「”箱ごとレンチン”前提で開発」全国約30箇所にある《ハンバーガーの自販機》。『自動車整備工』の女性が”自販機ビジネス”を始めた理由
チーズバーガーを試食させてもらったところ、まず、その大きさに驚いた。昔食べた自販機バーガーはもっと小さかったような気がする。聞いてみると、バンズのサイズは大手ハンバーガーチェーンとほぼ同じだという。 箱ごとレンジで温めるせいか、バンズは蒸されてしっとりとした食感。パティも分厚くて食べ応えも十分だった。自販機のうどんやラーメンと同様にむちゃくちゃおいしいというわけではないが、「これっ! この味!」という懐かしさが込み上げてくる。
「バンズも箱の中で蒸されることを計算して、あえてグルテンの量が少なくて、歯切れのよいものを選んで使っています。自販機バーガーはレンジで加熱することが前提ですから、生の野菜を使うことができませんし、香辛料を入れても温めると風味が飛んでしまうんです。制限の多い中で商品を開発するのは大変でしたが、私自身が納得できるものが完成したと思っています」(小林さん) 現在、いじりやフードサービスのハンバーガー自販機は、北は宮城県から南は福岡県まで29カ所に設置されている。週末は自販機バーガーを食べることを目的にドライブやツーリングを楽しむ人もいて、順調に売り上げを伸ばしているという。
懐かしいだけでなく、自販機用に計算され尽くした小林さんの「自販機バーガー」。異業種から参入してまだ5年、今後もっと広がる可能性を秘めている。
永谷 正樹 :フードライター、フォトグラファー