悪戦苦闘の備忘録…Ubuntuを弄って2週間
前書き
少し前に騒ぎになったWindows 11アップデート対象のCPUの一件以来、Microsoftへの依存度を下げる必要性を感じ、以前から少し興味があったLinuxに手を出してみることにしました。私はコンピューターに疎いので、無難にUbuntu 22.04を選び、外付けSSDにインストールしてデュアルブート環境を試しています。UbuntuはWindowsと共存するように入れることも簡単に出来ますが、何かトラブルが発生して両方とも起動しなくなるのが怖いので、着脱可能な媒体を用いることにしました。これで操作に慣れることが出来たら、今使用中のパソコンを2025年以降も使い続けたいと考えています。
私は写真のRAW現像を除けば、基本的にネットサーフィンとWord及びExcelくらいしか使わない典型的なライトユーザーですが、慣れ親しんだウィンドウズとは様子が違うので戸惑う場面も多いです。2週間余り経ってだいぶ慣れてきた一方、トラブルも少なからずあったので、個人的備忘録として幾つか覚え書きを記しておきたいと思います。
良かったことその1…CPUの温度
UbuntuはWindowsより軽い、いやUbuntuは昔に比べてだいぶ重くなった等々、意見の分かれるところではありますが、私個人としては特段どちらの動作が早い・遅いという印象はありません。ただ、確実に言えるのは、Ubuntuの時の方がCPUの温度が低いということです。画像赤枠で示した通り、最高温度はClamTKのウイルスチェック時で、せいぜい70℃余り。基本的には作業中でも40℃前後で、この季節は自室で作業していると明らかに室温が上がりにくく感じます。温度が低いということは、CPUへの負荷も小さいということでしょう。
こちらはWindows 10。ウイルスチェック時はお湯が沸きそうな値で、それ以外の時でも50~70℃前後。40℃を切ったのは、作業をすべて終了して10分間ほど放置した後で、それも一瞬だけ。非力なCPUを積んでいるから仕方がないとはいえ、機械の寿命を縮めそうな温度です。作業がもたつくような印象は無いのですが、ちょっと不安になる数値ですね。
良かったことその2…Windowsとさほど変わらない操作性
ちょっと懸念していた操作性ですが、Windowsのユーザーを取り込むためか、直感的で一見分かりやすく出来ています。コピーや貼り付けといったショートカットキーも、ターミナルでコマンドを入力するときなどを除けば、基本的にどれも通用します。マウスも特段の設定なしに使えますが、私の場合は初期状態だとタッチパッドが何故か全く反応しなかったことから、一工夫加える必要がありました。
WordやExcelに代わる、Libre Officeの使い勝手もまずまずです。複雑な図表を用いると表示が乱れる等の話は聞きますが、私は日本語と英語の文章を入力し、せいぜい文字の大きさを変えたり脚注を付したりする程度ですから、今のところ何の問題も起きていません。互換性も大丈夫です。
苦労したことその1…日本語の取り扱い
仕方がないこととはいえ、日本語を念頭において開発されていないため、不自然な訳が散見されます。大したことは無いようですが、個人的に気に食わなかったのは、「火 July20日 2022年」という日付表示。コマンドを入力して手直しすることも出来るようですが、他にも細かいところで日本語表記に違和感を覚えたので、早々に見切りをつけてメニュー等は英語で使うことにしました。
より面倒だったのは入力です。まず、キーボード設定でJapaneseを選んだところで、日本語キーボードの配置を認識するだけの話で、キーを押しても出てくるのは英数字のまま。そこで、別途日本語入力システムが必要なのですが、標準のibus-mozcが本当に使い物にならない。数分おきにクラッシュして突然日本語が打てなくなり、英数字だけしか入れられなくなること数十回。ターミナルでmozcを再起動すれば復活するも、数分後には元の木阿弥。再インストールしてみたり、ターミナルで色々弄ってみたものの、一向に改善する気配なし。業を煮やしてfcitx-mozcに乗り換えたところ、今のところは概ね問題なく機能しています。
あと困るのが、ネット上で何か情報が無いか検索すると、非常に高確率で機械翻訳で日本語が崩壊したサイトが出てくることです。おかげで、日本語の出来る人間が書いたサイトやブログを探り当てるのにちょっと手間がかかります。訳の分からない文章を載せるなら、最初から機械など通さず英語のままにしておいて欲しいですね。
苦労したことその2…ショートカットの作成
