【ネタバレ感想】「HUNDRED LINE - 最終防衛学園 -」真相解明編&リスタート編を終えて、ダンガンロンパファンの感想
ハンドレッドライン、通称ハンドラをここ半月ほどずっとプレイしていたのですが、ようやく一つの区切りである「真相解明編」と「リスタート編」にたどり着くことが出来ました。
YouTubeで配信もしておりました。
軽く説明するとこのゲームは、100日間を過ごすSRPG&ノベルゲームであり、エンディングは100個(固定EDの1週目を除く)存在します。つまり55日目で間違った選択肢を選んだからバッドエンド~みたいなのは一つもなく、ちゃんと100個全てがきちんとしたエンディングを迎えます。
その為公式の「真エンド」というものは存在せず、あくまで「真相解明ルート」とその隣に「リスタートルート」が存在するという形になります。この先はそれらのネタバレをするので、まだゲームを買ってない方&このエンディングに到達してない方は閲覧注意でお願いします、自分で観た方が絶対面白いので!
真相解明編とリスタート編はどちらがバッドエンドなのか?
色んな人のクリア感想を見てて一番感じたのはここです。
真相解明編とリスタート編は、フトゥールムの星の人を全滅させるシオン砲を止めるかどうか(SIREIと戦うか)で分岐します。
【真相解明編】
SIREIによって蘇生マシーンを止められてしまう、
防衛システムと化したシオンと戦い拓海以外死亡、
拓海が死んだ仲間を吸収し。シオンを止めるも爆発に巻き込まれ瀕死、
霧藤に抱かれ(1週目との対比)ながら死に、霧藤へ想いを引き継ぐ、
たった一人の生き残り霧藤が廃墟を歩き子供たちと出会う
【リスタート編】
SIREIと共に宇宙空間に行き、シオン砲で全滅するフトゥールム星を目撃、気がつくと教室で目を覚ます拓海たち、丸子は平凡な家庭、面影は医者の家系、蒼月は人類が大好きと洗脳による都合の良い人格&記憶操作を与えられ、この荒廃した星で色んなものをクラフトして過ごす
ざっと書くとこんな感じです、この二つのルートは隣り合わせなのもあって、かなり比較対象にされてると思うのですが、ここで僕の意見を言うとリスタート編ってメリーバッドエンドじゃないですか?
とあるポストで海外だとリスタート編はバッドエンドとして見られてるが、日本国内だとむしろハッピーエンドとして見てる人が多いというものがありました。これは海外の人は思考を操作される事を嫌い、日本の人は人が死なず身内だけでも幸せに生きることを望んでるのかな、と思ったりもします。
勿論これに正解はなく、個々人がどう感じるかは自由なのですが、僕はリスタート編は好きになれませんでした。なぜならこの後拓海たちはきっとまた記憶の違和感に気づき、その度にSIREIの洗脳を受けると思うからです。これはダンガンロンパ5章の霧切死亡エンド(希望ヶ峰学園で子作りEND)に近い立ち位置かなと思っていて、確かに平穏な日常は遅れているけど、何も真実が見えない、支配される側の安寧でしかないと思います。
対して真相解明編は散々な結果ですが、霧藤が拓海の想いを受け継いだという一筋の希望が残されています。もちろん霧藤以外に誰か一人、それこそ拓海だけでも生き残ってくれてた方がハッピーエンド感は残ったんでしょうけど、あえてそれをしなかったんだと思うんですよね。
ハンドレッドラインは人類による侵略戦争の話です、罪もないフトゥールム人を大量虐殺しているとんでもない悪です。しかし人類の大義名分は「こうしないと人類は滅亡する」であり、それを人造人間の拓海達に押し付けています。このルートはそんな人類の傀儡だった拓海たちが唯一自分の意志で未来を決め、だれかを殺すためではなく命を救うために戦いました。
そういう意味でこのエンディングは、侵略側が勝利して安易に幸せになってはいけない、侵略という行為その物の罪を感じるメッセージ性の強いエンディングだなと思ってます。
