「知事と仕事をするのは恥ずかしい」兵庫県職員が大量退職 斎藤元彦知事の「情報漏洩指示」を第三者委が指摘
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■「知事が『議員に情報共有しといたら』と指示」 井ノ本氏は、当初、第三者委員会の調査に対して、情報漏洩を否定していた。だが、3人の県議が井ノ本氏からファイルを見せられたと共通した証言をしたことで、主張を変えて元県民局長の私的情報を漏らしたことを認め、次のように説明したという。 「令和6年4月4日か5日頃、知事に対し、元県民局長の公用パソコン内に、元県民局長の私的情報にかかる大量の文書等があることが分かったなどと報告したところ、知事は、『そのような文書があることを、議員に情報共有しといたら』と指示した」 同席していた県の部長も第三者委員会に同様の供述をしている。また、片山元副知事も事情聴取に対して、こう供述している。 「昨年4月上中旬頃、『知事から井ノ本氏に対し、元県民局長の私的情報について議会と情報共有しておくようにとの指示があった』と聞いたので、特に反対もせず、井ノ本氏において『根回し』をするように指示した」 では、指示したとされる斎藤知事はどうか。第三者委員会の事情聴取に対して斎藤知事は、 「元県民局長のパソコンに私的情報があったという一連の報告はあったと思うが、処理に関して何か指示をしたことはない。井ノ本氏に、そういった情報を議会の執行部に共有しておいた方がよいと発言したこともない」 ときっぱり否定。 「井ノ本氏は独自の判断で、議会側との情報共有をしたものと思う」 と、部下が勝手にやったことだと語っている。 だが、報告書は、井ノ本氏、片山氏らの話が大筋で一致していることから、 「知事の供述は採用することが困難」 と退けた。つまり、知事はウソをついていると認定したのだ。 ■斎藤知事は「県政を前に進める」と辞職を否定 報告書の公表を受けて、斎藤知事は記者会見し、 「私が情報漏えいの指示をしていないという認識に変わりはない」 と第三者委員会の認定を否定した一方で、 「県民の信頼を損なった。組織の長としてお詫びを申し上げる」 と謝罪。自らの減給などの処分を検討するとしたが、辞職について問われると、こう述べた。 「県政を前に進めるという役割があり、信頼回復に努めたい」 斎藤知事は5月28日の定例記者会見でも情報漏洩の指示を改めて否定し、第三者委員会の報告書が知事の供述を採用しなかったことについては、こう話した。 「私が答えたことが伝わっていないことは、大変残念に思っている」
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