「引き出し屋」の恐怖が今も消えない…自宅から着の身着のまま連行する「自立支援」の被害者たちの訴え

2025年5月11日 06時00分 会員限定記事

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 「ひきこもり支援」をうたう施設に自宅から無理に連れ出され、施設に監禁されて精神的苦痛を被ったなどとして、元入所者らが施設の運営法人と代表らに損害賠償を求めた集団訴訟の判決が15日、横浜地裁で言い渡される。原告は「恐怖が今も消えない。被害者を増やさないため、強引な手法は違法だと司法で明確にしてほしい」と求める。(森田真奈子)

◆「自宅に突然、業者が来て…」

 「自宅に突然、業者が来て、行き先も分からないまま施設に連れて行かれた」。訴状などによると、原告の1人で30代の渡辺豪介さんは2018年3月、横浜市の自宅アパートを突然訪れた男性3人から「福祉の者で、主治医の精神科医からも相談されて来た」などと同行を求められた。

「司法が手法の違法性を明確にしてほしい」と訴える渡辺さん=横浜市内で

 「行政の強制的な措置だろう」と思い込み車に乗ると、着いたのは神奈川県中井町のワンステップスクール湘南校(現在は閉鎖)。訪ねてきた3人は、同校を当時運営していた一般社団法人若者教育支援センター(東京)の理事らだった。

◆小学生向けのドリルや軽い運動をやらされる日々

 渡辺さんは大学卒業後、大手通信会社に勤め、過労で精神疾患となり退職。入院し回復した後は、アパートで1人暮らしをして就職活動した。アルバイトで働く予定だったが、家族が施設に入所を依頼していた。入寮費は80万円、月の費用は25万円程度とみられる。
 50人ほどが生活していた施設は「社会復帰の支援をする」としていたが、実際には小学生向けのドリル教材や軽い運動などをやらされる日々。外出や外部との連絡も制限された。居室の窓は大きく開かないよう固定され、逃げ出そうとして連れ戻された人も見た。

◆入所者8人で脱出し、保護された

 着の身着のままで来たため携帯電話や財布、身分証もなかった。周りの人も同様で、例外的にパソコン使用を認められていた入所者の協力で外部と連絡を試みた。入所4カ月後の同年7月、8人で抜け出し、福祉施設に保護された。
 集団訴訟の原告は、渡辺さんを含め首都圏や沖縄県などの20~40代の男性5人。2020年10月に提訴した。意に反して入所させられ、外出を制限されたとしてセンターや代表理事らを相手取り、1人当たり440万円の賠償を求めた。

◆被告側は「本人の同意なしには入れない」と主張

 うち原告2人について地裁は昨年12月、被告が承諾なく自由を違法に制限したと認め、慰謝料計70万円を支払う義務があると決定。訴訟で被告側は「本人の同意なしに施設には入れない。入寮中も外出の自由がある」などと主張したが、決定を受け入れ、原告側代理人によると慰謝料は既に支払われた。

横浜地裁(資料写真)

 渡辺さんは、...

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