会話

会見では 「裁判は主文が大事で、指摘の箇所は後書き感想文みたいなもの」 YouTubeでは 「法的に認めたわけではない」「一個人となった裁判官が法的な根拠はないが本当は何かあったのではないかと呟いただけ」 youtu.be/F5T2L4x-Cdc?si とんでもない話だ。 第一に、会見でアークタイムズ尾形氏が引用した判決文は、“原告への損害の程度とその慰謝料金額の算出の根拠“を詳述する項からのものだった。即ち、主文の判断根拠(「理由」)部分からの抽出。判決の主文(決定内容を伝える文)ではなくとも、決定を行った根拠(=理由)を裁判所自らが詳述する主文の次に重要な文である。 kl-o.jp/2021/01/25/%E3 ここで判決文には、原告が「複数の女優に対して性的関係を要求」したこと、「自身と性的な関係を有した女優を映画に出演させていたこと」「真実であると認められる」とあり、これら複数の女優たちが「身体を要求されたという事実を摘示する」被告の投稿の内容は「全く根拠を欠くものとはいえない」と認定されている。 "原告が、監督と新人女優という立場が明らかになっている状況において、複数の女優に対して性的行為を要求する文面のメッセージを送信したこと、原告が自身と性的な関係を有した女優を映画に出演させていたことは真実であると認められることからすれば、本件投稿のうち、「身体を要求された」という事実を摘示する部分は、全く根拠を欠くものともいえない。"(判決文より抜粋) 一方で、慰謝料は原告要求額(2000万円の)の100分の一の「20万円が相当」と、大幅に減額されている。更に裁判費用も通常、原告完全勝訴の場合は「全額被告負担」になるところ、判決文では1割負担」に収まっている。 そうすると、本件に現れた諸般の事情に鑑み、原告に対する慰謝料の額は20万円が相当であり、弁護士費用はその1割に相当する2万円が相当である。(判決文より抜粋) これが、裁判所が認定した原告の「被害」とそれに相当する「賠償」の程度であり、主文に示した決定の理由の一部(なぜ慰謝料が原告要求額の100分の一になり、なぜ裁判費用が全額負担に値しないか)が示されている。裁判所の判断理由を示す重要な箇所なのである。 第二に、今後原告側が会見で述べた通りに控訴した場合に、控訴審で裁判官が一審判決を支持するか支持しないかの判断を行う上で一審の判決理由は重要な判断材料となる。さしたる一審判決理由の検討もなしに、ただ控訴審で示される新たな事実を元に主文の変更のみを判断するのならば、ただの裁判のやり直しになる。 だが控訴審(二審)ではまさに、判決の主文ではなくこの理由部分が支持するに足るかを争う場である。そこに更に付け足すか、足さないかだけの違いで、①判決を支持するか・しないか、②その理由を支持するか・しないか、③慰謝料や弁護士料負担を減らすか・増やすかが判断される。つまり、一審の判断は継承され、尊重され、別の高位の司法により継続審理になるプロセスなのである。だから尚のこと、その判断の理由が重要視される局面となるし、ここでまた新たに判断理由が判決書に追記されることにもなる。 courts.go.jp/saiban/syurui/ そし最後に、主文だけでなくその判決理由が重要視されるのは、これが「裁判例」として生かされるようになるからだ。今後類似の案件が生じた際に、法曹関係者は裁判例を参照する。今回のは下級裁判所の地裁判断でしかないが、原告の宣言通りに控訴がなされるのであれば、次の舞台は高裁となる。ここでの判決理由もまた、裁判例という規範として記録されることになる。 keiyaku-watch.jp/media/kisochis そうでなくとも、今回の地裁判断で「裁判例」がすでにできている。その核となるのは、判決主文ではなく、その主文を導いた理由だ。これが最終的に最高裁まで上告されるようなことがあれば、その判断はまごうことなき「判例」となり、後にあらゆる類似裁判で参照される、「法令の条文に次ぐ重要な規範」とすらなる。 以上のことから、原告側・園監督の一連の主張は、まったくとんでもく見当違いな話なのである。(というのは、多くの人が感じて言わんとしていることだと思うが、敢えてここで細かく言語化してみた次第だ)
引用
ニコニコニュース
@nico_nico_news
「園子温氏が複数の女優に対して性的行為を要求するメッセージを送信したこと、自身と性的な関係を有した女優を映画に出演させていたことは真実」と東京地裁の判決で認定されていたが?という質問に対して、園子温監督は会見で「裁判は主文が大事で、指摘の箇所は後書き感想文みたいなもの」と発言。
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