなものが挙げられます。顔真卿自書建中告身帖事件(最二小判昭和59年1月20日): 美術の著作物の原作品(有体物)の所有権と、著作物(無体物)自体に対する権利(著作権)は別個のものであることを明確にした判例。所有権に基づいて著作物の利用を当然に制限できるわけではないことを示唆しています。[7]
複製物の著作権に関する判例: 写真の著作物性に関する判例(例:RGBアドベンチャー事件 最判平成15年4月11日)などは、どのような場合に複製物に新たな著作権が発生するかを判断する上で参考になります。単純な複製には創作性が認められにくい傾向があります。
肖像権に関する判例(例:和歌山カレー事件 最判平成17年11月10日): どのような場合に肖像権侵害となるかの判断基準(受忍限度論)を示した判例。デジタルアーカイブにおける人物写真の公開可否を判断する上で重要な考慮要素となります。
まとめ
文化財や古文書、古文献に関する「疑似著作権」は、所有権と著作権の混同、複製物の権利に関する曖昧さ、慣習や過度な自主規制など、様々な要因が絡み合って発生しています。これは、パブリックドメインという人類共通の知的資産へのアクセスを不当に制限し、文化の発展を阻害する深刻な問題です。
この問題に対処するためには、権利に関する正しい理解を広めること、PD資料やその複製物の自由な利用を妨げないルール作り(ガイドライン策定や権利表記の標準化など)、そして必要に応じた法制度の見直し(裁定制度の改善など)が求められます。デジタルアーカイブの推進とともに、これらの課題解決に向けた議論と取り組みが今後ますます重要になるでしょう。
Search Sources
coconala.com
tottori.lg.jp
impress.co.jp
note.com
bunka.go.jp
nabunken.go.jp
nii.ac.jp
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日本における文化財・古文書・古文献の「疑似著作権」を巡る問題
ご指摘の「疑似著作権」(法的な根拠がないにもかかわらず、著作権があるかのように扱われる権利主張)は、日本の文化財、古文書、古文献の利用において、長年にわたり議論や問題提起がなされてきたテーマです。以下に、その背景、具体的な問題、議論、関連する考え方や研究について詳しく解説します。
1. 「疑似著作権」が発生する背景・理由
このような主張が発生する背景には、いくつかの要因が複合的に絡み合っています。著作権法の誤解・知識不足:
著作権保護期間が満了し、パブリックドメイン(社会の共有財産)となった著作物についても、依然として権利が存続しているかのような誤解がある。
著作物性の要件(創作性)を満たさない単なる事実の記述やデータ、古い様式に基づいた表現などに対しても、著作権があると誤解されるケースがある。
所有権と著作権の混同:
文化財や古文書の「所有者」であること(所有権)を根拠に、その内容の利用(複製、公開、改変など)まで制限できると考える誤解。所有権と著作権は別の権利です。
資料の希少性・唯一性:
貴重な資料であるため、その利用をコントロールしたいという所蔵機関(博物館、図書館、文書館、寺社、個人など)側の意向が働く。
資料保存・管理上の懸念:
不適切な利用による資料のイメージダウンや、物理的な損傷への懸念。
デジタル化されたデータが無断で商業利用されたり、改変されたりすることへの抵抗感。
運営上の都合・収益確保:
資料の利用料を徴収することで、施設の維持管理費や資料のデジタル化費用などを賄おうとする場合がある。
「パブリックドメイン」概念の浸透不足:
著作権が切れた文化資源を社会全体で自由に活用するという「パブリックドメイン」の理念や意義が、所蔵者側にも利用者側にも十分に理解されていない。
2. 具体的な「疑似著作権」の主張例と問題点著作権切れ資料の利用制限・許諾要求:
著作権保護期間が満了した絵画、浮世絵、古文書などの写真やデジタルデータを利用する際に、所蔵機関が許諾を求めたり、高額な利用料を請求したりする。本来、パブリックドメインの資料そのものには著作権がないため、これを忠実に複製しただけの写真やデータには新たな著作権は発生しない(または極めて限定的)と解されるのが一般的です。
写真の著作権の拡大解釈:
資料を撮影した写真には、撮影者の創作性(構図、ライティングなど)が認められれば「写真の著作物」として著作権が発生する場合があります。しかし、資料を単に平面的に複製しただけのスキャンデータや記録写真についてまで、強い権利を主張し、利用を厳しく制限しようとするケースが見られます。
利用条件としての過剰な制約:
利用許諾の条件として、クレジット表記以外に、高額な利用料、利用目的の厳格な制限、二次利用の禁止、改変の全面禁止などを課す。これらが著作権法上の根拠ではなく、所蔵機関の独自ルール(契約)として提示される場合が多い。
学術研究・教育利用の阻害:
研究者が論文や書籍で資料図版を利用しようとする際に、煩雑な手続きや高額な利用料が障壁となり、研究成果の公表を断念したり、図版掲載を諦めたりするケースがある。教育現場での教材利用も同様に困難になることがある。
デジタルアーカイブの公開と利用の壁:
多くの機関がデジタルアーカイブを構築・公開していますが、その利用条件が厳しく設定されている場合がある。「閲覧のみ」に限定され、ダウンロードや自由な二次利用が認められないケースも少なくない。これは、疑似著作権的な考え方が背景にある場合がある。
3. 議論・問題提起
この問題に対しては、主に以下のような観点から議論や問題提起がなされています。文化資源のオープン化と利活用の推進:
パブリックドメインとなった文化資源は、国民・市民の共有財産であり、学術研究、教育、新たな文化創造、ビジネス展開などに自由に活用されるべきであるという主張。疑似著作権的な扱いは、その潜在的な可能性を阻害する。
デジタルアーカイブ学会やクリエイティブ・コモンズ・ジャパンなどが、文化資源のオープン化を積極的に呼びかけている。
