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【被災地の人の声】※1月10日現在

 たくさんのSNSをみていると、現地の人の声をたくさん聞きます。

 ここで紹介するのは、富山で被災された方の最近の声です。
 勇気を出して私のところに連絡してくれました。
 富山のほうは輪島や能登と比べ比較的被害は少ないものの、それでも家屋が倒壊したり、道路が割れて通行が難しいなど、大きな損害を受けております。(もっと詳細を知りたい方は下記の「富山県情報まとめ」で。)

 いただいたお話(ストーリーズ)をもとに書いております。この方は、周りの方たちと協力しながら動いており、最近のSNSでよくみる「個人で勝手に物資を持ち込む方」「県や市町村の許可をとらないで、勝手に現地に行く方」に対して怒りを訴えております。

※プライバシー保護のために、少し書き換えを行っている部分があります。
 それぞれ長文になります。

被災地の人の訴え①

 どうせ金沢に運ぶ際に飲み物は持ち込めないので今まで遠回しに言っていたのですが、諸々の投稿を見て本当に怒っているので言わせてください。
 賞味期限切れも混ざっている個人宅の食べ物をかき集めて、仮に悪意のある人が、食べ物や飲み物に毒を入れていたら誰が責任をとるんですか?
 現に、賞味期限切れの食べ物やタバコ臭い古着も入ってたって聞いたのに。
 絶対安全だって、その10トンかの中にひとつでも危険なものが入っていないって、その一つのレトルトカレーの中に毒が入れられていないって言い切れますか。なにかあったとき、責任がとれますか?

 当たり前だと思うけれど、誰から届いたのか、名前や住所まで物ひとつ単位で記録していますよね?
 もし記録していたとしても、それが嘘の情報じゃないって証明できますよね? 
 何かあったときのためにどこに届いたのかも把握してますよね?

 自治体が、個人からの物資受付を断っていたのはなんでだと思いますか。

 金沢で個人から受け付けている飲食物が水だけなのか、なんでかわかりますか?当たり前ですが、飲水には使われませんよ?
 私も断水時に自治体に水を少し提供したけれど、名前と住所、物資の数の署名もしたし「この水は泥の清掃に使いますね」と言われています。

 誰が持ち込んだかわからないものは危険なので、自治体が受け取らないのは当たり前だと思います。能登へ帰省する人(これも本当に地元民なのか信憑性にかけるし、彼らが今行くべきなのかも正直疑問)を使って物資を運搬していましたが、これではどこに届くかは自治体ですら把握できない……。
 あまりにもひどいと思います。
 その危険性に気づいていないなら相当だし、気づいててやっているなら目も当てられないです。
 
 みんなが思っているより、世の中って悪い人いっぱいいるんですよ。
 野次馬、火事場泥棒、レイプ魔。
 地震で心を痛めている人が大半なのに、こんな人ばかりです。 
 ここですら出ているので、もっと被害の大きい能登ならなおさらです。
 思っている以上に被災地は犯罪の温床です。

 再三言いますが、「物資の運搬が遅れている」っていう現地の声は、現場の対応が遅いんじゃなくて、地形もよく知らないのに勝手に動いた大勢の人たちが渋滞を作ったからです。県からの声明の有無なんて関係なく、本当に能登を知っている人ならわかっていたはずです。止めたはずです。

 東日本のとき地震発生時に、60万個も被災地にパンを届け、避難所が封鎖されるまでパン1500万個、おにぎり800万個、飲料100万本を届けた山崎製パンのような企業のことを非常時の救援物資のプロといいます。
 アレルギーや日持ちまで考慮をしっかり行い、政府から「緊急救援食料の要請」を受けて連携して動いています。
 
 周りの被災者の物資(スーパーの物資や炊き出し)を奪ったり、どこからきたのかわからない食べ物をかき集めて、被災地の交通を圧迫するのは、言葉は悪いですが支援ではないと思います。
 緊急時に正月返上で頑張っているプロを邪魔して、彼らの冒涜でしかないと思います。
 「俺たちでもできる」とか「チーム」とか、素人が被災者巻き込んで馬鹿にするな。
 刻一刻と人が死んでいっているのに、ヒーローごっこで本当のヒーローに迷惑をかけるな。
 勝手な正義を行動の免罪符にされるのが、本当に悔しくてたまらないです。

 東日本のときは東北に行ったこともなくて、映像をみていてもどこか遠くの世界の出来事だった。現地に行くまで、「苦しい」というより「とにかくかわいそうに」としか思えなかった。
 被災地から遠い人、能登に行ったことがない人、被災経験のない人の本心はこれじゃないかと思う。
 それは全然当たり前のことで、全然いいと思っています。自分に関係のないことにまで心を痛める必要もないし、普通に生活をして経済を止めないのは一番復興のためになります。
 関係ない人の必要以上の関心は、正義の皮を被ったただの好奇心です。
 被災地をみてワクワクしてませんか。
 態々被災地に行って、一眼で写真を撮っている人もストーリーでみました。何しに行ったんですか。どんな気持ちでSNSにあげたんですか。
 あまりに酷いと思います。

 私は今回、東日本のときに全く違うことを思ってました。
 能登は6月くらいに苦しかった私を助けてくれたところで、自分自身も被災地にいます。

 ここで被災しただけでもだいぶ怖かったのに、奥能登で出会った人たちはもっと怖い思いをしているんだって。
 真っ暗な中で雪も降って寒い中ひとり、今建物に潰されているかも。
 もしかしたら死んじゃったかも知れないって。
 自分の被災体験とともに、ふとしたときに考えてしまって、本当に辛くて、昨日一昨日は1日中泣きました。

