ハーバード大訪問が目的の全ビザ申請に追加審査 SNS公開も要求か

ニューヨーク=田中恭太
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 米国務省は30日、ハーバード大を訪問する目的で行われるすべてのビザ申請に対し、追加の審査を行うよう、世界各地の大使館や領事館に指示した。ロイターが独自に入手した内部文書をもとに報じた。学生ビザに限らず、幅広いビザの発給可否ににらみをきかせ、ハーバード大への圧力をかけ続ける狙いがありそうだ。

 また、同省はこの文書で、ビザ申請者の個人のSNSアカウントが「非公開」設定で外部の人が見られない状態の場合、「公開」への切り替えを求めることも検討するよう指示しているという。

 報道によると、文書は追加審査の対象として、入学予定者や在学生、従業員、契約業者、ゲスト講演者、観光目的の訪問者を含むと明示。「反ユダヤ主義的な嫌がらせや暴力の過去」がないかを確認する目的があるとしている。

 理由としては、ハーバード大が「暴力や反ユダヤ主義のないキャンパス環境を維持できなかったため」と、従来通りの主張をしているという。

「受け入れ停止」は差し止め中、ビザ面接は予約停止

 トランプ政権は5月22日、ハーバード大に対し、留学生受け入れに必要な認可の停止措置をとった。この措置は現在、連邦地裁によって差し止められており、受け入れ自体は可能な状態が続いている。

 一方、ハーバード大への進学者に限らず、すべての学生ビザ申請者について、SNSでの発信内容の審査を強化する方針を決めたことが27日に判明した。この準備のため、現在、ビザ取得に必要な面接の予約受け付けを一時停止しているとされる。

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この記事を書いた人
田中恭太
ニューヨーク支局
専門・関心分野
国連、米国社会、国際情勢、裁判、独占禁止法
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