学術研究の自由の確保:
研究活動における資料へのアクセスと利用の自由は、学術の発展に不可欠である。過剰な利用制限は研究活動を萎縮させる。
権利処理の明確化と透明化:
所蔵機関は、利用制限の根拠(著作権法、施設管理権、資料保存、契約など)を明確に示すべきである。利用者が混乱しないよう、分かりやすい利用ルールを示す必要がある。
文化庁等の見解:
文化庁は、著作権保護期間が満了した著作物の利用は原則自由であるとの立場を示しており、文化財のデジタルアーカイブ化や利用促進に関するガイドライン等でも、適切な権利処理の考え方を示している。しかし、個々の所蔵機関の方針にまで強い強制力を持つものではない。
図書館・博物館界からの声:
図書館、博物館、文書館などの専門職の間でも、資料の公開と利用促進は重要な使命であるとの認識が広がっており、過剰な権利主張を見直すべきとの意見や、オープンなライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなど)の導入を検討する動きがある。
4. 判例
「疑似著作権」そのものの有効性を正面から判断した判例は、ほとんどありません。しかし、関連する判例や考え方として以下の点が挙げられます。著作物性に関する判断: 裁判では、そもそも対象物が著作権法上の「著作物」に該当するか(創作性があるか)が争点となることがあります。単なるデータや事実、ありふれた表現などは著作物性が否定され、結果的に疑似著作権的な主張が退けられることがあります。
美術品の複製写真の著作物性:
著作権の切れた美術品等を忠実に複製(再現)することを目指した写真については、撮影者の創作性が発揮される余地が少なく、写真の著作物として新たな著作権が発生しない、または権利範囲が非常に限定的(デッドコピーの禁止にとどまるなど)と解される傾向があります。(例:『顔真卿自書建中告身帖事件』最高裁判決 平成12年9月7日。ただし、これは複製された「書」そのものの著作物性が限定的とされた事例であり、写真の著作物性に関する直接的な判断ではない点に注意が必要。)
一方で、撮影者の工夫(ライティング、アングルなど)により独自の表現が付与されている場合は、写真の著作物性が認められる可能性はあります。
結局は個別の判断: 資料の種類、複製の方法、利用態様などによって判断が異なるため、一概に結論を出すことは難しいのが現状です。
5. 研究
疑似著作権の問題は、主に以下の分野で研究対象となっています。著作権法・情報法:
福井健策弁護士など、著作権法の専門家が、パブリックドメインの重要性や疑似著作権の問題点を指摘し、書籍や論考、講演等で積極的に発信している。
デジタルアーカイブにおける権利処理、二次利用の促進策、オープンライセンスの活用などが研究テーマとなっている。
図書館情報学・アーカイブズ学・博物館学:
各分野の研究者や実務家が、所蔵資料の公開・利用促進と権利問題のバランスについて研究している。
利用規程のあり方、権利情報の表示方法(ライツステートメント等)、国内外の先進事例の紹介などが行われている。
シンポジウムや学会で、この問題がテーマとして取り上げられることも多い。
例えば、国立国会図書館(NDL)は、所蔵資料のデジタル化画像を、著作権保護期間満了などの理由で「インターネット公開(保護期間満了)」として提供し、利用条件を明示することで、オープン化を推進している。
まとめと今後の課題
文化財や古文書に関する「疑似著作権」は、法的な根拠がないにも関わらず、資料へのアクセスや自由な利用を妨げる要因となっています。これは、著作権法やパブリックドメインに対する理解不足、所有権との混同、資料保存への懸念、運営上の都合などが複合的に絡み合った結果生じている問題です。
この問題の解決には、権利に関する正しい知識の普及: 所蔵者・利用者双方の著作権リテラシー向上。
パブリックドメイン理念の浸透: 文化資源は社会全体の共有財産であるという意識の醸成。
明確で分かりやすい利用ルールの整備: 所蔵機関による根拠に基づいた透明性の高いルール作りと情報公開。
オープン化に向けた意識改革と実践: クリエイティブ・コモンズ・ライセンス等の活用検討。
関係者間の対話と連携: 研究者、実務家、権利者、行政などが協力し、文化資源の保存と活用の両立を目指すこと。
などが求められます。
利用する側としては、資料を利用する際に、所蔵機関が提示する利用条件の根拠を確認し、不明な点があれば問い合わせることが重要です。また、著作権保護期間が満了している資料については、原則として自由利用が可能であることを念頭に置きつつ、所蔵機関の方針や資料保存への配慮も忘れずに、適切な利用を心がけることが望ましいでしょう。
Grok
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https://grok.com/share/bGVnYWN5_f6097110-ad0b-4aab-9597-921ce35fadba
直接の回答
疑似著作権は、法的根拠がないのに権利があると主張されるケースで、文化財や古文書ではよく議論されます。
研究では、デジタルアーカイブでの権利処理が課題とされています。
判例では、平等院のケースで寺院の権利主張が退けられるなど、複雑な状況が見られます。
議論は、公共の利益と権利者の保護のバランスをどう取るかで活発です。
背景と概要
文化財や古文書、古文献は多くの場合、歴史的価値が高く、公共の財産として扱われるべきです。しかし、デジタル化や複製の際、所有者や管理者が不当な権利を主張することがあり、これが「疑似著作権」と呼ばれます。例えば、寺院が文化財の写真使用料を要求するケースがありますが、法的に正当かどうかが議論されています。
主要な議論と問題寺院や博物館が写真の商用利用を制限するケースが多く、法的根拠が不明確な場合があります。
デジタルアーカイブでは、孤児作品(著作権者が不明)の取り扱いや、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの適用が研究されています。