 被災地を思っている人ほど動けないです。
 私なんか今行っても邪魔になるだけだって。
 多くの人はちゃんと自覚してる。
 普段あんまり意見言わない私の上司だって、なにも物資は送らずに、SNSでも何も言わずに大金を寄付していた。ちゃんと疑問視してた。

 みんな心配で不安で助けに行きたいのを必死で我慢しているのに、勝手な奴ばかり注目を浴びて、少しの振り返りも自省もせずにドヤ顔しているの本当にうんざりする。
 直接この活動のリーダーに言ったけど、関係者の友達にも言ったけど、取り合ってもらえなかったので、せめて私の大切な友人たちだけでも、この活動のおかしさが伝わってほしくて発信しています。

 「支援自体は素晴らしい」ってその気持ちを否定しないために言ってたけど。
 今後そういったことが起きたとき、能登のような場所に限らず、少なくとも水を除く飲食物の個人的な支援は迷惑にしかなりません。
 やめてください。

被災地の人の訴え②

 ご存知の方もいるかと思いますが、東日本大震災のときに行政と連携せずに動いた多くの民間のNPOやボランティア団体が被災地に向かいました。
 道路の復旧に携わった土建屋の方々も、実は多くが自治体からの要請を待たずに復旧を始めています。
 
 そのときは結果的に、実際に行政の手に行き届かないところまで支援がまわり、あっという間に道路も通れるようになり、彼らの動きは功を奏しました。「何が正しいのかわからない」と葛藤している人は、きっとこのことを知っているんじゃないかなと思います。

 今回特に問題だったのは場所です。
 被災範囲がとにかく広大な東日本大震災とは異なり、今回の地震の深刻な被災地である奥能登は、道も非常に狭く交通容量も限られており、ガソリンスタンドやコンビニさえも本当に少ないです。
 海沿いは崖地がほとんどで海からのアクセスも難しく、特に支援の必要な場所にはヘリコプターが何台も一気に入れるような広大な平地もなく、さらに人々の居住地もひとつひとつが離れています。
 損傷した道路も険しいところにあるため、東日本のときのように、簡単には修復できません。

 このような場所ではもちろん、東日本のときのようにはいきません。
 承認欲求なく、本当に被災地を思って動いた人もいたと思いますが、東日本での教訓がむしろ反対に働いてしまったとも言えます。
 また、私は間違っても、すべての民間支援2反対しているわけじゃないんです。ちゃんと然るべきところに連絡をして、然るべき手順を踏んでから行動している民間支援は大賛成だし応援してます。
※いち避難所や被災者は連絡すべき場所ではないです。負担を考えてください。
 個人の物的支援に関しても、食中毒を引き起こす可能性のある「飲食物」や衛生的な問題のある「衣料」に関しては反対ですが、その他のものについては賛成です。再三ですが、やり方は選ぶべきだと思っています。
 (※現在、県は個人の救援物資は受け付けていないので、この方の意見になります。思いが伝わりやすいと思い、そのまま書かせていただいております)
 また、渋滞はデマだと騒いでいる人がいますが、「初動の遅れ」は特に救護・救援・救命が最優先される時期、三連休より前の話です。能登から加賀方面へ戻る被災者の撮影した映像の中にも、渋滞の様子が残っていますし、勝手に能登入りした人たち自身がSNSで一般車だらけの道中の写真をアップしながら「○時間かかりました」と発信しているので、残念ながら、事実です。
 普段なら私が住んでる富山からでも、七尾まで早くて1時間くらいで着きます。

 三連休は、ただでさえ細い道路が壊滅状態。しかも雪の予報の上に、比較的安全な道は交通規制で通れない。
 電波も不安定な上、救急車両や自衛隊も別ルートなので、なにかあっても見つけてもらえず最悪死にます。
 野次馬は命までかける気なんてないので、当たり前に誰も来ません。

 緊急時ほど、感情的になって行動すると必ずパニックが起きます。
 よく考えれば気づくはずのことを見落とします。
 地震に限らず私がいつもそうだからです。

 行政や自治体とちゃんと連絡を取ってるなら「足りないって聞いて向かった避難所で物資が溢れてる」なんて事態はまず起きません。
 なんでもそうですが、一旦立ち止まって、疑って、考えて欲しいです。
(私の上司がこれをよくやっています)

 辛いことが重なって苦しいけれど、だからこそ今をこうして生きて新年を迎えられていることに、本当に「おめでとう」と自分に言い聞かせています。噛み締めて生きていこうと思います。

 (あいさつの言葉等だったので省略)

 ボランティアを参加したことがない人もだし、参加しただけの人では、ボランティアの運営なんてできません。
 自衛隊のように飲食・排泄・移動を自己完結できず、衛生管理や食中毒の考慮のもできない人に被災地に行く資格はないです。

 ボランティアとか救助って誰でもできるって勘違いしてませんか。
 参加者が大きなスキルがなくても動けるのは、上で指揮する人がものすごくちゃんとしてるからです。

 能登にどうしても行きたいほど正義感があるなら、プロボラ(県や自治体と連携をとっているボランティア団体)か自衛隊に所属することをおすすめします。
 今回勝手に動いた人には多分務まりませんが。

 再三ですが、富山も新潟も公式ですでにボランティアたくさん募集してます!
(※公式のボラは、県外でもOKなのは高岡のみ。他は県内の人に限られる)
 突撃しないで、ちゃんと公式から応募してください!

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【被災地の人の声】※1月10日現在|咲羅紅
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