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「OMORI」というゲームの恐ろしさ


皆様初めまして。めざしと申します。今回はomoriをクリアしてやっと心を落ち着けられたので感想や考察を書いていきます。この記事には隅から隅までomoriのネタバレを含みますのでまだ未プレイの方は今すぐブラウザバックしsteamのページへ向かい購入してプレイしてください。というか、やれ。決してネタバレを見ずに。すぐに。

プレイするまでの経緯&初見の感想

それはある日のことでした。ただ何気なく面白いゲームはないかとsteamのページを見ていたところ発見した異質なサムネイル。真っ直ぐ目の前を向いた感情のない少年と「OMORI」と歪なフォントで書かれたタイトル。そのインパクトに押されすぐにそのストアのサイトをクリックしていました。そしてその瞬間流れてくるドット絵と奇妙な世界観で構成されたpv。流れてくるポップなbgmもどこか不安を感じ、後半にはゆめにっきのような世界観が映し出され、見終わった頃にはとんでもないゲームを発見してしまったんじゃないか?と勝手に思ってました。そしてさらに驚くべきはその評価。steam上で最も名誉が高く最も獲得するのが難しい「圧倒的に好評」の文字。圧倒的に好評は神ゲー中の神ゲーにしかつくことが許されない絶対の評価。私はそこで買うことを決心してすぐに購入しました。

初見では20時間あたりでクリアしました。特にサブクエなどは進めずにせっかくスペボから貰ったオレンジオアシス行きのチケットも使わずクリアしてしまったのは少し残念。初見でもう少し色々なところを探検するべきだったと後悔しています。が、それは置いておいてストーリー本編のお話。….あのさあ、これヤバくない?(突然の語彙消滅)サニーくんはこの事実を抱えて今まで引きこもってたってこと!?バジルくんが謝っていた意味とか全てうまくいく…とかこういう意味だったの!?とかこれまで点と点でしか存在していなかった伏線や物語の謎が一気に結びつけられ、たった一つの真実に辿りつく演出が本当に素晴らしくて感動しました。特に「あの日」の出来事をアルバムで断片的に伝えて最後に真実を明かす演出、あれ本当に人の心がない(最大級の褒め言葉)。そして私は初見ではラスボス戦でコンテニューするを選択し、所謂グッドエンディングを見ました。もう泣く。自分自身に打ち勝ち自分の罪を認めて真実を伝え、やっと「スタートライン」に立ったサニーくん。そして流れるgood morning。とにかく自分の頭の中を様々な感情が交錯し、オープニング画面に戻ったところで30分近くずっと画面をただ眺めていました。そして自分の中でこう確信しました。「このゲームはきっと自分にとって一生ものの存在になる」と。それほど自分にとってこの作品の衝撃は大きかった。それからというもの2、3週間ぐらいはずっとomoriのことが頭から離れられませんでした。というか今も余韻がずっと残り続けています。そして今の今まで自分の中で考えがうまくまとまらず感想を書くこと忌避していましたがようやくこのゲームと折り合いをつけて真面目に考察や感想を書けるようになったのでここで書き連ねていきます。拙い文章にはなると思いますがよければぜひ最後までご覧ください。

キャラの魅力とポップな世界観

まずはストーリーの考察に入る前に、単純に自分が感じたこのゲームの魅力を伝えていきます。
まずキャラの魅力。オモリ、マリ、ケル、ヒロ、オーブリー、バジル。みんなキャラが魅力的すぎる。ケルのクソガキ感(最大級の褒め言葉)、オーブリーの可愛さと暴力的な面のギャップ、ヒロの頼れるお兄さん感、バジルの心優しい性格、みんな愛おしい。キャラがいきなり6人も出てくるのにそれぞれのキャラが立ちすぎててすぐに魅力にハマりました。特にバジルくん、かわいい〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!(2度目の語彙消失)また、何もこの6人組に限った話ではなくハルバル町の不良連中、ヘッドスペース内でのスペースボーイやスイートハート、プルート、鮫肌社長、それぞれのエネミーなんかも魅力があってみんな大好きです。私はアンブレッドの双子ちゃんが特に好きです。この双子は現実世界だと実際にパン屋を経営してるけどサニーくんは何の思い入れがあってこの二人をヘッドスペース内でのボスにしたんだ…?
まあそれは置いておいて次はヘッドスペース内を構成する不思議な世界観の話です。基本的にゲームは森・砂漠・海・雪山あたりが定番なのでイセカイに到着した時は新しい世界に到着した感じでめちゃくちゃテンションが上がりました。ヘンテコでカラフルな建造物など、単純な世界観だけでも芸術的でomocatさんのセンスに脱帽。とにかく「kawaii」で埋めつくされていて、ただヘッドスペース内を歩いてるだけでも楽しい。また、この可愛い世界観があるからこそホラーがより際立つのです。作り込みが上手い…。