分岐点によって変わる人間関係(微ネタバレあり)
これは真相解明編をクリア後にリスタート編を見たのもそうですし、
ここに来るまでにあった「最初の蒼月の処遇」や「3人の誰かに特攻を頼む」など、気になる分岐点を選び直してみた時の感想です。
特に「最終防衛学園と第二防衛学園のどちらを守るか」はかなり印象的な分岐点で、最終防衛学園を選んだ場合霧藤以外の第二防衛学園組は全滅し、霧藤には嘘をつくことになり「気持ち悪い」とまで言われ嫌われてしまいます、この時点でかなり不正解を選んだ感が強かったのですが、そこで別選択肢では死んでしまう怠美がやってきて「助けてくれてありがとう」と言ってくれます。
これはこの選択肢を選んだプレイヤーに対しても言ってくれてるのかな、と感じたポイントで明らかに状況が悪くなった方でも、それでもちゃんと救えてる人がいると感じられるのは良いなと思いました。
「3人の誰かに特攻を頼む」に関しては、川奈を選んでしまうと特攻が失敗しヴェシネスに制圧されてしまうのがびっくりしました。ここで川奈はヴェシネスの言いなりになることで、拓海&特攻メンバー以外には裏切者として見られることになり、また川奈も拓海に対してなぜ私を選んだのかという猜疑心を向けることになります。
しかしこのルートでもフトゥールム人側の人間関係が見えてきたり、なによりヴェシネスの信念を聞けるのがとても面白いです。この時点の拓海はここがフトゥールム星であることも自分に記憶操作があることも何も知らない状態ですが、それでもヴェシネスに対して(こいつらも俺と同じ知的生命体なんだ)と感じ、罪もない人々を殺してるのはお互い一緒じゃないかという現実を突きつけられます。
真相解明編&リスタート編では、ただ倒すべき対象として描かれていたヴェシネスがここまで魅力的に描かれるのが面白く、今進めている最中になります。
最後に
このゲームのボリュームはまだ98/100あり、エンディングだけではなく回収してないスチルやムービーも膨大にあります。制作者の小高さんは「長く遊べるアドベンチャーゲームが作りたかった」とおっしゃってましたが、それを確実に遂行したゲームだなと感じました。
シナリオが露悪的な所など万人受けしない部分もありますが、間違いなくゲーム史に残る怪作だと思います。


コメント
2>勿論これに正解はなく、個々人がどう感じるかは自由なのですが、僕はリスタート編は好きになれませんでした。なぜならこの後拓海たちはきっとまた記憶の違和感に気づき、その度にSIREIの洗脳を受けると思うからです。これはダンガンロンパ5章の苗木死亡エンド(希望ヶ峰学園で子作りEND)に近い立ち位置かなと思っていて、確かに平穏な日常は遅れているけど、何も真実が見えない、支配される側の安寧でしかないと思います。
あの子作りENDでは苗木は生きてますよ。苗木は。
まぁリスタート編は人間目線だと機械に支配されたバッドエンドと言えますね。
とはいえSIREIはスペアが無いのでいつか誰かに壊されて開放されると思いますが。ちょっと機能停止させるだけなら誰でも抵抗なくできるでしょうから。
あとどうせなら飴宮凶鳥大鈴木シオンのクローン作って生徒全員揃った状態でリスタートして欲しいって思ったのは私だけか。
> そういう意味でこのエンディングは、侵略側が勝利して安易に幸せになってはいけない、侵略という行為その物の罪を感じるメッセージ性の強いエンディングだなと思ってます。
レインコードとは逆って事ですね。
すみません、苗木ではなく霧切死亡エンドでした💦
飴宮等はもう埋葬してしまったので復活は不可能なんだと思います(第二を見殺しにした場合復活できなくなりますし、異血吸収されたら無理かなと)
そういう意味でもそもそも犠牲者なんて居なかったと記憶改竄してリスタートするルートなんでしょうね。