【変わる塀の中】(上) 「懲らしめ」から更生へ 再犯抑止効果未知数 「甘やかされている気分」
配信
再犯防止を重点とする拘禁刑下では、個々の受刑者に応じた処遇の実現に向け、24種類の課程に再編した。おおむね70歳以上の高齢受刑者を対象とした「高齢福祉課程」、薬物依存からの脱却を目指す「依存症回復処遇課程」、知的・発達障害を抱える人向けの「福祉的支援課程」などが設けられる。現行の懲役刑と異なり、刑務作業が義務ではないため、足腰の弱った高齢受刑者はリハビリを重視するなど柔軟な対応が可能になる。 犯罪傾向が進んでいる受刑者の更生に、拘禁刑が効果的かは現時点で未知数だ。 「ヤクザの立場で改善指導は受け入れられない。言っちゃ悪いけど、(拘禁刑は)意味がないと思うよ」 県外の暴力団に所属し、薬物犯罪で福島刑務所に服役している男性受刑者(51)は言い切る。コカインを使用したとして麻薬取締法違反の罪で懲役2年2月の判決を受けた今回を含め、いずれも薬物がらみで4回、収容されている。 拘禁刑下では、薬物依存からの回復や暴力団からの離脱に関する指導に多くの時間が割かれるようになるが、男性受刑者は「出所後も堅気には戻らない」と更生を望んでいない。
刑務官がこれまでになく親身になって話を聞いてくれるという。社会復帰への意欲を喚起させるような対応で、拘禁刑導入を間近に控えた塀の中の変化を感じ取ったという。ただ、「刑務作業という『懲らしめ』が減ると、甘やかされている気分になる。調子が狂うよなぁ」と首をかしげた。