デスクトップにショートカットを置くという発想自体、本来はWindowsに特有のものだ…と誰かが言っていましたが、それでもワンクリック(というかダブルクリック)でフォルダを開けないと実に不便。Windowsが入っている内蔵SSDにある作業フォルダにアクセスして、WindowsとUbuntu両方で作業が出来るようにしたかったので、頑張ってショートカットを作りました。正確には「シンボリックリンク」というヤツです。
ところが、このシンボリックリンクが曲者で、シャットダウンと共に使えなくなります。従って、スリープはまだしも電源を入れ直した場合は、またいちいち作り直さなければなりません。いちいちターミナルにコマンドを入れるのは面倒この上ないので、テキストエディタに必要なコマンドを書き込んで半自動で実行出来るようにしておきました。
しかし、それでもうまくシンボリックリンクが繋がらないことが続出。どうやら、当該メディア(この場合は内蔵SSD)に一度アクセスした後でないと、シンボリックリンクの作成はうまくいかないようです。ということで、電源を入れた後は一度SSDの中を開き、すぐに閉じてからコマンドを半自動で実行するという手順をとるようにしました。
苦労したことその3…起動不能のエラー
ある日、どうもアプリケーションの挙動がおかしいと感じたため、いったん再起動することに。そうしたら、小さな文字列が画面に表示されたまま、起動が止まってしまいました。こういう画面を見ると一瞬ギョッとしてしまうのは、コンピューターに疎い文系人間の性でしょうか。initramfsが云々と書いてあり、ネットで検索をかけてみると、exitあるいはrebootと入力してEnterキーを押せば勝手に修復が始まるというようなことが書かれているものの、私の場合は何の動きもありませんでした。もう少しネットを探してみると、fsck /dev/sda1だの2だの入れると良いと書いてありましたが、こちらも何の反応もなし。メッセージが一言も出ずに次の行がポッと出てくるだけというのは不安なものです。
で、結局どうしたかというと、help(赤線)と入れて意味が分からない文章を一瞥し、続いてexitと入れてみると、ようやく何やら原因の手掛かりになる文章が現れました。読めば、/dev/sda2に問題があるとの由(黄線)。そこで、画面の指示に従ってfsck /dev/sda2と入力し、あとはチェック項目につき逐一承認を求められるので、適当にyキーを連打しておいたところ、直ったとの表示が。ここでもう一度rebootの指示を出したら、何事もなかったかのように起動しました。なお、Windows 10の方は全くトラブルなく動いています。
このシステムエラーは、突然電源が切れるなどの不正な処理や、HDDないしSSDの故障によって引き起こされることがあるようですが、私には全く心当たりがありません。まあ、SSDの故障という可能性もゼロではないものの、読み書きの量は大したことが無いので、可能性は低そうに思えます。Ubuntuに限らずLinuxではよくある話らしいので、慣れろということでしょうか。
余談ですが、デュアルブート環境を構築した後、Windows 10の方が素直にシャットダウンしてくれなくなりました(一回目のシャットダウンはすぐ再起動してしまう)。一度セーフモードで起動してすぐにシャットダウンしたところ、それ以降は問題なく電源を切れるようになりました。
終わりに
こんな感じで、Ubuntuを安定して使えるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。ライトユーザー故に多機能を求めていないこともあり、何だかんだ言って初心者向けではないと感じました。Windowsではなくて敢えてUbuntuを選ぶ理由もあまりなさそう。でも、私はまだ時間的及び精神的に余裕があるうちに、Linuxで一通りのことは出来るようになりたいと思うので、これからも勉強を続けたいと思います。他にも色々エラーに遭遇していますが、ネット記事を探して適当にターミナルを弄ると何とかなるものです。
ちなみに、上述の内容はあくまで私の体験談に過ぎず、トラブルを抱えた他のユーザーの方が同じように操作しても問題が解決するかどうかは分かりません。却って悪化する恐れもないわけではないので、お試しの際はあくまで自己責任でお願いいたします。Ubuntuを使い慣れている方は、情弱が勝手に転んでいるだけかと笑っておいてください。
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