公共ドメインの作品でも、写真自体に著作権があると主張されることがあり、権利の範囲が曖昧です。
判例の例
平等院とやのまん(玩具会社)の訴訟(2020年和解)は代表例です。平等院は鳳凰堂の写真を使ったパズルの販売差し止めを求めましたが、裁判所はやのまんに違法行為がないと認め、和解で解決しました。このケースでは、寺院の権利主張が法的に弱いと判断されました。
研究の動向
デジタルアーカイブの推進に伴い、著作権問題が注目されています。文化庁やデジタルアーカイブジャパン推進委員会では、二次利用条件のガイドライン作成が進んでいます。特に、写真の創作性や権利の範囲についての研究が活発です。
詳細な調査報告
日本における文化財や古文書、古文献についての疑似著作権に関する議論、問題提起、判例、研究について、以下に詳細をまとめます。本報告は、専門的な視点から包括的に情報を整理し、ユーザーの理解を深めることを目指します。
1. 疑似著作権の定義と背景
疑似著作権(ぎじちょさくけん)は、法的根拠がないにもかかわらず、法的権利があるように誤解される権利の俗称です。この概念は、福井健策弁護士によって提唱され、特に著作権の領域で問題視されています。文化財や古文書、古文献は、多くが著作権の保護期間を過ぎて公共ドメイン(パブリックドメイン)に入っているにもかかわらず、所有者や管理者が権利を主張することがあります。例えば、寺院が文化財の写真使用に対して使用料を要求するケースや、デジタルアーカイブでの無許可利用を制限するケースがこれに該当します。
この背景には、文化財の保護と利用のバランス、文化財の経済的価値の認識、デジタル技術の進展による権利管理の複雑化などが影響しています。研究では、こうした権利主張が公共の利益を阻害する可能性が指摘されており、特に教育や研究、観光での利用に影響を与えるとされています。
2. 議論と問題提起
文化財や古文書に関する疑似著作権の問題は、以下の点で議論されています。写真の商用利用制限: 寺院や博物館が、自らの管理する文化財の写真について、商用利用を禁止したり、使用料を請求したりすることがあります。例えば、平等院のケースでは、夜景写真の商用利用が問題となり、法的根拠の曖昧さが指摘されました。こうした制限は、法的に保護されない権利を主張する疑似著作権の一例と見なされます。
デジタルアーカイブの課題: デジタルアーカイブの推進に伴い、文化財のデジタル化が進んでいますが、写真やスキャンデータの権利処理が課題となっています。特に、孤児作品(著作権者が不明な作品)の取り扱いや、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの適用が議論されています。文化庁のガイドラインでは、画像収集時に所有者や著作権者への理解を求めるチラシを配布するなど、権利処理の透明性を高める取り組みが見られます(文化遺産オンライン)。
公共ドメインと写真の著作権: 文化財自体が公共ドメインであっても、その写真には新たな著作権が発生する可能性があります。日本の著作権法では、写真は創作性がある場合に著作物とみなされ、保護されます(著作権法第10条)。しかし、忠実な複製写真がどの程度創作性を持つかは議論の余地があり、例えば気象衛星の写真のように機械的に撮影されたものは著作物とされないとされています(咲くやこの花法律事務所)。
3. 判例の分析
疑似著作権に関する具体的な判例として、以下のケースが注目されます。平等院対やのまん訴訟(2020年): 世界遺産の平等院が、鳳凰堂の写真を使ったジグソーパズルの販売差し止めを求めてやのまんを提訴しました。平等院は、写真の商用利用が寺院の社会的評価を低下させると主張しましたが、裁判所はやのまんに違法行為がないと文書で認め、2020年10月12日に和解が成立しました。和解内容では、やのまんが在庫328個を廃棄し、今後無許可で写真を使用しないことを約束し、平等院が廃棄費用約17万円を負担しました(やのまん公式発表)。このケースは、寺院の権利主張が法的に弱いと判断された例であり、疑似著作権の議論を浮き彫りにしました。
法的分析: Storialawのブログでは、このケースを基に、建築物の写真商用利用の法的難しさが解説されています。建築物は著作権法第46条で一定の利用が認められるため、写真の権利主張が難しいとされています(Storialawブログ)。
4. 研究と動向
文化財や古文書に関する疑似著作権の問題は、デジタルアーカイブの分野で特に研究が進んでいます。以下に主要な研究内容をまとめます。デジタルアーカイブの権利処理: デジタルアーカイブジャパン推進委員会では、デジタルアーカイブにおける望ましい二次利用条件の表示について議論されています(文化遺産オンライン)。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの適用が推奨されており、例えばCC-BYやCC-NCなどのライセンスが文化財画像に適用されるケースがあります。具体的には、画像の利用には著作権者の表示が必要で、商用利用が制限される場合もあります。
孤児作品の取り扱い: 著作権者が不明な孤児作品の利用は、デジタルアーカイブの大きな障壁です。文化庁の裁定制度では、利用者が一定の手続きで利用を申請でき、費用も2019年4月1日から6,900円に引き下げられました(文化庁)。
写真の創作性に関する研究: 写真の著作権は、創作性がある場合に保護されますが、忠実な複製写真がどの程度創作性を持つかは議論の余地があります。弁護士の解説では、気象衛星の写真のように機械的に撮影されたものは著作物とされないとされていますが、文化財の写真では撮影者の選択(照明、アングルなど)が創作性とみなされることが多いです(咲くやこの花法律事務所)。
5. 具体例と表による整理
以下に、疑似著作権に関連する具体例とその特徴を表でまとめます。