「ヘッドスペース」が持つ残酷さ

ヘッドスペース。それはサニーの精神世界の空間であり、サニーが生み出した「逃げ場」です。ヘッドスペースにいる限りは現実の恐ろしい真実に目を向ける必要はありません。マリも生きていて他の4人も変わらず永遠に存在しています。まさにサニーが心の底から求めた素晴らしい世界。だからこそ、このヘッドスペースは残酷さを持ち合わせているのです。プレイヤーは最初、このヘッドスペースを探検して仲良し6人組の微笑ましいやりとりやアルバムを通して幸せな光景をただひたすら見せつけられます。これが本当に恐ろしい。全てをクリアした時にヘッドスペースで起きたことその全てがサニーが求めた幻想であり、過去の投影でしかないことを再確認させられ現実とのギャップに苦しめられるのです。ただの楽しいrpgでしかなかったヘッドスペース内での冒険がクリアした後だと180度見方が変わってきてしまう。サニーは現実に向き合わず過去の思い出の全てを自分の精神世界に投影し永遠に過去に囚われていました。サニーには酷ですが友人たちへのクソデカ感情には気持ち悪ささえ覚えます。ただ、それほどまでにサニーは追い詰められていていたのです。それと先ほど現実とのギャップと書きましたが、成長した友人との邂逅が最たる例です。背が伸びて精神面でも成長したケル、何もかもが変わってしまったオーブリー、全てが「大人」になってしまったヒロなどサニーにとっては受け入れ難い存在となってしまいました。
辛い現実と向き合い変わってしまった友人たちと目を背け過去にこだわり何も変わらなかったサニー。その対比がヘッドスペースと現実とを通して表現させられるのです。
あまりにも残酷。辛い。辛すぎるよ。途中で「ヘドスペパート飽きてきたな…」とか思ってた自分を殴り倒したい。ヘドスペパートがこのゲームにとってどれほど意味のあるものなのかよく考えずに最後までプレイしていた自分を。ただ、この残酷さこそがomoriの魅力の一つでありこのゲームが神ゲーと呼ばれる所以だと私は信じています。

「マリ」の存在の大きさ

続いてはみんな大好きマリちゃんのお話です。優しい笑顔、どこか余裕のある掴みどころのない性格、弟思いの頼れるお姉ちゃん、嫌いになる要素が一つもありません。ですが、だからこそマリの死というのは大きなものでした。「THE SUN SHINED BRIGHTER WHEN SHE WAS HERE」
「彼女がいた日々は、太陽より輝かしくみえた」
マリは万人から愛され、周りにも愛を振り撒く完璧な存在。そりゃあダメージは大きいですよね。サニーはヘッドスペース内でピクニックという安全地帯を与えてマリを守り続けました。また、マリはヘッドスペース内では常にサニーたちの先回りをしてピクニックをしています。ゲームのメタ的な視点から考えればただの中間地点やセーブポイントとしか考えられませんが、これには大きな意味があります。
マリはサニーにとって常に自分のたちを先導する存在であり、ヘッドスペース内でサニーはマリを必ず先周りさせ自分たちを見守ってくれる存在として成り立たせました。
泣くじゃんこんなん。サニーにとってマリがどれほど大きな存在だったのか。ヘッドスペース内でこれを実現させてしまうほどマリに対する想いは強かった。そんな存在を手をかけてしまった時のサニーの心情は測り得ないものでしょう。また、プレイヤーは最後の最後までマリの死因は「自殺」であるということを錯覚させられます。ゲーム起動時の最初の注意書きに「自殺の描写」と前もって書いておくことでよりマリの死に対してのミスリードを引き起こします。これが意図的でないものであったとしても、至る所に自殺を仄めかす描写があり「マリは自殺をして死んだ」ということをプレイヤーに信じさせるのです。自殺によるものでなくとも、サニーとバジルが手をかけたというというの考え自体は絶対に浮かび上がってこないのです。これがomoriの魅力の一つであり、何の変哲もない設定がクリアした後だと全て意味を持つものだと知ることになります。恐ろしい。omocatさん、本当にどこまで考えてこのゲーム作ってるんですか…?

