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「あの子は出禁」よその家に上がり込む8歳の「放置子」。町内会の非情な決定に40代ママ疑問【専門家解説】

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出産費用や教育費の無償化など、少子化対策が続々と検討・実施されてゆくなか、社会から望まれて生まれてきたはずの子どもたちが虐げられるニュースが連日のように繰り返されている。

「令和7年4月に成立した改正児童福祉法(同年10月施行予定)には、虐待対応への強化が盛り込まれています。

令和5年度に児童相談所が対応にあたった児童虐待相談件数は22万5500件にも上り、前年度より1万件強も増加。対策は待ったなしの状態です」

こう話すのは、保健師・助産師として長いキャリアを持つ八百原桃子氏。

「最近よく話題になるのが、いわゆる『放置子』です。主に親からネグレクトされるなどしている児童が、地域社会で問題行動を起こしたときに呼ばれる通称として知られます。

よその家に上がり込んで食べ物などを要求したりしつこく通ったりするなど、住民が迷惑を被ることで地域の深刻な問題となるケースも耳にします」

地域社会の平穏を維持することは重要だが、「放置子」が孤立しないための対策はまた別に必要なのではないか、と八百原氏。

「迷惑行為は改善されなければなりませんが、『それならば、その児童を排除しよう』というのでは、根本的な問題解決にはならないと思います」

今回取材に応じてくれたのは、ある地方都市に住む女性。地域で「放置子」と呼ばれた8歳児への周辺住民の行動に対し「これでいいのか」と疑問を呈する40代の主婦である。

「この女性が住む町内会には、『放置子』扱いとなった8歳の男児から迷惑行為を受けたと訴える連絡が相次いだそうです。

問題の児童は、最初のうちは同じクラスの児童がいる家に遊びに行き、ゲーム等で遊んだりおやつをもらったりしていましたが、次第に毎日のように通い出し、嫌がられると別の家庭に移って同様の行動を繰り返したそうです。

友達の母親が在宅している家庭では、その母親から離れないなど、愛情不足を伺わせる行動も確認されたといいます」

と八百原氏。自治会は行政への相談はせず、町内会に結論を一任。当事者抜きの町内会議では、迷惑している家庭はこの児童を『出禁』にしようという結論が出されたという。これに反対する人はおらず、取材を受けた女性自身も、周囲の目が気になり「反対」と言い出せなかったという。

その後、町内では、当該児童の訪問を無視したり「もう来ても家に上げない」と本人に直接「出禁」を伝えたりする家庭が増えたと女性は証言している。

「町内会は他に対応策がないと判断したそうですが、それ以前に、地域の民生委員や児童委員と連携し、当該児童の家庭環境などを確認する必要があったのではないでしょうか」

と八百原氏。しかし、取材を受けた女性は、町内会議には民生委員も参加しており、「児童の自宅に何度訪問しても親に会えない、電話にも出ない」と報告していたと証言。

「民生委員には、広く地域課題の相談に乗る役割があります。ただし、必ずしも福祉の専門家というわけではなく、行政機関などに対応してもらうためのパイプ役でもあります。

民生委員を通じて関係機関に相談ができなければ、気づいた人が直接行政に相談してもよいでしょう」と八百原氏は述べ、その子どもを「出禁」にすれば問題が解決するわけではないと強調した。取材を受けた女性はこう話す。

「あの子は、皆さんが思っているような子なのでしょうか。私は、実際に接した男児を見て、そんな疑問を抱いています」

【関連記事】「あの子は意外すぎる行動に出ました…」8歳児が見せた姿に思わず涙。「ずうずうしい放置子」は地域社会から排除して良いのか
では、「放置子」と呼ばれる8歳児に実際に接した主婦の証言を詳報している。

【取材協力】八百原桃子:助産師・保健師・母子および児童心理カウンセラー【聞き手・文・編集】佐原みすず PHOTO:Getty Images【出典】令和5年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数

▶︎後編に続く