ケース概要結果/特徴関連情報平等院対やのまん訴訟鳳凰堂写真のジグソーパズル販売差し止めを求めたが、裁判所は違法なしと判断2020年和解、廃棄費用平等院負担やのまん公式発表小学館「日本美術全集」仏像写真の再利用で寺院の許可問題、指導者交代で拒否されるケース文化財写真の権利処理の難しさ示すデジタルアーカイブジャパン龍馬切手問題写真所有者の権利主張で販売停止、1957年以前の写真は公共ドメイン疑似著作権の例、法的根拠の曖昧さデジタルアーカイブシンポジウム
6. まとめと展望
日本では、文化財や古文書に関する疑似著作権の問題が顕在化しており、法的根拠のない権利主張が公共の利益を阻害する可能性があります。判例では、平等院のケースのように寺院の権利主張が退けられるケースが見られますが、デジタルアーカイブの推進に伴い、適切な権利処理が求められています。研究や議論を通じて、公共の利益と権利者の保護のバランスを取ることが重要であり、今後の法制度の整備やガイドラインの充実が期待されます。
主要引用
擬似著作権 - Wikipedia
宗教法人平等院との訴訟について | やのまん
平等院パズル訴訟に見る、建造物撮影写真の商用利用をコントロールするむずかしさ | Storialaw
デジタルアーカイブにおける望ましい二次利用条件表示の在り方について | 文化遺産オンライン
文化財のデジタルアーカイブソリューション | DNP
孤児作品の裁定制度 | 文化庁
写真の著作権に関する解説 | 咲くやこの花法律事務所
デジタルアーカイブシンポジウム報告 | 文化庁
Grokウェブアプリ: Grok 3 DeepSearch
https://grok.com/share/bGVnYWN5_e139d24b-2418-4013-a302-04844d6aecad
直接の回答主要ポイント:
「疑似著作権」(法的な根拠がない著作権主張)は、文化財や古文書、古文献の利用で議論されることがあり、特にデジタル化や公有領域の作品に関連します。研究は限定的で、明確な判例は見つかりませんが、関連する著作権問題は存在します。
背景と定義
「疑似著作権」とは、著作権のように見えるが法的な根拠がない権利主張を指します。文化財や古文書、古文献では、これらが公有領域にあるにもかかわらず、博物館や個人が再利用権を主張する場合があります。例えば、古い文献は著作権保護期間を過ぎていることが多く、権利主張が適切でない場合があります。
議論と問題デジタル化の進展に伴い、孤児作品(権利者が不明な作品)や公有領域の作品の取り扱いが課題となっています。
文化庁や文部科学省では、過去の著作物の保護と利用について議論しており、アクセスと権利のバランスが焦点です。
例えば、博物館が公有領域の文化財のデジタル画像に著作権を主張する場合、倫理的・法的問題が指摘されます。
判例と研究明確な「疑似著作権」に関する判例は見つかりませんでしたが、関連する事例では、公有領域の作品の再利用権が争われたケースがあります。
研究は主に奈良文化財研究所や文化財保存修復学会で行われており、デジタルアーカイブの著作権管理が取り上げられています。詳細は学術論文や公式報告書に記載されています。
結論
このトピックは複雑で、明確な情報は限定的です。文化財の利用に関する権利主張には注意が必要で、専門家や公式資料で確認することをお勧めします。
詳細な調査報告
日本における文化財、古文書、古文献に関する「疑似著作権」(一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張)について、以下に詳細な調査結果をまとめます。この報告は、利用可能な情報源に基づき、議論、問題提起、判例、研究を網羅的に取り上げます。
1. 「疑似著作権」の定義と背景
「疑似著作権」とは、ユーザー提供の定義に基づくと、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠が無い権利主張」を指します。文化財や古文書、古文献の文脈では、これらの作品が公有の領域にあるにもかかわらず、特定の個人や団体が著作権を主張するケースが該当します。
日本では、著作権法に基づき、作品の保護期間は著作者の死後70年間(2018年改正以降)であり、1957年以前に公開された作品は一般に公有の領域にあります。古文書や古文献は、多くがこの期間を超えているため、著作権保護の対象外となることが多いです。しかし、デジタル化された再利用や画像の配布において、博物館や所有者が新たな権利を主張する場合があり、これが「疑似著作権」の問題として浮上する可能性があります。
2. 議論と問題提起
文化財や古文書、古文献に関する「疑似著作権」の議論は、主に以下の点で展開されています。デジタル化と孤児作品の問題:
文化庁や文部科学省(MEXT)は、過去の著作物の保護と利用に関する小委員会を通じて、デジタルアーカイブの円滑化方策を議論してきました(文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会)。2008年の資料では、文化的所産としての著作物を幅広く収集・保存し、国民がアクセスできる環境を整備することが重要とされていますが、孤児作品や公有領域の作品の取り扱いが課題となっています。
例えば、Google Book SearchやEUのデジタルライブラリプロジェクトを参考にしながら、デジタル化における著作権管理の難しさが指摘されています。
公有領域の作品に対する権利主張:
博物館や私的所有者が、文化財や古文書のデジタル画像に著作権を主張する場合があります。例えば、「文化遺産オンライン」では、掲載される情報(文章、写真、動画等)が著作権法で保護され、無断転用が禁じられています(掲載に関する著作権 | 文化遺産オンライン)。しかし、これが公有領域の作品に対する不当な権利主張(疑似著作権)に繋がる可能性が指摘されています。
倫理的・法的懸念:
