体育の授業で激しく執拗な叱責 自殺を図った生徒側が学校側を提訴
栃木県壬生町の中学校で、体育教諭に激しく叱られた男子生徒が自殺を図った。学校側は「不適切な指導」があったと認めたものの、生徒側は対応が不十分だとして学校側を提訴するに至った。いったい何が起きていたのか。
男子生徒が、学校からの帰宅後に高さ9メートルの橋から河川敷に飛び降りたのは2022年10月。病院で一命は取り留めたが、腰や足、顔の骨を折る重傷を負った。いまも足首が十分曲がらないといった後遺症が残っている。
生徒はこの日、体育の授業で教諭から激しく、執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受けた。
数十人の生徒が2人1組になって列をつくり、片方がソフトボールでゴロを投げ、もう片方が捕球して相手に投げ返す練習をしていたときのことだ。
双方の役割は教諭の指示で決められていたが、投げ返された球を受ける生徒の後ろには、別の列の生徒がいた。そのため男子生徒は「教諭の指示通りだと、返球の球を捕れなかった場合、後ろの生徒に当たってしまう」と懸念。ペアの相手と相談し、役割を入れ替えて練習を始めたという。
怒声、校長室まで
体育教諭は、生徒が指示と違う行動をとったことで、詳しい理由も聞かずに怒鳴り出した。バットを手に持ち、ほかの生徒もいる前で叱責を続けたという。怒声が校長室にまで響いていたことを、後に校長も両親に対して認めている。
それだけでは終わらなかった…
- 【視点】
児童生徒の不登校や自殺が急激に増加している背景の一つとして、教員との関係があげられる。2024年3月に公表された「文部科学省委託事業 不登校要因分析に関する調査研究 報告書」(https://kohatsu.org/20240325rese
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