温泉旅館の「素泊まり」のスタイルは定着するか――。それによる旅の形態の変化と起こる状況とは? #エキスパートトピ

山崎まゆみ観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)
女性の「ひとり温泉」も素泊まりだと気楽に写真:アフロ

温泉旅館の「1泊2食付き」のスタイルから、「素泊まり」の宿が増加し、今年に入り「泊食分離」が話題になった。「素泊まり」が密かに拡大してきた背景は、宿泊業界の人手不足による稼働率を上げるための工夫にある。だが、お客側も夕食の時間帯に縛られないし、自由に選べるという点で、利用しやすい。双方にメリットあるのだ。

ココがポイント

それは「添乗員部屋」だった!破格の「7700円」でもベッドはシモンズ製
出典:おとなの週末 2025/5/23(金)

1泊2食付きのプランを予約するのが一般的だ。しかし、ソロ温泉に慣れている人なら、部屋食に縛られる必要はない。
出典:高橋一喜 2025/5/24(土)

"宿泊できる絶景カフェ"がオススメ!そこで、非日常が味わえる天空カフェをはじめ、隣接する1棟貸しの宿泊施設やグランピング
出典:CBCテレビ 2025/5/29(木)

エキスパートの補足・見解

日頃「ひとり温泉」を愉しむ私は、記事にあるような添乗員部屋だった客室を改修し、シモンズ製のベッドをおいたシングルルームに泊まる機会が多い。

かつて団体旅行で集客した有名温泉地の大型旅館・ホテルに増えてきている客室のタイプだ。

私がひとりで連泊する場合は、1泊は由緒正しき温泉旅館で旅館の名物料理を愉しみ、もう1泊は素泊まりにして、外に出て、地域の人が集うお店を探し、その土地ならではの食事を摂るようにしている。

昨今、これまで宿泊業でなかった形態の企業が宿を営むケースも散見される。カフェに併設された素泊まりも、興味深い。

こうした温泉や旅を気軽に、自由に組み立てられる、オーダーメイドしやすいような受け入れ環境が整うと旅を誘うことに繋がる。

おそらく、この流れは「ひとり旅」「ひとり温泉」ブームの加速にもなっていくだろう。

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観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)

新潟県長岡市生まれ。世界33か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を国内外に伝えている。NHKラジオ深夜便(毎月第4水曜)に出演中。国や地方自治体の観光政策会議に多数参画。VISIT JAPAN大使(観光庁任命)としてインバウンドを推進。「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱しバリアフリー温泉を積極的に取材・紹介。『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』(潮出版社)温泉にまつわる「食」エッセイ『温泉ごはん 旅はおいしい!』の続刊『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)が2024年9月に発売

山崎まゆみの書籍紹介

おいしいひとり温泉はやめられない
著者:山崎まゆみ
名湯に癒され美味堪能のひとり旅エッセイ
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