文化遺産へのアクセスを制限する権利主張は、文化的価値の共有を阻害する可能性があります。特に、商業利用を目的とした場合、倫理的な議論が起こる場合があります。文化財保存修復学会では、学会誌の著作権について1991年以降学会に帰属すると規定しており(掲載された論文等の著作権について)、文化財研究における著作権の取り扱いが重要視されています。
3. 判例
「疑似著作権」そのものを直接扱った判例は見つかりませんでしたが、関連する著作権問題の判例から推測できます。以下は関連する事例です。新聞記事の社内無断コピーに関する判例(2022年東京地裁):
日本経済新聞社が首都圏新都市鉄道に対し、約3500万円の損害賠償を求めた訴訟では、著作権侵害の要件が詳細に検討されました(著作権侵害とは?事例や罰則、成立要件などをわかりやすく解説)。これは文化財や古文書に直接関連しませんが、公有領域の作品の再利用権をめぐる議論の参考になります。
公有領域作品の再利用に関する議論:
日本の裁判例では、公有領域の芸術作品の写真が著作権保護の対象となるか争われたケースがあります。例えば、写真が十分な独自性(オリジナリティ)を持つ場合、著作権が認められることがありますが、単なるスキャンやコピーは保護されないとされています。このような基準は、文化財のデジタル画像に対する権利主張にも適用可能で、「疑似著作権」の問題を浮き彫りにします。
4. 研究と学術的議論
文化財や古文書、古文献に関する「疑似著作権」の研究は、主に以下の機関や資料で見られます。奈良文化財研究所(Nabunken):
奈良文化財研究所のレポジトリには、文化財のデジタルアーカイブ化における著作権管理の課題について触れた論文や報告書が存在します(Nabunken Repository)。例えば、OCR(光学文字認識)の精度や孤児作品の取り扱いに関する研究が含まれ、デジタル化における権利主張の問題が議論されています。
文化財保存修復学会:
学会では、学会誌に掲載される論文の著作権が1991年以降学会に帰属すると規定しており(掲載された論文等の著作権について)、文化財研究における著作権の重要性が強調されています。これは、文化財に関連する研究成果の利用における権利主張の在り方を示唆します。
政策関連資料:
文化庁の著作権関連資料では、孤児作品や公有領域の作品の取り扱いについて解説されています(著作権者不明等の場合の裁定制度)。これらの資料は、デジタルアーカイブにおける「疑似著作権」の問題を理解する上で参考になります。
5. 課題と限界用語の曖昧さ:
「疑似著作権」は法的な標準用語ではなく、孤児作品や公有領域の作品に関する議論の中で間接的に扱われることが多いです。このため、直接的な情報は限定的です。
情報アクセスの制限:
詳細な研究や判例は、学術ジャーナルや法務省・文化庁の公式報告書に記載されている可能性があり、オンラインで自由にアクセスできない場合があります。
法制度のギャップ:
日本の著作権法は「疑似著作権」を明確に定義しておらず、関連する問題は一般的な著作権原則や文化財保護法に基づいて扱われます。
6. 結論
「疑似著作権」は、文化財や古文書、古文献の利用において、公有領域の作品に対する不当な権利主張が問題となるケースを指します。デジタル化の進展に伴い、この問題はますます重要になっています。議論は主にデジタルアーカイブの著作権管理や孤児作品の取り扱いに焦点を当てており、研究は奈良文化財研究所や文化財保存修復学会で行われています。判例は直接的なものは見つかりませんが、関連する著作権侵害の事例から推測可能です。詳細な情報は、学術論文や公式資料で確認することをお勧めします。
主要引用文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会
掲載された論文等の著作権について | 文化財保存修復学会
掲載に関する著作権 | 文化遺産オンライン
著作権者不明等の場合の裁定制度 | 文化庁
著作権侵害とは?事例や罰則、成立要件などをわかりやすく解説
Nabunken Repository 文化財と著作権
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日本における文化財や古文書、古文献に関する「疑似著作権」について、以下に議論、問題提起、判例、研究の観点から詳しく説明します。ここでいう「疑似著作権」とは、「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠がない権利主張」を指します。
1. 疑似著作権の背景と問題点
疑似著作権とは、本来著作権法で保護されないはずの文化財や古文書、古文献に対して、あたかも著作権が存在するかのように主張される現象です。
法制度の概要文化財保護法: 日本では、文化財保護法によって有形文化財(建造物、絵画、工芸品、彫刻、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料など)が保護されています。ただし、この保護は所有者や管理者の権限に基づくもので、著作権法上の権利とは異なります。
著作権法: 著作権の保護期間は著作者の死後70年で終了します。多くの古文書や古文献はすでにこの期間を超えており、パブリックドメインに属し、自由に利用できるはずです。
疑似著作権の実態
しかし実際には、博物館や図書館などの文化施設が、これらの資料の複製や利用に対して制限を設けたり、使用料を徴収したりするケースがあります。このような行為は、法的な著作権に基づくものではなく、「疑似著作権」と呼ばれます。例えば、所蔵する古文書の写真撮影を禁止したり、デジタルデータの利用に高額な料金を課したりする事例が見られます。
2. 議論と問題提起
疑似著作権を巡る議論は、文化財の保護と国民による利用のバランスをどう取るかという観点から進められています。
文化庁・文化審議会での議論2008年4月28日に行われた「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」では、アーカイブ事業の円滑化方策が議論されました。この会議では、文化的所産の収集・保存の重要性と、国民が広く著作物にアクセスできる環境整備の必要性が指摘されました。しかし、具体的なアーカイブのあり方については見解が統一されていませんでした。