ブラックキーとブラックスペース、そしてナラク

ヘッドスペース内にはブラックキーが散りばめられており「HANGMAN」のキーを集めるとブラックスペースに行くことができます。また、不必要なブラックキーも全て集めるとナラクへの道が開かれ、この世界から追放された「最も賢明な者」アビーと出会うことができます。そもそもブラックキーとは何なのでしょうか?ヘッドスペース内のサニーはオモリとして別人になり変わり真実を消し去りました。しかしその罪悪感を全て完全に消し去ることはできません。その小さな罪悪感、その一つ一つがブラックキーとしてヘッドスペースに散りばめられたのではないかと私は思っています。必要なブラックキーを全て集めると「HANGMAN」が現れ、断片的でしかなかった罪悪感とサニーは向き合うことになります。その向き合った先がブラックスペース。様々な負の感情が入り乱れ構築されたまさに悪夢の空間。「知らない人」の話から察するにやはりこのブラックスペース自体がヘッドスペース以前にできたものであり、この世界と二度と関わらないためにヘッドスペースを創造したのだと思われます。ただ、知らない人が「君がこの上につくった世界(ヘッドスペース)はこの世界(ブラックスペース)を守るためなのだろうか?隠すためなのだろうか?」と言っている通り、もし前者なのだとしたら罪悪感を完全に消し去って逃げようしたのではなく自分の逃げ場を作りつつもブラックスペースを大切な物として保存させようとしたのかもしれません。また、知らない人が「この世界(ブラックスペース)は強大なものになっている」とも言っています。これはサニーの引っ越しに伴い、罪と向き合うのは今しかないと自分に言い聞かせるためにサニーが無意識的に強大化させようとしたのではないかと思います。とにかく、ブラックスペースは罪の意識と後悔とが具現化された「絶望の悪夢でありながらも、自分と向き合うための大切な場所」なのではないかと私は考えています。
ただ、ここで問題になってくるのがナラクとブラックスペース2です。ナラクは前述の通り不必要なブラックキーを集めるとナラクでアビーに会うことができます。私はナラクとアビーのことを「罪悪感がより具体化された、真実を知ることができる存在」だと思っています。アビーはもともと「最も賢明な者」でした。これはおそらく、サニーの罪を全て知っている真実の塊のこと。夢見人であるオモリに真実に向き合うよう促したため、地下深くへと追放されたのでしょう。今は全ての記憶を失ってしまったため、オモリに真実を伝えることもできなくなってしまいました。アビーはオモリルートでしか出会うことができず、真実の塊であるアビーを殺すことによってサニーが真実と向き合ことは絶対にできなくなります。罪の完全抹消と決別。オモリルートの救いの無さがより顕著に現れている部分だと感じました。
続いてはブラックスペース2についてですが、これは「なにか」つまり現実世界でのトラウマを全てヘッドスペース内で倒すことによって行くことができます。現実世界でのトラウマ戦は倒すことができませんがヘッドスペース内では倒すことができます。これもまたアビーと同じで、トラウマとの完全な決別だと私は思っています。ヘッドスペース内のオモリは高所・クモ・水の全てのトラウマを克服しましたが、それはあくまでもヘッドスペース内での話です。現実の世界で起きたトラウマをヘッドスペース内で全て殺すことにより、現実とはもう向き合わないという表れなのかなと私は思っています。ブラックスペース2はいわば「もうどうすることもできないサニーの絶望」だと私は考えます。ブラックスペース2に行ける時点でサニーは現状を打破する術を全て失い、もう引くことも進むこともできなくなってしまいました。残るのは漠然とした罪悪感だけ。その罪悪感がヘッドスペース2として創造されどうしようもない完全な悪夢が形成されました。ブラックスペース2の世界観はとにかく不可解です。急にバグり散らかした世界観になることもあれば、ただカニがバカンスをしている空間もあります。通常のブラックスペースはまだ理解ができる部分もありますが、ブラックスペース2は違います。ブラックスペース2はただの悪夢でありここでもオモリルートの絶望が表された最悪の空間なのです。

omoriは鬱ゲーなのか? 


