【中日】井上監督 ファウル判定に異例の猛抗議「退場が怖くて言わん監督おらんやろ」
中日は27日のヤクルト戦(神宮)に1―2で敗れて借金は今季最多の「6」。試合後の井上一樹監督(53)は複雑な表情を浮かべた。ホームランかファウルか。試合の結果を左右した〝疑惑のジャッジ〟が8回にあったからだ。 0―1で迎えた8回一死一塁の場面。川越が振り抜いた打球はライトポール際への特大の逆転2ラン。かと思われたのだが、審判の判定はファウル。井上監督は苦笑いを浮かべながらすぐにベンチを飛び出しリクエストを要求した。 「ポールから真正面の方で、俺らはベンチから見てるわけだから。それで、間違いなく(打球がポールを)巻いているという確信があったから」。逆転アーチと確信してのリクエストだったが、リプレー検証の結果、ファウル判定は変わらずという中日ベンチ全員が仰天するジャッジメントとなった。 リプレー検証後の判定に対して不服申し立てはご法度だが、それでも井上監督はベンチを飛び出し、審判団に抗議。もちろん判定が変わるわけはなく、指揮官はベンチに下がったが神宮は騒然とした空気に包まれた。 この回、代打・ブライトのタイムリーで同点に追いついたものの、その裏、中日3番手・勝野が宮本に決勝タイムリーを許して悔しい敗戦となった。試合後の会見冒頭「フーッ」と息を吐いた井上監督。「リクエストに関してのジャッジに抗議をすることは、NPBでは許されてないってところがあるだろうし。あそこでオレがもう1回行ったとて判定は変わらない。〝あんまり言うと退場になりますよ〟と言われたけど、いやいや、退場が怖くて言わん監督おらんやろ。どういうふうな形なの?っていう説明をもらいたかったんだけど」と試合結果を大きく左右した判定に対するやるせない思いを吐露した。 「今日の試合において言えば、1点をなかなか取れないロースコアの試合の中での当たりだったから、それは必死にならない方がおかしい。それ(判定)のせいでということはスポーツマンシップに欠けると言われたくないのでそれは言いませんけど。いろんな形での提案というのをしてもらってもいいのかなと思う。例えばアメリカならジャッジマンがビデオを見にいくことはないんでしょ。それ専用の人がいるわけでしょ。それはあれなんじゃないですかというのはちょっと思うかな」と指揮官は今後の改善策について言及したが…。3カード連続負け越し中のチームにとってはあまりにも後味の悪い敗戦となった。
東スポWEB