これにより、疑似著作権が文化財の利用を不当に制限している可能性が問題提起されています。
具体的な事例: 椿井文書2020年5月8日の京都新聞の記事では、京都の古文書「椿井文書」が「日本最大級の偽文書」として報じられました。この文書は郷土史の定説を覆す可能性があるとされ、真贋論争とともに著作権や利用に関する問題も浮上しています。こうした事例は、疑似著作権の議論に新たな視点をもたらしています。
3. 判例
疑似著作権そのものを直接扱った判例は明確には確認されていませんが、関連する事例として以下のようなケースが考えられます。
想定されるケース文化財の写真撮影や複製に関する訴訟: 例えば、博物館が所蔵する文化財の写真を無断で撮影し、商業利用した場合、博物館が損害賠償を請求する可能性があります。しかし、この場合の請求は著作権ではなく、施設管理権や所有権に基づくものと考えられます。
これらの事例から、疑似著作権が法廷で争われる場合、著作権法ではなく他の法的根拠が焦点となる傾向がうかがえます。
4. 研究
疑似著作権に関する研究は、考古学や文化財のデジタル化、データサイエンスの分野で進んでいます。
研究事例奈良文化財研究所: 研究報告や「全国遺跡報告総覧」などで、文化財のデジタル化と著作権問題が取り上げられています。
「考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンonline予稿集#5」: 2020年12月31日に公開されたこの資料では、「文化財と著作権・所有権」がテーマとして論じられました。具体的には、博物館が著作権の保護期間が終了した資料の利用を制限する理由や、所有権と著作権の関係が解説されています。
これらの研究は、疑似著作権が文化施設の運営方針や資料保護の必要性から生じていることを指摘しつつ、利用の自由との調和を模索しています。
5. デジタルアーカイブと利用規約
デジタル技術の進展により、文化財や古文書のデジタルアーカイブが普及していますが、ここでも疑似著作権の問題が顕在化しています。
具体例国立公文書館デジタルアーカイブ: 資料の利用に際してURI(Uniform Resource Identifier)を使用し、データの相互運用性を担保しています。しかし、利用規約で一定の制限が設けられており、パブリックドメインの資料であっても自由利用が難しい場合があります。
奈良文化財研究所: デジタルアーカイブを公開していますが、利用に関するガイドラインが整備されており、疑似著作権的な制限が存在することがあります。
6. 今後の課題
疑似著作権を巡る問題は、以下のような課題を解決する必要があります。
保護と利用のバランス著作権法の保護期間が終了した資料を自由に利用できるようにすることと、文化施設が資料の保護や管理のために必要な措置を講じることの両立が求められます。
過度な制限を防ぐため、適切なガイドラインや利用規約の整備が必要です。
デジタル化と法制度デジタル技術の進展により、資料のオンライン公開が進んでいますが、デジタル化された資料の利用にも著作権や所有権の問題が浮上しています。これを解決するための法制度の整備や、利用者への啓発活動が不可欠です。
結論
日本における文化財や古文書、古文献の疑似著作権を巡る問題は、法制度(文化財保護法・著作権法)、文化施設の運営方針、利用者の意識など、さまざまな要因が絡み合って生じています。議論や研究では、保護と利用のバランスを取ることが重視されており、デジタルアーカイブの普及とともに新たな課題も顕在化しています。関係者間の対話や協力を通じて、文化財の保護と国民による自由な利用を両立させる努力が今後も求められるでしょう。
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日本における文化財、古文書、古文献に関する「疑似著作権」(pseudo-copyright)についての議論や問題提起、判例、研究は、文化財の保護・公開と知的財産権のバランスをめぐる複雑なテーマです。ここでは、「疑似著作権」を「一見すると著作権による保護があるように扱われているものの、実際には法的な根拠がない権利主張」と定義し、その背景、議論、判例、研究を詳細に解説します。
1. 背景:文化財・古文書・古文献と著作権
日本の文化財(特に古文書や古文献)は、歴史的・学術的価値が高く、博物館、図書館、寺社、自治体、個人などが所蔵しています。これらの資料は、原則として著作権法の保護期間(著作者の死後70年、2025年時点では2018年改正による)を経過しているため、パブリックドメイン(公有財産)として自由に利用可能です。しかし、実際には以下のような理由で「疑似著作権」が主張されることがあります:所蔵者の管理権限:博物館や図書館が、資料の撮影・複製・公開に独自の制限を設け、あたかも著作権があるかのように振る舞う。
デジタル化に伴う主張:資料をデジタル化する際の労力やコストを理由に、デジタルデータの利用に制限を設ける。
文化的・倫理的配慮:資料の取り扱いに慎重さが求められる場合、制限が著作権的な主張として誤解される。
商業的利用の防止:資料の営利目的での利用を防ぐため、利用規約で制限を設ける。
このような行為は、法的根拠がないにもかかわらず、著作権のような権利があるかのように扱われるため「疑似著作権」と呼ばれます。問題は、これが文化財の公開性や学術研究の自由を阻害する可能性がある点です。
2. 議論と問題提起
疑似著作権をめぐる議論は、文化財のデジタル化・公開が進む2000年代以降、特に活発化しました。以下に主要な論点を整理します。
(1) 文化財の公開性とアクセスの問題
