東京都立墨田産院(閉鎖)で1958年4月の出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵(えぐら)智さん(67)=足立区=の実親を捜すため、都は28日、同年4月に生まれた200人超の氏名や本籍地が載る戸籍受付帳の写しを墨田区から取得したと発表した。男児に絞り込んで調査を進める。
◆都担当者「対象者の心情に配慮した丁寧な対応をしていく」
都は、実親の調査を命じた4月21日の東京地裁判決を受け、今月15日に個人情報保護法に基づいて、墨田区に戸籍受付帳の開示を請求。受付帳は婚姻や死亡も含めた戸籍の届け出一覧で、27日付で出生届の受け付け分のみ開示決定された。都は「公用請求」の仕組みで、本籍地の自治体に性別や現住所などを照会する。
都によると、当時は出生届を子の出生地に出すことになっていた。墨田区は、業務の遂行に「相当の理由がある」などとして開示したという。都は開示の決定を江蔵さんの代理人に伝えた。
都は調査のため専従職員2人を増やした。都立病院支援部の浜崎省吾調整担当課長は「対象となる方の心情に配慮した丁寧な対応をしていく」と話した。(奥野斐)
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