omoriは「鬱ゲー」と称されることがよくあります。また「ホラゲー」とも。後者はまだ良いです。ホラー要素は多く存在し、公式もそれを売りにしているから。ただ前者、このゲームを「鬱ゲー」という一言で纏めるのは俺が断じて許さん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
確かに鬱要素はありますが、omoriはただの悲しく辛い話ではありません。おそらく多くのプレイヤーが最初にクリアするのはグッドエンディングでありそれは見るために周回や特別な条件をクリアすることを求められるものではありません。omoriは真エンディングが最初から、誰でも初見で通れるように設定されてあるのです。その真エンディングでサニーは自らの罪を告白しました。この罪の告白は辛い過去と向き合い、未来に向かって歩んでいくというサニーにとっての大きな決断です。サニーはどんなに辛くても、一歩でもいいから進んでいく姿勢を私たちに示してくれました。何度でも言いますが、これは特別な条件をクリアしないと見られるものではありません。ただ諦めず、自分と向き合うだけで道は開かれるのです。確かにオヤスミエンドや自殺エンドなど鬱ゲーと呼ぶに相応しいエンディングはいくらでもあります。ただ私はomoriははじめからグッドエンディングが用意されてある時点で単なる鬱ゲーと纏めていいものではないと思うのです。

とすると、ここで出てくる疑問が罪の告白は正しいものだったのか?ということです。友達は結局許してくれたのでしょうか。それは作中で描かれないため私たちは何もわかりません。もしかしたらオーブリーが激昂してサニーのことを殴ってボコボコにするかもしれないしヒロがその場で気を失って倒れるかもしれません。全員が必ず許してくれるという保証はどこにもないのです。ただ、私はみんなが許してくれるということに賭けてもいいのではないかと思っています。サニーは自らの罪を告白し、トラウマと向き合いました。その向き合った分の救いはどんなに少なくともあるはずです。それに、たとえお友達が許してくれなくてもサニーは自分自身を許すことができました。それだけでも十分な救いです。自分を許し罪を償っていくことと秘密を永遠に隠し続け、自分を許すことができないままマリに対して何の償いもしないこと、どちらがサニーにとって良いことなのかは明白です。
全てが万事解決に終わるグッドエンディングでなくともサニーがやっと前を向いた、それだけでも十分なエンディングなのではないかと思います。むしろ、友達が簡単に許すような描写があった方がこのゲームの美しさが削がれてしまうと私は考えます。許すのか許さないのか、それは簡単に決められることではありません。逆にその後を描かないことによってこのゲームの深さがでているのです。

omoriの「恐ろしさ」

ここまで感想や考察を書いてきましたが、私が言いたいのは結局このゲームの「恐ろしさ」です。カラフルで芸術的な世界観、それぞれ個性を持ったキャラクター、たった一つ見方を変えるだけで受け取り方が変わってしまう緻密で構成されたストーリーなど全てが一体となってこのomoriというゲームを作っています。これはどれか一つでも欠けていいものではなく、この要素全てがあったからomoriは成り立っているのです。だからこそ、このゲームは恐ろしい。全てが一つにまとまっているせいでそのたった一つの表現で我々プレイヤーは苦しまされることになる。また、「可能性」という点でもomoriは私たちに恐怖を与えます。omocat氏がyoutubeの講義動画で公言している通りomoriのストーリーは「誰にでもありうる」ものなのです。たとえ相手を死に至らせるとまでは行かなくとも、少しのすれ違いや喧嘩で相手を傷つけることがあるのかもしれません。特に…幼少期時代に。これがこのゲームの恐ろしい部分の一つであり、強烈なインパクトを私たちに与えるのです。「自分たちには関係のない」ホラーだと思っていたものが急に現実味を帯びるようになり、他人事ではなくなります。ホラーが別の意味で恐怖を与えてくるのは正直初めての感覚でした。
ただ、これらの「恐ろしさ」こそが我々に学びを教えてくれるものであり、楽しませてくれるものなのです。omoriは深い。考えれば考えるほどこのゲームに対して様々な感情が湧き出てきて止まらなくなる。ここまで書いてきたことが私のomoriに対する想いなのであり、本当に私はこのゲームに対して「恐ろしさ」を覚えてしまうのです。

終わりに


ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。やっと自分の中にあった曇りが書き表すことによって消化できました。皆様もぜひ感想を書いてみてください!!!特に初見の時の感想を思い出して!!!!!!!!!!!!!!
そしてきたる11月22日。ついに2度目となるomoriのコンサートが川崎で開かれます。今からでもチケット購入は間に合うので予定が空いている方であればぜひ!!!行ってください!!!!!!
これにて終わりにします。本当にここまでご覧いただきありがとうございました!

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「OMORI」というゲームの恐ろしさ|めざし
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