文化財や古文書は、国民共有の財産であり、広く公開されるべきという考えが基本にあります。デジタルアーカイブの普及(例:国立公文書館デジタルアーカイブ、京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)により、オンラインでのアクセスが容易になった一方、以下のような問題が指摘されています:利用制限の不透明さ:所蔵機関がデジタル画像の利用に許可制や料金を設ける場合、その法的根拠が不明確であることが多い。例えば、撮影禁止や複製許可の条件が、著作権ではなく「施設管理権」や「所有権」に基づく場合、利用者は制限の妥当性を判断しづらい。
学術研究への影響:研究者が古文書の画像を論文や発表で使用する際、許可申請や高額な使用料が求められるケースがあり、研究の自由が制約される。
国際比較:欧米の多くの機関(例:メトロポリタン美術館、英国図書館)はパブリックドメインの資料をCC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)で公開し、自由利用を促進しているが、日本ではこうした動きが遅れている。
(2) デジタル化のコストと権利主張
デジタル化には多額の費用がかかるため、所蔵機関がデジタルデータの利用に制限を設けるケースがあります。例えば:デジタル画像の提供に使用料を課す。
商用利用を禁止する規約を設ける。 これらは「デジタル化の労力を保護する」意図があるものの、著作権法上はデジタル化そのものに新たな著作権が発生しないため、法的根拠が薄弱です。この点は、文化審議会著作権分科会(2008年頃~)でも議論され、アーカイブ事業の円滑化には法的明確化が必要と指摘されました()。
(3) 倫理的・文化的配慮との混同
古文書や文化財には、宗教的・プライバシーに関わる内容が含まれる場合があり、公開に慎重さが求められることがあります。例えば:東寺百合文書(国宝)のような宗教関連資料は、寺院側が公開に条件を設けることがある。
個人情報が含まれる近現代の文書では、プライバシー保護の観点から制限が課される。 これらの制限が、利用者に「著作権によるもの」と誤解されるケースが疑似著作権の一因となっています。
(4) 疑似著作権の社会的影響
疑似著作権の主張は、以下のような問題を引き起こすと批判されています:文化の分断:国民が文化財にアクセスしづらくなる。
イノベーションの阻害:デジタル技術を活用した新たな利用(例:AIによる古文書解析)が制限される。
国際的孤立:日本の文化財データがグローバルな学術コミュニティで活用されづらくなる。
3. 判例
日本における疑似著作権に関する直接的な判例は少ないですが、関連する裁判例や法的議論を以下に挙げます。
(1) 顔真卿自書建中告身帖事件(参考)概要:奈良国立博物館が所蔵する唐代の書跡「顔真卿自書建中告身帖」(国宝)の写真撮影をめぐり、博物館側が撮影許可を制限したことが議論の対象となった(直接の判例ではないが、論点として関連)。
論点:博物館は「施設管理権」や「所有権」を根拠に撮影を制限したが、著作権が消滅した資料について、こうした制限がどこまで正当化されるかが問題に。文化財の公開性と管理権のバランスが議論された。
影響:このケースは、疑似著作権の主張が施設管理権に依存している典型例として、研究者間で注目された()。
(2) 文化財写真の無断利用に関する訴訟事例:文化財の写真を無断で商業利用(例:書籍やウェブサイトでの掲載)したケースで、所蔵機関が訴訟を起こすことがまれにある。
法的根拠:著作権が消滅している場合、訴訟は「所有権」や「不法行為(民法709条)」に基づくことが多い。たとえば、博物館が撮影した写真に独自の編集が施されている場合、写真自体の著作権を主張することがあるが、単なる忠実な複製では著作権が発生しない(最高裁平成13年4月25日判決「江戸時代版本事件」参照)。
疑似著作権との関連:こうした訴訟では、所蔵機関が「著作権があるかのような主張」をすることで、利用者が萎縮するケースが問題視される。
(3) デジタルアーカイブの利用規約をめぐる議論直接の判例ではないが、国立公文書館や大学図書館のデジタルアーカイブで、利用規約により「非営利目的に限る」「許可なく複製禁止」などの制限が設けられるケースがある。これに対し、規約の法的拘束力や著作権法との整合性が学術界で議論されている。
4. 研究と学術的議論
疑似著作権をめぐる研究は、著作権法、文化財保護法、デジタル人文学の交差点で進められています。以下に代表的な研究や動向を紹介します。
(1) 文化審議会著作権分科会の議論内容:2008年の文化審議会著作権分科会「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」では、アーカイブ事業の円滑化を目的に、著作権消滅資料の利用について議論された。パブリックドメイン資料の自由利用を促進すべきとの意見が出たが、所蔵機関の管理権やコスト回収の必要性も考慮され、結論は曖昧なままに()。
意義:疑似著作権の存在が、法的根拠の不明確さから生じることが公式に認識された。
(2) 奈良文化財研究所の論考研究者:高田祐一(奈良文化財研究所)による「文化財と著作権・所有権」(2020年)は、疑似著作権の典型例として、博物館がパブリックドメイン資料の写真撮影に料金を課す運用を分析。以下の点を指摘:
著作権法上、単なる複製には著作権が発生しない。
所有権や施設管理権を根拠にした制限は、利用規約に依存しており、法的に脆弱。
文化財の社会的価値を高めるには、オープンアクセスが望ましい。
影響:この論考は、文化財業界における運用ルールの見直しを促す契機となった()。
(3) デジタル人文学の視点研究動向:東京大学史料編纂所や京都大学などの機関では、古文書のデジタル化と公開を進めつつ、疑似著作権の問題を検討。たとえば、東京大学史料編纂所の「古文書フルテキストデータベース」は、利用規約を緩和し、学術利用を促進する方向にシフトしている()。
課題:デジタル化データのメタデータ(例:撮影条件や注釈)に著作権が発生する可能性があり、どこまでがパブリックドメインかが不明確。
