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現在の占い業界についての、個人的な体感

 先日、この記事をみかけました。

 株式会社矢野経済研究所による、占い・スピリチュアル関連ビジネス市場についての調査です。

 過去に、「占い・スピリチュアル市場の規模は約1兆円ほど」と聞いたことがありますが、2023年の時点でも占い市場は997億円で、それもWEB占い以外の分野に成長性がみられます。
 占いはまだまだ需要があるとみえます。

 この記事を踏まえて、現在の占い業界について、個人的な体感を書いて行きたいと思います。「業界の今ってこんな感じだと思う」というものを、ざっくりと、つらつらと書くので、間違っていたらご指摘お願いします。
(追加あれば、編集してまた書くかもです)

最近の占い業界はまだまだ「リアル」が強い

 調査結果をみると、1対1の鑑定は、対面鑑定や電話鑑定などのリアルな鑑定がまだまだ求められているように感じます。 私も、リアルの場でもネットでも(最近はあんまりネット内での鑑定はしていなくて、SNSで投稿をしているだけになっていますが。増やす予定ではある……)活動をしていますが、ネットを介したチャットやメールよりも、対面鑑定や電話鑑定の依頼数のほうが圧倒的に多いのです。
 双方向のコミュニケーションを叶えるものとして、最近はAIを使った占いサービスも登場していますが、

(↑「占いをするAIはすでにある」の項目です)

本当に占い師本人と話しているわけではありませんよね。
 チャットやメール鑑定も、向き合っているのは画面であり、相手の顔は見えませんしね。

 現在の占いユーザーは、実物と接している安心感や、リアルな人の感情による共感・感情の共有や交換を求める人が多いのではないでしょうか。

 そういえば、昔と比べて富山にも複数の占い師が所属する占い館が増えていますね……。先日、富山市に千里眼さんがオープンしていました。

顔を出さなくてもいい、リアルな鑑定場所を作らなくてもいい「ネット活動系占い師」が増えすぎている

 メール・チャット占い市場、占いスキルマッチング市場などで活動している占い師や、STORESなど自分のECショップを受付窓口にして鑑定を受け付ける占い師、SNSのみで活動している占い師が増えました。
 これは、副業ブームもあると思いますが、ネット占いに抵抗がないユーザーの希望を叶えてくれていることも一因としてあると思います。お客さん側の思いとしては「遠くにいても、気になる占い師に占い依頼したい」「占いに行ったことを知られたくないから、ネット占いで済ませたい」「いきなりリアルな占いは行くのに抵抗はあるから、まずはネット占いから始めてみたい」といったものがあるのかなと感じています。

 ただ、「顔出ししなくてもいい」「アカウント登録と出品内容を書けば気軽に活動できる」など、始めやすさややりやすさも相まって、ネット活動系の占い師は現在も増えており、リアルで活動している占い師やリアルとネットの両方で活動している占い師よりも生き残るのが難しくなっているようにみえます。最近は、AIに相談内容を指示し占い結果を伝える占い師も増えてきておりますので(学習元が不明で著作権を侵害する可能性のあるAIを使用する人もいますし、元々占い専用に学習を行ったAIを使う人もいます。もちろん、前者は以前から非難しているAI占い師のことです。後者はそろそろ登場しそうですが……まだ情報がありません。ちなみに、テキストを扱った占いに限らず、電話占いでもAIに指示を出して占いを行う人がいるようです)ネット占い市場はよりレッドオーシャン化してきているように感じます。

マルシェ系・マーケット系の参入がしにくい

 これは占いに限ったことではありませんが、近年マルシェ系・マーケット系などのイベントが増加しております。
 たくさんのお客さんが集まるイベントは、営業や集客ができるチャンスとして多くの占い師も参加・出店します。サロンや事務所を持たず、イベント出店を主に活動している占い師もいるでしょう。
 そんな、リアルでの活動を叶えてくれるようなイベントが増えていますが、占い師も並行して増えてきているので、イベントの出店枠の奪い合いが生まれているように感じます。抽選でも倍率が高かったり。また、元々の出店者同士のコミュニティが強く、イベント出店者が固定化されてしまっており、新参者が参入しにくいように思います。
 活動の場を作るため、仲間内で新しい癒し系・占い系のイベントを立ち上げるところも以前から見受けられましたが、最近はそれも多いようにみえます。(ただ、イベントの設営や運営は大変なので、1回きり、数回きりになってしまうこともあるような……ないような……)。

占い講師や占い師をサポートするビジネスが増加してきている

 「占い師の広告よりも講座の広告の方が多いのでは?」というくらい、占い講座のSNS投稿や広告をみかけるようになりました。それだけ、占い師になりたい人や占いの精度を高めたい人が増えたんでしょうね。
 内容を調べたりいろんな方からお話を聞いたりしていると、カリキュラムや内容がしっかりしている講座もあれば、中身と金額が伴っていない講座もあったりと、占い講座も玉石混交です。
(というか、大御所の先生の講座が「これでいいの!?」な料金なのに、その先生よりもはるかに名前も実績も少ない占い師の講座がウン十万円というのは、これ如何に)
 他にも、占い館の経営や講座用のテキスト作成、占い師のライバー事務所(中には、講座を行い占い修了書を出すライバー事務所も)など、占い師をサポートする側のビジネスが増加しています。
 占い師よりもサポート側のほうが、ビジネスとして潤ってきているようにも感じます。現に、占い業界に絡みがなさそうな会社が、占い鑑定士講座をやってますからね……。

