人権政策確立の現状と課題をテーマに意見を交わした分科会=長崎市の出島メッセ長崎

 「部落解放・人権確立第44回全九州研究集会」は最終日の30日、長崎市内で六つの分科会を開いた。人権政策確立をテーマにした分科会では、出自などを基に判断する就職差別やインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷が絶えない現状を巡って意見を交わした。

 福岡県高校人権・同和教育研究協議会の吉田和徳さんは、新規高卒者用の履歴書「統一応募用紙」について報告し、就職差別につながる恐れがある本籍や家族などに関する欄がこれまでになくなり、本年度から性別欄が削除されたことを説明した。一方、同県内で面接時の不適切な質問や内定後の身元調査などが続いているとし、「見逃さずに実態をつかみ、制度や法令につなげたい」と強調した。

 ネット上の誹謗中傷を巡っては、プラットフォーム事業者に投稿への迅速な対応を義務付ける情報流通プラットフォーム対処法が4月に施行された。部落解放同盟九州地方協議会の吉岡正博事務局長は、同法に関して説明し、「まだまだ取り組みを強化していく必要があり、事業者が真剣にやってくれるかが問題。身元調査や就職差別、ネット上の差別など具体的に存在するものから規制していくべき」と指摘した。(円田浩二)