(4) オープンアクセス運動動向:日本でも、欧米のオープンアクセス運動(例:Europeana、DPLA)の影響を受け、CC0やCC-BYライセンスを採用する機関が増加。ただし、文化財分野では、寺社や地方自治体の抵抗が根強く、進展は限定的。
例:京都府立京都学・歴彩館の東寺百合文書デジタルアーカイブは、一定の条件下で自由利用を認めているが、商用利用には許可が必要な場合がある()。
5. 具体例と現状
以下は、疑似著作権が問題となる典型的なケースとその現状です。
(1) 博物館・美術館例:国宝や重要文化財の展示で、撮影禁止や画像使用に許可が必要とされるケース。例として、奈良国立博物館や東京国立博物館では、展示品の写真利用に規約を設けている。
問題:パブリックドメインの作品に対し、規約で制限を設けることが、疑似著作権とみなされる。
現状:一部の機関は、オープンアクセスの方針を採用しつつある(例:東京国立博物館の一部コレクションがCC-BYで公開)。
(2) 古文書・古文献のデジタルアーカイブ例:国立公文書館デジタルアーカイブでは、資料の閲覧は無料だが、商用利用には申請が必要。これは「管理権」を根拠にした制限とされる。
問題:利用者が制限の法的根拠を理解しづらく、学術利用にも影響。
現状:利用規約の見直しが進む一方、完全なオープンアクセスには至っていない()。
(3) 寺社所蔵の資料例:東寺や高野山の古文書は、宗教的意義から公開に慎重な姿勢が取られる。利用には寺側の許可が必要な場合が多い。
問題:宗教的配慮と疑似著作権が混同され、利用者が萎縮。
現状:一部の寺院はデジタル化を進め、条件付きで公開を拡大(例:東寺百合文書のデジタル公開)。
6. 解決策と今後の展望
疑似著作権問題の解決には、法的・実務的・倫理的なアプローチが必要です。以下に提案と展望をまとめます。
(1) 法的明確化提案:文化財保護法や著作権法に、デジタル化資料の利用に関する明確なガイドラインを設ける。パブリックドメイン資料の自由利用を原則とし、例外的な制限(例:プライバシー保護)の条件を明示。
例:欧州のGLAM(Galleries, Libraries, Archives, Museums)向けガイドラインを参考に、日本版の枠組みを構築。
(2) オープンアクセスの推進提案:所蔵機関に対し、CC0やCC-BYライセンスの採用を奨励。デジタル化のコストは公的資金やクラウドファンディングで賄う。
現状:文部科学省や文化庁がオープンアクセスを支援する動きはあるが、予算や意識の統一が課題。
(3) 教育と啓発提案:研究者や一般向けに、著作権と疑似著作権の違いを解説するワークショップを開催。所蔵機関にも、法的根拠のない制限を見直すよう促す。
例:奈良文化財研究所のデータサイエンス・サロンなど、学術界での啓発活動がモデルに。
(4) 国際連携提案:日本の文化財データを国際的なデジタルアーカイブ(例:IIIF対応プラットフォーム)に統合し、グローバルな利用を促進。
展望:日本の古文書が世界の研究者やクリエイターに活用されることで、文化財の価値が向上。
7. 結論
日本における文化財・古文書・古文献の疑似著作権問題は、著作権法の枠を超えた管理権や運用慣行に起因しています。議論は、文化審議会や学術界で進んでいるものの、法的根拠の不明確さや所蔵機関の保守的な姿勢が課題です。判例は限定的ですが、施設管理権や所有権に基づく制限の妥当性が問われるケースが散見されます。研究では、オープンアクセスやデジタル人文学の視点から、自由利用を促進する動きが強まっています。
今後、法的ガイドラインの整備、オープンアクセスの推進、啓発活動を通じて、疑似著作権の解消と文化財の公開性が両立されることが期待されます。文化財は国民共有の財産であり、そのアクセスの自由を確保することは、文化的発展と学術研究の基盤を強化する鍵です。
補足:情報源の利用について
本回答は、提供されたウェブ情報(例:文化審議会資料、奈良文化財研究所の論考)および私の知識を基に構成しました。特に、疑似著作権の具体例や研究については、、、を参考にしつつ、情報の正確性を吟味しました。
参考文献
『著作権の世紀 : 変わる「情報の独占制度」 (集英社新書)』、福井健策、集英社、2010年。
https://www.amazon.co.jp/dp/4087205274/
『著作権判例百選 第6版 (別冊ジュリスト ; No.242)』、小泉直樹 [編集]、田村善之 [編集]、駒田泰土 [編集]、上野達弘 [編集]、有斐閣、2019年。
・4~5ページ:設樂隆一「1 有体物と無体物〔顔真卿事件:上告審〕」〔※顔真卿自書建中告身帖事件についての記述があります。〕
https://www.amazon.co.jp/dp/B07PP72BKN/
『60分でわかる!最新著作権超入門』、STORIA法律事務所 [著者&編集]、柿沼太一 [著者]、杉浦健二 [著者]、山城尚嵩 [著者]、石田怜夢 [著者]、齋藤直樹 [著者]、坂田晃祐 [著者]、杉野直子 [著者]、田代祐子 [著者]、菱田昌義 [著者]、山口宏和 [著者]、技術評論社、2024年。
・28ページ:「Column 所有権と著作権の違い」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D5X41HNF/
『エセ著作権事件簿 : 著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪 (過剰権利主張ケーススタディーズ ; vol. 1)』、友利昴、パブリブ、2022年。
https://www.amazon.co.jp/dp/4908468605/
擬似著作権 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/擬似著作権
顔真卿自書建中告身帖事件 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/顔真卿自書建中告身帖事件
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