占い師の書籍も増えてきている

 占い師になりたい人や占いの精度を高めたい人が増えたのもあり、書籍も増えているようにみえます。以前は、一定の専門家の方の書籍が多いようにみえましたが、現在は占い系インフルエンサーを始めとする占い師の書籍も増えております。
 近年は無名の占い師でも、Kindleなどの電子書籍で本を出せるようになりました。同人も含めると、かなりの占い書籍が販売・頒布されています。

「スピ系」を絡ませた占いは、やっぱりドル箱状態

 「ソウルメイト」「ツインレイ」など、「スピ系」(本来、スピリチュアルは精神性や霊性を扱うものであって、「スピ系」と呼ばれているものとは違います。「スピ系」はファンタジーや陶酔の世界であると思ってください……)を絡ませた占いは、高額でも売れるそうです。一度ハマらせたらどんどんお金が入ってくるそうです。
 占いを悪用しているものです。真似しちゃだめです。

(ちなみに、私の公式コンテンツもそれっぽい復縁系占いですが、こちらはちゃんと体系化されたものですのでご安心を。↓)

そもそも占い師が多すぎる。

 そもそも、リアルもネットも、占い師が多すぎるんだよ〜!!
 みんなどんな理由で始めたかはわからないけれど、占い師が多いんだよ。
 だから、上記のようなサポートビジネスが潤うんだろうけど。
 占いのやり方やノウハウはしっかり身についているのに事業としての基礎が身についていない人や「この人は人として大丈夫なのか?」な人も目立ちます……というかこのタイプが圧倒的に多い。伝票やビジネスメールの書き方がわからないのに、売上アップの知識はいっちょまえ、とか。誠意を尽くしたのに手のひらを返す人とか。

 SNSをみていると、性被害を加える占い師やストーカーする占い師がいるとも聞きますし、過去には、急にお客さんを罵倒する占い師や話を聞かないで結果を押し付けた占い師の存在も聞きました。
 逮捕までに至るレベルの問題児も多いのがこの業界なの、悲しくなります。今年はこんなニュースもありましたしね。

 事業の基礎のは、それもあって現在「スタートアップ〜」を書いてたりもするんですけどね。
 多すぎてもいいけど(いやあまりいい傾向ではないけど)、できるならいい人のみでお願いします。

 現在の占い業界の様子、こんなところでしょうか。

 さらに地方からみた占い業界、体感はこんな感じ。

・仕事のチャンスの多さや学術の精度の高さは、東京一強。もしくは都市部。勉強面は「占いアカデミー」など、良質な講座がネットで学べる環境が整っているとはいえ、まだまだ地方では知られていない印象。その代わり、地方の占い講座やワークショップ系で人を集めているのは、SNSやyoutubeなどでファンをつかんでいる地元の占い師。経歴や実績より、知名度や人脈で集めている印象。
・目立って活動している占い師は少ない。
 水面下での活動とはいえ地方も占い師が飽和状態。占い講座も多すぎ。
・都会や都市部と比べて人口が少なく、占われたい人も少ないため、鑑定に重きにおいている占い師は街やイベントに行って活動する。県内の拠点での活動の他にも、県外の人と組んで県外に趣き出張鑑定やコラボイベントを行っている。

 占い業界全体に言えるのですが(これは過去にXでも言いましたが)、占い師、その占い師の育成やスキルアップを行う占い講座が激増している今の状況は、占いを求めるお客さんのニーズや信頼関係が置いてけぼりで、お互いがお互いを共食いしている状態にみえます。
 「まだまだ占いの需要が多いよね」というこの市場調査の結果も、いいふうに捉えれば「今後も求められそうだし、占い師の仕事は安泰だな」とみえるのですが、個人的な体感とはいえ業界の現状を見ている限り「業界で生き残れるかのサバイバルはますます激しくなるし、共食いの範囲も広がるんだろうな」と悪いふうに捉えざるをえなくなります。

 AI業界も参入してきていますし、 今後は「リアル占いとネット占いとAI占いの住み分け」も課題になります。

 いろんな占いのスタイルを認めた上で、目の前のお客さん、教える立場なら生徒さんに真摯に向き合い、よりよい方向に進むように占いを伝えてあげるのが、これからの占い師としてのあり方なんじゃないかなと思います。
 誠実さと強い信頼、学び続ける姿勢が、占い師が生き残る鍵になってくるんじゃないかと私は考えます。

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コメント

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富山県で活動している占い師。鑑定歴15年(R6現在)。2015年に占い事務所「うらないや夕月堂」開設。過去に全国紙雑誌の連載、web掲載経歴、占いサイトの監修経験あり。
現在の占い業界についての、個人的な体感|咲羅紅
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